マイバッグ 万引きに悪用相次ぐ
精算の有無区別困難■店側防止に苦慮
ごみの減量や資源の節約を目的に県内のスーパーや百貨店でレジ袋を有料化してから1か月になるが、買い物客に定着しつつある「マイバッグ」を悪用 した万引きが相次いでいる。マイバッグに商品を入れた後にレジに向かう客もいるなど、万引きと買い物の区別がつきにくいという思わぬ“副作用”もあり、小 売店側は対応に苦慮している。
県内では地元スーパーなど18社107店が無料で買い物客に配布していたレジ袋を6月30日から1枚当たり1~5円で販売するか廃止し、店によっては当初は1~2割程度だった買い物客のマイバッグの持参率が8~9程度にまで上昇した。
しかし、甲斐市のあるスーパーでは7月に入り、「マイバッグに商品を入れたままレジを通さずに店を出た人がいる」などと買い物客から寄せられる万引きの目撃情報が増えた。担当者は「以前の1・5倍くらいになった」と話す。
実際、県内のスーパーに警備員を派遣している警備会社は、この1か月にマイバッグを使って万引きした窃盗犯5~6人を取り押さえたという。未払い の商品をマイバッグに入れたまま店外に出たり、精算を終えた商品をマイバッグに入れていったん店外に出た後、売り場に戻って別の商品を入れたりする手口 だった。
以前はレジ袋が精算済みの目印となっていたが、現在は店内でマイバッグを提げたまま買い物する光景が当たり前となったため、別のスーパーの担当者 は「売り場で商品の入ったマイバッグを持っている買い物客がいても、精算されたかどうかわかりにくい」とため息をつく。スーパー側は「万引きをしていない 客に誤って疑いをかけることが一番怖い」ため、疑わしいケースを見逃すことも少なくないという。
県内のスーパーでつくる山梨流通研究会は「一部の万引きで環境を守る取り組みが台無しになるのは避けたい」と話しており、独自で警備員を雇うこと も検討している。あるスーパーは「買い物の際にはマイバッグを畳んでもらうといったルール作りが必要かもしれない」としている。
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