【日本ハム4-1中日】すべてが“日本式”だった。新庄ら選手たちに先を譲って最後に胴上げされたヒルマン監督。深々と頭を下げたインタビューで プレーオフと同じ決めゼリフを口にした。「シンジラレナーイ!ホッカイドウノ、ミナサンハ、セカイデ、イチバンデス」。大歓声の札幌ドーム。青い目の指揮 官が北海道へ春を運んだ。就任4年目の今年、日本の野球に迎合しチームを「勝てる集団」に変えた。
バントを多用し、投手の球数制限も緩 和。その戦いはシリーズでも変わらない。中日・川上を崩したのは5回の同点スクイズ。これが史上2位タイの13犠打目で「この球団で指揮を執れたことを誇 りに思う。誰1人、不必要な人はいない。全員でつかんだ勝利だ」。そして「私の父の誕生日に勝ててうれしい。新庄はたくさんのエネルギーをみんなにくれ た」。ヒルマン監督は最後まで“選手が主役”を貫いた。
≪亡きオーナーも選手と歓喜舞い≫大社オーナーも日本一戦士に胴上げされ、44年 ぶりの感激をかみしめた。腕の中には昨年他界した大社義規・前オーナーの遺影が抱えられていた。前オーナーは自らが買収した球団に情熱を注ぎ、球界発展に も寄与した。大社オーナーは「今後も北海道になくてはならない球団を目指し、さらなる挑戦を続けてまいります」と笑顔で話した。
戦いの場を劇場に 新庄、涙の夢の成就(共同通信) - goo ニュース今季もまた一つのドラマが誕生し、完結した。北の都に移転して3年目の日本ハムが熱いファンとともにリーグを制し、日本一の座も獲得した。そのシナリオは新庄という特異のキャラクターを持つ男の存在なしには考えられなかった。
日 本ハムにドラマ性を持ち込んだのは、まさに新庄だった。言葉を換えればグラウンドという戦いの場を劇場に見立て、舞台効果を演出してファンという観客に提 供した。それはスポーツの醍醐味(だいごみ)にショー的要素を加え、新庄の口癖でもある「楽しむ」ことを訴え、促した。
時には破天荒とも思えるパフォーマンスは、観客に語りかける言葉であり、役者のセリフだった。その異色のスターにファンが呼応した。球場に足を運び、高揚感を共有した。熱い声援はナインを刺激し、プレーをもり立てていった。
ドラマは進んだ。レギュラーシーズンを勝率1位で通過し、プレーオフをものにした。そして日本シリーズもさっそうと駆け抜けた。物語はさらにもう一幕が用意されていた。夢の成就が新庄のユニホームを脱ぐ日でもあった。この心憎い終章は主役の新庄の涙で幕を閉じた。
「52年の壁に…」落合監督進退伺提出へ(スポーツニッポン) - goo ニュース
【中日1-4日本ハム】中日の52年ぶりの日本一の夢は夢のままで終わった。ベンチ裏の通路。落合監督の表情は柔和だった。しかし目は充血してい る。淡々と敗戦の弁を述べた。「31日でオレの契約も切れる。オーナーに3年間の報告をして進退伺を出す。それ(続投かどうかは)はまだ分からない。来年 以降もやれと言われるか、お疲れさんと言われるか。今月中にどういう形になるかははっきりする」
白井文吾オーナーは落合監督の手腕を高く 評価し、続投は既定路線とされていた。しかし第1戦勝利の後の4連敗はあまりにも無残だった。「日本シリーズという雰囲気が選手になかった。日本ハムに負 けたというより52年の厚い壁にはね返された。強者が必ずしも勝つとは限らない」
川上でも駄目だった。第1戦で快投を見せ、その再現を期 待されて上ったマウンド。しかし1点のリードを守りきることはできなかった。5回に伏兵・稲田に中越え二塁打され、金子に無警戒だったスクイズを決められ た。マウンドからダッシュして、グラブでボールを谷繁にトス。しかし間に合わなかった。そして6回には1死三塁からセギノールに4球目を右翼席に運ばれ た。
「本塁打を打たれたことより、先頭打者を出した方が悔しい…」。打球を見届けるとマウンド上で両ひざを手にうつむいた。絶対的なエースのはずだった男は数秒間、動くこともできなかった。打線は5試合で8得点。残塁は38に上った。
04年と今季にリーグ優勝。いずれも日本シリーズで敗れた。「強いチームより負けないチームをつくらないと。それが中日ドラゴンズの課題」。落合監督がそれに携われるのか。判断は球団側に委ねられた。
≪ 福留「仕方なし」≫福留も力を発揮できなかった。初回1死一塁で遊ゴロ併殺に打ち取られるなど3打数無安打1四球。日本シリーズ5戦で20打数4安打、打 率・200だった。「仕方がない。まだこれで野球が終わったわけじゃない」。99年のダイエー(現ソフトバンク)との日本シリーズは18打数2安打。04 年の西武戦は左手人さし指の骨折で出場できなかった。セ首位打者として挑んだ3度目のシリーズだったが、リベンジはかなわなかった。
≪最 後の職人芸 川相好機演出≫川相の現役生活最後の打席は1―1に追いつかれて迎えた6回無死一塁。井上の代打で打席に立つと、ダルビッシュの初球をきっち り投前に転がし、1死二塁の場面を演出した。「ダルビッシュの球は速いので手ごわいと思ったけどね。ボールが見えて何とか転がすことができました」。今度 は指導者として日本一を目指す職人の目に涙はなかった。
≪アレ解雇へ≫中日がアレックス・オチョア外野手(34)と来季契約を結ばない方 針を固めたことが26日明らかになった。アレックスは4年目の今季、来日以来最少の15本塁打。定評のあった守備にも陰りが見られることから解雇が決まっ た。また佐藤道郎2軍監督(59)とも契約を更新しない方向で検討中。後任には西武、ヤクルトで活躍した辻発彦氏(48)=解説者=の名前が挙がってい る。
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