伊藤左千夫。正岡子規の弟子で斎藤茂吉の師。初期の「根岸短歌会」を支えた重鎮でしたが、正岡子規に議論をいどんで論破された経験を持ちます。斎藤茂吉や島木赤彦との誌上の論争も知られています。とすると正岡子規や斎藤茂吉と決定的に違う何かをもっていたはずです。それは何か。その一端を伊藤左千夫の歌論に見つけました。・・・ . . . 本文を読む
現代で最も影響力の強い歌人のひとり穂村弘。「写生・写実派」「浪漫派」「リアリズム」「象徴派」「社会派」「生活派」という範疇にははいらない作風です。僕にとっては、ちょっと馴染み難かった作品なのですが、思わぬ「読み」を教わり驚いた記憶があります。 . . . 本文を読む
渚。どことなく甘美な語感が漂います。グループサウンズの名曲の中にも「思い出の渚」(ザ・ワイルドワンズ)というのがありました。ところがこれを「写実」の方法で詠んだ作品があります。作者は佐藤佐太郎。・・・ . . . 本文を読む
短歌の表記の仕方に、旧カナと新カナがあります。僕は選べるときには新カナを使うことにしています。昨年、「詩歌のかな遣い-< 旧カナ >の魅力」をテーマとして、岩手県の「日本現代詩歌文学館」でシンポジウムが開かれましたが、何かこうストンと胸に落ちないものがあるのですが、それは・・・。 . . . 本文を読む
斎藤茂吉の師は伊藤左千夫。ですが斎藤茂吉は、伊藤左千夫を「選歌の師」・長塚節を「本来的意味での師」と呼んでいます。長塚節は斎藤茂吉について語り、斎藤茂吉も長塚節に多くのことを書き残しています。どうやら「本来的な意味での師」とは、「最も影響を受けた」というように理解できるかも知れません。その長塚節の「写生論」です。 . . . 本文を読む
何年か前の総合誌に「作品の添削と世界観」というタイトルの特集か記事があったと記憶しています。「作品の添削」という言葉を「結社・同人誌」と読み変えたとき、少し違った角度からの「短歌結社」のありかたが見えてくると思います。今日はこの話を少し。・・・ . . . 本文を読む
伊藤左千夫。正岡子規より年長ですが子規の弟子。正岡子規を論破しようと出かけましたが逆に論破されたからです。もともとは政治家志望。のちに「野菊の墓」などの小説も手掛けました。生前一冊の歌集も出さず、50代にはいったばかりで若死にをしました。ある意味不思議な人です。・・・ . . . 本文を読む
湖の岸辺に立つと何か神々しい気持ちになるものですが、その情感を表現するのは案外難しいものです。どうしても平凡になってしまう。そこをどう一歩踏み出すかが問題なのですが、佐太郎の作品に次のようなものがあります。・・・ . . . 本文を読む
5・7・5・7・7の定型をもつ短歌は古くは、和歌の中の一つのジャンルとされていました。それが明治以降、短歌という呼称が定着してきたようですが、この頃こういう言葉ではくくれない問題、それも現代短歌とは何かという根本問題を含んでいると考えるようになりました。・・・ . . . 本文を読む
「写生・写実派」の草分け正岡子規。「俳句・短歌といった日本の短詩を革新した中興の祖」などとドラマのナレーションでは言われますが、子規の「写生論・万葉論」はいったい何だったのか。「歌よみに与ふる書」の内容から考えてみたいと思います。 . . . 本文を読む