どうでもいいです、の話

「どうでもいい」トピックスを載っけていたり、公記事の保守をしたしするページです。

保守記事.462 高齢化は待ってくれない

2016-12-14 12:07:00 | 記事保守

ライブに行く途中、高齢ドライバーに奪われた女子高生の命 友人たちは立ち上がった

彼ら、そして母親はネット署名に何を託したのか。

大好きだったRADWIMPSのライブに行こうとしていた日、彼女は乗用車にはねられ、亡くなった。2015年12月23日。16歳の誕生日まで、あと2日だった。

運転手はそのとき、80歳だった。ブレーキを踏めば間に合ったものの、アクセルを踏み込んでいた。

高齢ドライバーによる事故で奪われた、一人の女子高生のいのち。家族、そして友人はいま、何を願うのか。

「死ななくて良いはずの命でした。娘は、みんなの中心でいつも笑っていて、何にも一生懸命な、元気で明るい子だったのに……」

11月の東京に、54年ぶりに雪が降った日。さいたま市の自宅でBuzzFeed Newsの取材に応じた母親の稲垣智恵美さん(48)は、静かに、ゆっくりと話を始めた。

すぐ真横には仏壇があって、亡くなった聖菜さんの写真がたくさん置かれている。中学までは新体操のクラブチームに、通っていた県立高校ではダンス部に所属していたといい、はつらつとした表情を切り取ったものばかりだ。

「寒い季節になると、あの日のことを思い出してしまうんです」

事故があったのは、取材をした日のように、冷え込みが激しい日だったという。

その日、大好きだったバンド、RADWIMPSのライブを友人と見に行く予定だった聖菜さん。約束より早めの14時ごろ、家を出た。グッズを買うためだったのだろうか。

彼女は「殺された」

事故があったのは、最寄駅に向かう途中のことだった。

裁判の弁論要旨などによると、渋滞道路を渡り終わって道路脇を歩いていた聖菜さんめがけて、一台の乗用車がぶつかった。

運転手はそのままブレーキを踏むことはなく、アクセルを踏んで急加速した。聖菜さんは、鉄製のポールと車の間に挟まれ、死亡した。

リュックの中に入っていたiPadが、事故の衝撃を物語る。ガラス部分は粉々になり、ぐにゃりと曲がったその背面には、柱の形がくっきりと残されている。

「聖菜は、押しつぶされたんです。これは殺人だ、人殺しだと思いました」

その叫び声は、100メートル離れたマンションの一室まで届いていたという。そう言って、智恵美さんは嗚咽した。

「稲垣のために変えないと」

聖菜さんの死をきっかけに、動き出した友人がいる。舟木優斗さん(16)。中学時代の同級生だ。

「文化祭のとき、AKB48のダンスを稲垣さんに教えてもらったんです。明るくって、先に立って行動できる子で、コミュニケーションがすごいうまい子で。僕は人見知りだけど、すぐに打ち解けることができました」

あんなに楽しく踊れたのは「稲垣がいたから」。淡々と取材に応える表情がパッと明るくなる。かけがえのない思い出。でも、その彼女はもういない。

知人からのLINEで事故を知った。ちょうどその前日、聖菜さんとメッセージのやり取りをしたばかりだったから、信じることはできなかった。

「身近の人が死ぬって初めてで。頭の整理がつかなかった。放心状態で、涙も止まらなくて、眠れませんでした」

容疑者が高齢者で、アクセルとブレーキを踏み間違えていたと、ニュースで耳にした。「もっと長い人生を生きられたのに、なんでこんなので殺されちゃったんだ」と、だんだんと怒りが湧いてきたという。

「死が報われない、何かしてあげたい」。では、どうしたら良いのか。

調べてみれば、高齢ドライバーによる事故は各地で相次いでいた。「この現状は、稲垣のためにも変えないといけない」。そうして思いついた手段が、テレビで見たことのある「ネット署名」だった。

死亡事故の約3割が高齢ドライバー

警視庁のまとめた「交通事故統計」によると、2016年10月末現在、原付以上のドライバーによる死亡事故で、加害者(第1当事者)が65歳以上だった割合は28.6%(783件)だった。10年前の割合は18.3%で、増加傾向にある。

「75歳以上」に限れば13.8%(377件)。ほかの年齢層がすべて減少傾向か横ばいだが、唯一10年前と比べて27件増えている。

もちろんこれは社会の高齢化に伴うものでもある。免許保持者10万人ごとの死亡事故件数を見れば、16〜24歳が5.82件と一番高い。65歳以上は4.58件だ。

ただ、認知力や運動能力が下がる高齢者の運転は危険を伴う。横浜市で小学1年生が死亡するなど、各地で高齢ドライバーの事故が相次いだ16年11月には、政府が対策を検討。来年3月からは、75歳以上の免許更新時の認知機能検査で医師の診断を義務づける。

舟木さんは、「Change.org」で政府や政治家、自動車会社に「75歳以上の免許更新を毎年ごとにする」「事故防止に向けた技術開発」などを求めることにした。そして、こんな文章で署名を呼びかけた。

「僕の友達が高齢者による事故でこの世を去ってしまいました。制度を変えたいので、拡散してほしい」

100人、200人じゃどうにもならない。数万人は集めたい。そのために根気強く活動を続けようと思っていた。

訴えは、友人たちを介して段々と広がっていった。

署名に託した願い

智恵美さんがこの署名活動を知ったのは、2〜3ヶ月あとになってからのことだった。当時は「生き地獄のなかで過ごしていた」という。

「親として子どもを守れなかった。生きていることが苦しく、申し訳ないという気持ちになっていました。1、2分でも家を出る時間をずらせなかったのかと。はやく、聖菜のそばに行きたいとすら考えていました」

そんな中で、舟木さんの呼びかけを偶然Twitterで知った。「すがりつくような思い」で、連絡を取った。「聖菜にしてあげられることなのかもしれない」と感じたからだった。

舟木さんと話し合いをし、文言なども考え直した。署名の数はじわじわと伸びている。12月13日現在で約1万6千人分だ。

智恵美さんは言う。

「事故を起こしてしまう人の多くは、みんな前科も事故もなかった、普通のおじいちゃんや、おばあちゃんのはずです。車が手放せない地方の人たちもいるでしょう。毎日のように乗ってきた人もいるでしょう」

「それでも、命より大切なものはありません。高齢者による運転は、飲酒運転のように危険だという意識を持って、考えてもらいたいんです。子を亡くした立場として、高齢者の両親などがいる同世代の方に、ぜひ考えていただきたいとも思っています」

一方の舟木さんは、こう語る。

「初めは、こんなことを勝手にやってよかったのかな、お母さんを傷つけないのかな、と不安でした。でも、こうやってメディアなどに取り上げられて、支援してくれる人もたくさん出てきた。間違っていなかったんだな、と思います」

「たくさんの方々が、『これはおかしい』って思ってくれれば、稲垣の気持ちだって、少しは楽になるはず」

死を埋もらせないためにも

当時80歳だった運転手は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)で現行犯逮捕され、過失運転致死の罪で起訴された。

しかし、ハンドルを切った理由などの供述は二転三転している。さらに、「記憶にありません、申し訳ありません」とも繰り返している。

智恵美さんは「怒りの矛先をどこに向けて良いのかわからない」と話す。

「被告が何も説明できず、わからないことがあるほど、いたたまれない気持ちになってしまいます。親としては、何が原因だったのか、聖菜の最後はどんな様子だったのかを知りたいんです」

いまでも、泣かない日はない。帰ってこないんだ、と受け止めないといけないのはつらい。食事だって喉は通らない。

それでもこうして取材に応じてくれたのは、「聖菜の死を埋もらせたくはない」との強い思いからだ。

ブログでの発信も続けている。たとえば、こんな風に。

もう直ぐ聖菜の事故から1年経とうとしています同じような事故が、無くなるよう、願っても、高齢者による事故は、増え続けています。どうか、聖菜の事を忘れないで、裁判の経過を見守っていて下さい。

「亡くなっても、聖菜が残してくれた友人たちが変わらずに聖菜を愛し、私の支えとなってくれているんです。がんばり屋さんだったから、私もがんばらないといけないな、と思っています」

聖菜さんに伝えたいことはなんですか。そう聞くと、智恵美さんは一呼吸おいて、震える声でつぶやいた。

「本当に、私の娘でいてくれてありがとう」

地裁判決は、12月16日午後に出る予定だ。


保守記事.375-13 なんでも叩けば記事になる!

2016-12-14 12:06:10 | 記事保守

ASKAのタクシー車内映像放送で物議、テレビ局側に見解を聞いた “公益性、公共性があると判断した”

BPO審議入りすべきとする声も。

 覚せい剤取締法違反で逮捕されたASKAさんが乗車したタクシーの車内映像がテレビ局各社で放送され議論を呼んでいます。この映像についてネット上では「プライバシーの侵害ではないか」として映像提供を行ったタクシー会社に対し批判が集まる一方、放送したテレビ局側に対しても「なぜこれを放送したのか」など放送する意義を問う声があがっています。

 この映像は逮捕直前のASKAさんが乗ったタクシーの車内外を写したもの。ASKAさんが運転手に具体的な通りの名称を告げる様子や、降車する際の様子などとともに、自宅周辺に集まった報道陣の様子も映し出されていました。この映像を巡ってはタクシーグループ・チェッカーキャブが謝罪文を発表しましたが、提供経緯・提供元は現在も不明。ではテレビ局側の見解はどうなのか、民放各社に問い合わせてみました。

 取材対応が難しいとした日本テレビを除き、フジテレビ・テレビ朝日・TBSに対し「プライバシーの侵害にあたるとの認識はあったか」「今後も今回の映像を放送することはあるのか」などの質問をFAXで送付。15時現在でTBSからの回答はありませんが、フジテレビからは「容疑者の逮捕直前の映像であり、公共性・公益性があると判断し放送いたしました。入手経緯など取材・制作の詳細についてはお答えしておりません」との回答が、テレビ朝日からは「覚せい剤事件で執行猶予中である著名な人物が再び同種の事件で逮捕されたため、逮捕直前の映像について公益性、公共性などの観点から総合的に判断し使用したものです」との回答がありました。

※当初「フジテレビ・テレビ朝日からは“逮捕直前の映像について公益性、公共性などの観点から総合的に判断した”とする回答がありました」と記載していましたが、フジテレビより「送った回答とまったく異なっている」との指摘があり、文章を訂正させていただきました。
 
 一部では「BPO審議入りするべき」とする意見も。なお、弁護士はテレビ局側の責任について、報道の自由との兼ね合いから「どちらとも判断し難い」と語っています
 

問題視されるASKAのタクシー車内映像がテレビ局に渡った経緯が東京交通新聞の最新号で明らかに

  • 2016/12/13 20:00

ASKA容疑者が逮捕直前に自宅へ戻る際、利用していたタクシーの車内映像がテレビで放送され問題になっている件で、映像がテレビ局に渡った経緯を東京交通新聞が報じています。


これは東京交通新聞が12月12日号で伝えているもので、映像を入手したのがフジテレビによる執拗な要求の末であったことが明らかにされています。

同紙によると11月28日の18:30頃ASKA容疑者を自宅まで乗せたタクシーはその直後とも言っていい19時にフジテレビから車両の配車予約が入り、その後9時間半に渡ってフジテレビは取材や社員の送迎に利用を続けたそうです。

そして翌日の早朝、タクシー会社の責任者に映像提供を求め拒まれるとフジテレビは「(ASKA容疑者は)執行猶予の身であり、社会的に必要な情報は配信しなければならない。責任は負う」と説明。

それでも難色を示したタクシー会社でしたが、「拒否すれば乗務員にさらに負荷が生じることを考慮し」結局映像の提供に応じたようです。

記事からはフジテレビ側が運転手を囲い込んでタクシー会社を断りづらい状態にした上で映像を入手していた実態が窺われ、フジテレビの取材手法の是非が議論になりそうです。

東京交通新聞は前週の12月5日号で問題の映像を提供していた会社をチェッカーキャブグループの「三陽自動車交通」と特定して話題になっていました(関連記事参照)。

映像の提供については11月30日にチェッカーキャブグループがWebサイトで映像の提供を謝罪してはいたものの加盟企業名については明らかにしておらず、東京交通新聞が名前を出した後も三陽自動車交通も12月13日18時現在、映像提供についてWebでコメントしていません。

 

ASKAのタクシー車内映像まで流したテレビ局に宇野常寛が「視聴率目的のクソ」「テレビの傲慢」と真っ向批判

「ドライブレコーダーの件とかありましたけど、あれを流したタクシーの運転手もとんでもないし、あれを視聴率目的で流すテレビもクソですよ、はっきり言って。大事なのは更生プログラムと、やっぱりクスリの害をちゃんと訴えること。更生プログラムのような社会的な取り組みを訴えることが大事であって、『人気歌手がヤクに手を染めました。ちょっと面白いでしょ、変な妄想してるし』というスタンスで(報道を)やるのは、僕は反対ですね」

 本日12月1日放送の『スッキリ!!』(日本テレビ)で、レギュラーコメンテーターの宇野常寛がこんな発言をしてネットで大きな話題になった。ASKAの覚醒剤逮捕に大はしゃぎして、タクシーのドライブレコーダーの映像まで放送してしまった件で、テレビ報道を真正面から批判したのだ。

 一方、MCの加藤浩次はこれに大慌てで「そのスタンスでやってると思えないですけどね」などと否定。宇野がなおも「いや、僕はあのドライブレコーダー流したのは、明らかにテレビの傲慢だと思います」とテレビ側の倫理観を批判すると、キレ気味に「ああいう犯罪に手を染めてる人間に関してもそこはそう思う?」と言い放って、この話題を強制終了させてしまった。

 しかし、加藤がどう言い繕おうが、これは明らかに宇野のほうが正しいだろう。本サイトは報道の必然性があればドライブレコーダーだって放送してかまわないというスタンスだが、ASKAの件についてはレコーダー放送の価値なんてまったくない。まさに宇野が見抜いた通り、視聴率を稼ぐために、“おかしい言動を繰り返すASKAの逮捕前の様子”を見世物にしようとしただけだ。

 いや、ドライブレコーダー放送だけじゃない。そもそもテレビのASKA報道は最初からまさに“むちゃくちゃ”だった。先日、本サイトでもお伝えしたように、テレビ各局は28日午後2時半頃、逮捕状すら出てない段階で、警視庁組織犯罪対策部5課のリークに乗っかって「ASKA元被告 逮捕へ」と一斉に報道。午後10時前に警視庁に逮捕されるまで、その模様をマスコミ各社が見世物にして実況中継した。

 そして、ASKAが事実関係を否定し、物的証拠も出ていないのに、ASKAの言動をすべて覚醒剤中毒に結びつけ、あることないことを暴き立てた。

 取材のやり方もルール無視のひどいものだった。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)にいたってはASKAが芸能レポーターの井上公造に送っていた未発表曲のデモテープを許可なく放送。番組終了後には、その井上に逮捕約5時間前のASKAの携帯電話に直接連絡させ、引き継いだ宮根誠司が巧妙に話を聞き出し、それをそのまま翌日29日の放送で「独占スクープ ASKA容疑者逮捕直前の激白」と題して流した。

  相手が安倍政権の閣僚だったら、ささいな批判さえ「公平な報道をしないと」「公正な取材ができない」などどいって腰が引けてしまうのに、バーニングプロダクションやジャニーズ事務所のような大手所属タレントが痴漢のような犯罪行為を犯しても報道することすらしないのに、ASKAが相手となったらまさにやりたい放題なのである。

 しかも、彼らはそのことに恥じ入る様子はまったくなく、『スッキリ!!』の加藤のように、「ああいう犯罪に手を染めてる人間だから、レコーダーを公開したってもいいんだ」と開き直っている。

 だが、違法薬物使用は、本当に連中が言うような重大犯罪なのか。たしかに、禁止薬物の使用は刑法で罰せられる行為であり、再犯率も約6割と高い。しかし、欧米では、薬物依存症は犯罪ではなく病気として対応するのが主流となってきている。たとえば、アメリカでは1980年代後半から摘発後も刑務所に収容せずに施設に通わせて治療させる取り組みが始まっている。これは「ドラッグコート」と呼ばれるもので、裁判官が回復プログラムを監督し、終了すれば刑事手続きも終えるという仕組みだ。しかも、重要なのはこのプログラムの導入の結果、効果を上げており、再犯率も下がったといわれている。

 こうした薬物依存に対する日本と欧米のスタンスのちがいについて、水道橋博士も本日放送の『バイキング』(フジテレビ)で、こんなふうに語っていた。

「たとえば、アメリカでいうと、多くのアーティストの人が、このハードドラッグをやって体を潰していくけど、そこから再生する物語があるじゃないですか。たとえば、キース・リチャーズでも、アンジェリーナ・ジョリーでも、誰でもいいですよ。そういう薬物からの再生のストーリーっていうものを社会的に認めてあげよう、社会から排除してはならないっていう話があるじゃないですか。そこと一緒に語らないと、どんどんと孤独になるだけじゃないですか。とくに顔がもうすでにわれた人にとっては。その部分をこう、テレビは話し合ってほしいなと思いますけどね」

 薬物依存者を異物として排除するのでなく、社会のなかで包摂していけるよう、報道のあり方もあらためるべきだと。

 ところが、ワイドショーの報道は薬物依存をまるで性犯罪並みの「重大犯罪者」扱いをし、「栄光からの転落した」と、まるでおもちゃのようにいじり倒すことしかしないのだ。これでは更生なんてできるはずもないだろう。

 というか、日本のテレビは最初からきっと薬物犯罪者の更生なんて考えてもいないだろう。それどころか、犯罪を糾弾しようとしているのだって、ポーズに過ぎない。彼らの目的は、自分たちに歯向かう力のない安全な獲物を見つけ、それをいじって見世物にして視聴率を稼ぐ、それだけのことにすぎないのだ。
(本田コッペ)