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保守記事.330-9-2 環境のためなら死んでもいい

2008-07-24 15:24:51 | 記事保守

<特集ワイド>そのエコ、本物?! 「数値で効果」検証を

2008年7月17日(木)18:00
  • 毎日新聞

 ◇レジ袋は石油の“廃品”を有効利用、環境には特によい

 レジ袋削減はエコではなくエゴ――。環境保護のため、地道にしてきた数々のエコ活動の効果を、疑問視する指摘が増えている。「地球に優しく」「次世代のため」との掛け声の下で取り組んできたが、本当に意味はないのか、考えてみた。【山寺香】

 <割りばしを使わずマイはしを持つのはただのエゴ><温暖化は二酸化炭素(CO2)削減努力では防げない><ペットボトルのリサイクルは環境に良くない><冷房28度の設定は温暖化防止に意味なし><古紙のリサイクルは良くない>

 中部大総合工学研究所の武田邦彦教授(資源材料工学)は、5月末に発売された著書「偽善エコロジー 『環境生活』が地球を破壊する」(幻冬舎新書)の中で、これまで常識として受け止められたエコ活動を、真っ向から否定してみせる。

 特に印象的なのは、数年前から全国に拡大しているレジ袋削減に関する部分だ。

  「レジ袋は、もともと石油の成分のうち使い道がなく焼却されていた成分(エチレンなどのオレフィン成分等)からできている。いわば石油の“廃品”を有効利 用しているもので、環境には特によい」と主張。返す刀で、レジ袋削減や代わりに使うマイバッグについても「石油の中で貴重な成分(BTX成分)でできてい て、使う石油の量はレジ袋の比ではない。また、これまで家庭で生ゴミを捨てる際などにレジ袋を活用してきたが、レジ袋を追放すれば代わりに専用ゴミ袋を新 たに買わねばならず、結果的に石油の消費量はほとんど変わらない」と切って捨てる。

 こうした武田教授の主張に対し、ノンフィクション作家 の吉永みち子さんは戸惑いを隠さない。「これまで環境のためだと思って『レジ袋削減のためにマイバッグを持とう!』とコラムなどで呼びかけてきた。しか し、それを『偽善』だと言われると『えっ、私は偽善を勧めてきたわけ?』となってしまう」

 ただ、エコへの考え方を問い直すきっかけにも なったようだ。「考えてみたら具体的な石油の削減効果は分からない。マイバッグが大量に出回り、イベントなどで配られ、1人がたくさん持っている。これも 疑問。エコという前提でやってきたけれど、偽善ではないと立証する根拠が何もない」

    ■

 実際、レジ袋削減運動で石油 の節約効果はあるのか。旗振り役である環境省のリサイクル推進室、橋本郁男室長補佐は、武田教授の主張に対し「そもそも次元が違う話で、そのような視点か ら取り組んでいるわけではない。コメントする立場にない」と話す。レジ袋削減は、原油使用量削減のため取り組んでいるのではない、ということだ。

  それでは、環境省の掲げるレジ袋削減の目的は何だろう。橋本室長補佐は「97年に容器包装リサイクル法を施行し、ペットボトルなどのリサイクルに力を費や したが、1人当たりの家庭ゴミ排出量はほとんど変わらずゴミの減量効果はなかった。そこで、ゴミ自体を出さないリデュース(発生抑制)への転換の象徴的な 存在としてレジ袋に着目した。ライフスタイル転換のきっかけにしようという意味合いが強い」と説明する。

 これに対し、武田教授は「レジ袋を減らしても新たに物を買えば結局ゴミは減らない。国民は石油やCO2の削減になると思って取り組んでいるのだから、精神論ではなく数値で効果を示すべきだ」と反論する。

  レジ袋製造業者で作る日本ポリオレフィンフィルム工業組合の02年の試算では、レジ袋は国内で年間305億袋が使われている。環境省は削減のため、スー パーやコンビニなどに対しレジ袋の有料化、受け取りを断った人へのエコポイントの提供、マイバッグの配布などを求めている。

 自治体では、 レジ袋有料化は07年1月に京都市が初めて制度を導入した。今年4月からは東京都杉並区が全国で唯一のレジ袋削減を進める条例を施行し、富山県が全県で導 入するなど、4月1日現在で全国の28自治体が有料化を実施。5月以降に実施予定または検討中が約20自治体あり、取り組みは拡大している。

    ■

 レジ袋削減で、実際にゴミの減量効果はあるのか。

  杉並区は02年3月、レジ袋を使う消費者に5円を課税する条例案を可決(施行はせず)するなど、レジ袋削減に積極的に取り組む自治体だ。清掃管理課による と、区民1人当たりの1日の家庭ゴミ排出量は、01年度715グラムに対し06年度は649グラム。減少しているが「この間にゴミの分別方法が変更される などしたため、削減効果かどうかは分からない」という。

 武田教授の指摘に対しては、環境問題に取り組む市民団体の間でも受け止め方は分かれる。

  市民団体「食品と暮らしの安全基金」(さいたま市)の小若順一代表は、「ゴミの排出量を抑制するにはレジ袋削減などよりも、新たな消費を作らないことが一 番重要。そんなことは誰でも分かるが、消費が低迷すれば景気低迷につながるので大きな声で言う人はいません」とレジ袋削減による効果には懐疑的だ。さらに 「新たな消費をあおるもので環境にいいものはない」と言い切る。

 一方、「必ずしも科学的に実証できなくても、レジ袋削減運動をきっかけに 今の大量消費・大量廃棄の生活に疑問を持つきっかけになれば大きな意味がある」と語るのは、市民団体「環境市民」(京都市)の〓本(すぎもと)育生代表理 事。「レジ袋にとどまらず、食品を包むトレーやラップなどにも関心が向けば、幅広いゴミ抑制につながる」と訴える。

 何をもって「環境に優しいエコ」とするかは人それぞれ。多くの人が多少の不便を我慢できるのは「省エネ」と信じればこそだ。

  吉永さんは「地道に取り組んでいることが本当にエコになるのかという疑問は、反論が出るたびに、みんな感じている。そろそろ冷静に、本当に環境にいいこと なのか悪いことなのかを検証する時期にきているのではないか。そうでなければ、腰を据えて取り組むことはできない」と話す。

 掛け声に盲目的に従うのではなく、一人一人が本当のエコを見極め、選択する時期にきたということなのだろう。

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保守記事.330-9 くだらん



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