岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

春玉葱歌:尾崎左永子の短歌

2022年12月17日 23時23分08秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・独りよりふたリはよしと春玉葱のスープ盛りつつ言葉はいはず
「尾崎左永子八十八歌」所収。
2015年に開催された「色紙展」の出品作。この段階での代表歌だ

「ひとり」の表記に「独り」が使われているのにまず注目した、作者はそれほど
孤独だったのだろうか。「短歌を『戦い』という作者ならありうる。
またこの作品は「相聞」である。「相聞」はパートナーだけではない。知り人への「思いやり」の歌だ。

 相手の「名前」、スープをもる「場所」の「個別具体的」なことは書かれていない。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し。」

作者には珍しい「相聞歌」である。





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