阿久根市長、議会ボイコット 怒り、戸惑い
2010年03月06日
午後4時前に議場に現れた竹原市長(左奥手前)と市長派の市議4人=阿久根市議会 |
マスコミが議場にいることを理由とした阿久根市の竹原信一市長の「市議会ボイコット」は前日に続き5日も行われた。竹原市長は本会議が終わる直前
になって議場に現れたが、議会側はこの日の開催には応じなかった。竹原市長は「議会が要求を受けなかった」と責任転嫁の発言。「議会軽視」「身勝手だ」。
議員や市民からは怒りや戸惑いの声が上がった。(周防原孝司、三輪千尋)
空転が続いた午後3時すぎ、議会事務局に竹原市長側から「本会議に午後3時35分から出席したい」と意思表示があった。それを受けて、市議会議会運営委
員会を開催。だが、残りの時間で総括質疑を行うのは無理があるとして10日に開催することを申し合わせ、全員協議会に諮った。
全協は3時40分ごろに始まった。同じころ執行部が議場に入り、竹原市長も3時50分ごろに自席に着いた。
全協は最終的に総括質疑の延期を決定。ため息をつきながら議場に荷物を取りに戻った反市長派の議員に、薄ら笑いを浮かべた竹原市長から声が飛んだ。「まだ時間あるよ。ちゃんとやろうよ」
「バカにするな」。議員からは怒鳴り声が飛んだ。「なぜ朝から来なかったんだ」「2日も待たせておいて」。議員名が書かれた札をたたきつけるように倒して帰っていく議員もいた。
議場には市長派の議員4人と竹原市長と執行部だけが残った。竹原市長は「文書はちゃんと出した。それに議会が応じてくれれば良かっただけの話だ。議会
(の進行)よりもマスコミが重いということだ」と議場で話した。市長派のある議員は「市長は出てきたけど今度は議会が拒否。面白いな」と大声で笑った。
反市長派の議員は「まったく理解できない」と怒りが収まらない様子。「許せない。市長の資質がまったくない」と話した。
市長に向けられる市民の目は冷ややかだ。農業の男性(57)は「市長は議員としっかり議論して市民のために取り組んでほしい」と話した。会社員の男性
(55)は「何もコメントできないぐらいあきれている」。パートの女性(51)は「マスコミが傍聴席に入ってまずいことでもあるのでしょうか。市長として
議会に出席するのは当たり前のことではないでしょうか」と首をかしげた。
――竹原市長は議会が(終了予定時刻の午後4時近くなってからの開催に)応じないのが悪いと言っている。
櫁柑氏 議会には何も責任はない。当然出席すべき立場の市長が私的な理由で出席を拒んできたのだから。
――市長の対応をどう思うか。
櫁柑氏 間違っている。地方自治法を無視したというのは市長の間違った行為だ。
浜之上氏 昨日と今日の市長の行動は議会軽視だ。
――(報道5社のカメラ持ち込み禁止を求めた)市長の要求書についてどう思うか。
浜之上氏 個人的には非常に残念。まさに差別的とも取れ、公正公平さに欠ける。議事は公開しないといけない。
――市長が突然出席した。「市長の要求を受け入れない」という議会の姿勢を、市長が受け止めたととらえているか。
櫁柑氏 当然そう思っている。マスコミを排除する意思はない。それを竹原市長が受け入れたということだと思っている。
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