ダルフールPKO派遣、再び危機 スーダンが合意転換
スーダン西部ダルフール地方の治安回復のために2万人規模の国連平和維持活動(PKO)部隊を派遣する計画が、スーダン政府の強い反対で危機にひんして いる。アフリカ連合(AU)の平和安全保障委員会(PSC)が11月30日、首脳級会議でAU停戦監視部隊の駐留を来年6月末まで延長を決定。スーダン政 府が基本合意したはずの国連・AUの合同部隊についても、国連の関与は財源や技術面の支援にとどめるとしたからだ。治安回復には、さらに時間がかかりそう だ。
「世界最悪の人道危機」とも言われるダルフール問題をめぐって8月、国連安全保障理事会がPKO部隊の派遣を決議した。しかし、スーダン政府の受け入れ 拒否で部隊展開のめどが立たない状態が続いたことから、アナン国連事務総長が11月半ば、エチオピアの首都アディスアベバのAU本部で安保理常任理事国や AU、スーダン政府の代表らと協議。国連とAUが合同で平和維持部隊を派遣することで、スーダンの「基本合意」を得たと発表した。
この時点では、ようやく国連によるダルフール危機への介入に道筋がついたとみられた。
ところが、スーダンのバシル大統領はその後、再び国連部隊の展開や、国連の指揮権を認めない方針を表明。30日のPSCの会合では、「国連の技術的助言や財政援助は受け入れるが、国連部隊は必要ない」などの考えを示したという。
会合にはナイジェリアのオバサンジョ大統領や南アフリカのムベキ大統領らも出席したが、スーダン政府の意向は変えられなかった。PSCの責任者は、12月末までだったAU部隊の駐留期限をさらに半年延長し、「国連からは必要な分野で支援を受けることになった」と述べた。
イスラム主義のスーダン政府は、ダルフールでの死者数を20万人とする国連の見解を認めていない。バシル大統領は最近もダルフールでの戦闘による死者は9千人以下で、治安が悪化しているというのは欧米メディアなどが作ったウソである、との持論を展開した。
ダルフールでは、04年からAUが停戦監視活動を始めた。だが、フランスと同じ広さの地域に約7000人しか展開していないうえ、資金や機材も不足しているため、AUは今年初めから国連への任務引き継ぎを検討してきた。
内戦をめぐる交渉では、5月に最大の反政府勢力が政府との和平に合意した。しかし、交渉を離脱した反政府勢力は新たな組織をつくって政府軍との交戦を続けている。
混乱はダルフールに隣接するチャドにも波及し、東部で馬に乗ったアラブ系民兵が黒人住民を襲う事件が頻発。チャド政府は11月半ば、非常
事態を宣言した。チャド東部で反政府勢力の攻撃も激しくなっており、同政府は「チャドの反政府勢力をスーダン政府が支援している」として国連の介入を求め
ている。
【過去記事】
保守記事.16 海外も見てみよう
保守.16-2 海外も見てみよう
保守.16-3 日本のニュースには、あまりとりあげられませんね
保守記事.16-4 日本でも、とりあげてね
保守記事.16-5 解決には。。。。
保守記事.16-6 誰でもいいから、トメテー!!
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