若山牧水の歌としては最も人口に膾炙しているもののひとつ、「幾山河・・・」の歌。語り尽くされている感もありますが、ここでは少し変わった角度から論じてみたいと思います。散文・近代詩・短歌・俳句の比較という形で。 . . . 本文を読む
「虚=詩的真実(フィクション)」をめぐって、佐藤佐太郎と意見を異にした土屋文明(「写生と写実」「虚と実」の記事「写生論アラカルト参照」。象徴性の強い佐太郎の短歌と対照的な一首です。初めて読んだときと、しばらくたったときではかなり違った印象をもった作品です。その印象の違いとは? . . . 本文を読む
夜の湖。昼なら見える対岸が見えません。岸から思い切り石を投げてみました。河口湖でのできごとです。街灯がひとつもなくて。観光客の多い湖ではこうはいかなかったかも知れません。湖の岸に寄せる波音だけが聞こえました。「湖にも波が立つ」そんな思いも強かった夜でした。・・・ . . . 本文を読む
僕は「運河の会」(長沢一作代表)と「星座の会」(尾崎左永子主筆)の両方に所属しています。どちらか一方に所属する人が多い中でなぜか。「車の両輪」と以前書いたことがありましたが、今日はその話を・・・。 . . . 本文を読む
短歌の結社には「選歌」という仕組みがあります。選者に出来のいいものを選んでもらうのですが、あるときどうしても詠んでみたい題材がありました。写実派としてはちょっと変わった視点だったので、ボツになる可能性もありました。でもどうしても詠みたい。「ええい、ままよ」と、思い切って投稿しました。かなり波紋を呼んだようでしたが・・・。 . . . 本文を読む
斎藤茂吉の代表作としては余りにも有名な、最上川を題材にした作品群。「赤光」とはうって変わって、勇壮な叙景歌です。ある人が僕に語ったことがあります。「北原白秋はやはり茂吉にはかなわないよ。白秋には<白き山>がないからね。」ここで優劣をことさら強調するつもりはありません。がしかし、「赤光」同様「白き山」をぬきに茂吉を語れないと思うのですが。・・・ . . . 本文を読む
時として子どもは大人がはっとする言葉を発します。「難しい言葉を知っているね。ところでどういう意味?」と聞くと、しばらく考えて、「わかんない!」。使い方は合っているから、意味も分かっているのですが説明できません。相手は子どもとあなどるなかれ。よーく大人の話を聞きながら、語彙を増やしていきます。言葉遣いが悪いと、「おさとが知れる」ととんだ恥になることもあり得ます。何十年かあとに。・・・ . . . 本文を読む
小学校、中学校、高校、大学と四つの校歌を歌って来ました。その中でこの頃やけに高校の校歌が思い出されます。その理由はどうも歌詞にありそうです。「歌詞から見た校歌の考察」。個人的思い出話になりそうですが、お耳を拝借・・・。 . . . 本文を読む
「星座」誌上に「北斗七星」という見開きのページがあります。尾崎左永子主筆や選者が、前号(当初は「今号」)の注目作をとりあげるのですが、この欄に初めて掲載された作品です。ところが、選んで頂いた尾崎主筆と僕とでは作品の読み方が少し違っていまして。こういうことは作品の弱点だと思うのですが、新しい発見があり印象深かったので、歌集の巻頭4首に入れました。その理由というのが・・・。 . . . 本文を読む
自分の表現方法と違った傾向の歌を読むことは、しばしば新しい発見をもたらします。まして、「近代の秀歌」といわれる作品やその作者の作品群を読むことは。中国の古い言葉にもありますね。「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」。これを「他人を知ることによって、己を知る」と僕は読み変えています。 . . . 本文を読む
この短歌が決定打でした。これが「NHK歌壇」(当時)に入選しなければ、こんなにも短歌に熱中することはなかったでしょう。西暦2000年。20世紀最後の年の6月のことでした。・・・ . . . 本文を読む
様々な意味で転機となった一首です。批評会(歌会)で、自分の作品を批評しなければならなくなりました。普通は作者本人にあたった場合、司会者の判断でスルーするのですが、その時は順番がまわってきてしまいました。あらためて読み返すと色々と問題点が浮かんできて・・・。でもこの一首でひとつの決断をする結果となりました。 . . . 本文を読む
「運河」誌上に「選歌余滴」というページがあります。各選者がその号の注目作をとりあげるのですが、僕の作品がしばしば掲載されろようになった頃の一首です。くしくも、島田修三が「ムキになれ」と言った3年目のことでした。他にもいくつかほぼ同じ時期に掲載されたものもあったのですが、この一首は特別に思い入れがあり、歌集の巻頭4首にいれました。その理由は・・・。 . . . 本文を読む
斎藤茂吉の言葉。「予が歌を詠むのは、詠みたくなるからである。そういう気持ちが体の奥から湧き上がってくるからである。変な気持になるからである。」と書き残しています。これと同じようなことを、歌人や詩人が書き残しています。「歌が心の奥から湧き上がって来るのを、止めることが出来なかった。」「一篇の詩を書くのに、原稿用紙に何度も鉛筆で書いたり、線を引いて消したりしているはずです。」など。今回はそんなお話です。・・・ . . . 本文を読む