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保守記事.461 地域活性化の起爆剤

2016-08-29 13:44:52 | 記事保守

「また佐賀県か!」 目立たない県のド派手なPR戦略

佐賀県職員 「サガプライズ!」プロジェクトリーダー 金子暖
2016年08月29日 05時20分
 

おそ「松」さんと「松原」。ただそれだけ

 7月下旬の平日、佐賀県北部の唐津市に、女性を中心に多くの観光客が 集まった。その数約1300人。彼女たちの目的は、佐賀県が人気アニメ「おそ松さん」とコラボレーションしたイベント「さが松り~佐賀も最 高!!!!!!~」だ。唐津市には松林「虹の松原」をはじめ、銘菓の松露饅頭(まんじゅう)や松原おこしなど、「松」の名がつく県産品や場所が多い。その「松」と、おそ松さんの「松」つながりで実現した企画だ。

 「おそ松さん」は、赤塚不二夫さん原作の「おそ松くん」 に登場する松野家の六つ子が大人に成長したという設定で、2015年10月から16年3月まで放送されたアニメ。「甘えん坊」「キザ」などのキャラクター の個性が話題となり、若い女性を中心に絶大な人気を集めている。

 今回の企画では、佐賀牛や呼子のイカなど、佐賀の名物の被(かぶ)り 物を六つ子が身にまとい、町中のいたるところに登場した。佐賀牛やからつバーガーなどのコラボメニューや、松露饅頭などのご当地商品に六つ子がプリントさ れた限定商品を販売したほか、唐津城や虹の松原をめぐるスタンプラリーを開催した。移動手段はオリジナルのラッピングバスという力の入れようだ。

 夏休み期間中ということもあり、開催から4週間で1万7000 人が訪れ、唐津市は大いに盛り上がった。東京や大阪など全国各地から足を運び、「佐賀県どころか九州も初めて!」という人たちもいたという。コラボ商品を 展開するお店の担当者も、「普段は訪れる観光客は年齢層が高く、若者が唐津に来るだけでありがたい」と話す。

 火付け役は、佐賀県の情報発信事業「サガプライズ!」。県内外の企業やブランドとコラボし、話題を生み出して佐賀県をアピールする事業だ。

 全国の自治体の魅力度を「地域ブランド」として、順位付けを 行っている「ブランド総合研究所」が発表した「47都道府県魅力度ランキング」では、佐賀県は46位に終わっている。佐賀牛や呼子のイカ、有田焼など魅力 ある観光資源や特産品に恵まれていながらも、全国的にはあまり知られていない県だ。

 全国の地方自治体の例にもれず、佐賀県も人口減少や高齢化が 止まらない。5年ごとに行われる国勢調査では、00年から4回連続で人口が減少しており、65歳以上が総人口に占める割合は10年時点で24.5%と、深 刻な状況にある。佐賀県はUターンやIターンを希望する人を積極的に採用したり、近隣の大都市からの移住を促進したりと、地方創生に力を入れている。

 ただ、佐賀県の地方創生はそれだけではない。サガプライズ!が行う、他県が考え付かない「異色のコラボ」の力で、県を積極的にPRする新しい地方創生に取り組んでいる。

異色コラボ連発! 人口の2倍が来訪

 サガプライズ!が手がけた企画は数多い。

 7月下旬には、東京の表参道で、佐賀県南部の「有明海」から直送した干潟の泥につかることができる「GATA-BAR(ガタバー)」を“開店”。干潟につかりながら、佐賀の地酒を飲み、ムツゴロウやワラスボなど、有明海の名産を食べられるイベントだ。

 東京のど真ん中に干潟が出現し、泥だらけになってお酒を飲む姿を見た通行人は「これ、何!?」と立ち止まる。中にはTシャツを買い、その場で泥につかる人もいたほどだ。有明海の干潟を東京都民に強くPRできた。

 

 ゲームとのコラボも話題だ。

 「ドラゴンクエストシリーズ」などを抱えるゲーム業界大手のスクウェア・エニックスの人気ゲーム「ロマンシングサガ」と、名前つながりのイベント「ロマンシング佐賀(さが)」を14年から毎年実施している。

 初年度は東京のみの開催だったが、翌年以降は佐賀県内だけで開催している。JR九州や有田焼の窯元(かまもと)などと協力し、ゲームのキャラクターをあしらったラッピング電車を走らせたり、ゲームのキャラクターを転写した1枚108万円、直径62センチの大皿を受注販売したりするなど、ありとあらゆる方向からゲームとコラボした。その甲斐(かい)あって佐賀駅には大勢のファンがつめかけた。

 15年冬には、全世界で400万本以上を販売した任天堂の人 気ゲーム「Splatoon(スプラトゥーン)」とのコラボ「Sagakeen(サガケーン)」を催した。ゲームの主人公が「イカ」であることから、唐津 市呼子町の特産品である「イカ」とタッグを組んだ。ゲームのキャラクターでラッピングした観光遊覧船を走らせ、呼子のイカなどの飲食や観光スポットを楽し むスタンプラリーを展開。2か月の開催期間中、人口4900人という小さな港町に、約1万3000人を超える観光客が全国から訪れた。

 来場者からは、「訪れたきっかけはコラボだけど、呼子町や佐賀県そのものが好きになった」「イベントが終了しても今度は家族で訪れたい」という声が多く寄せられた。

 今までのコラボが話題になったこともあってか、今では年間100件近い企業やブランド、団体からの問い合わせがある。県内だけをみても、100を超える企業や団体、市町自治体が「一緒にやろう」と、事業やコラボに賛同し参加している。

流行を察知し、素早くコラボ

 このように『サガプライズ!』は、佐賀の魅力発信・情報発信にとどまらず、「コラボ」という手法を用いて、佐賀の地方創生を実現しようと挑戦している。

 宝島社とコラボして生まれたご当地本『LOVE! 佐 賀』は、名産や名所などを紹介するガイドブック。このご当地本はその後、熊本県、福井県、千葉県の三つの自治体でも出版された。婚活支援サービス大手のゼ クシィ縁結びとコラボして行った広域婚活プロジェクトは、佐賀県以外にも複数の地域でも取り組まれている。

 大手のブランドやメーカーと県内企業や生産者がコラボすること で、企画終了後も、継続して県内企業が取引しているケースも多い。コラボする相手の企業やブランドの新しい活動になっていることや、県内事業者や生産者が 通常接点のないコラボ先とお付き合いすることで、イベント終了後もコラボ先の店舗で継続販売されるなど、独自のビジネスが始まっている。地方から日本中を 元気にすることに、地道だが着実につながっていることは、大変うれしい。

 こうした事業の中で最も重視していることは、生み出したコラボが話題となることだ。話題にならないコラボは誰にも届かないうえ、佐賀にフィードバックしても、地元の人も一緒になって盛り上がれない。とにかく、話題となることを狙っている。

 スタッフがインスタグラムやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ウェブニュースなどを毎日チェックし、流行をキャッチする。東京にオフィスを設けているのも、流行をいち早く察知するためだ。

 特に、おそ松さんやスプラトゥーンはスタッフが人気を見抜き、企業に提案を持ち込んで実現したものだ。「おそ『松』さんと虹の『松』原」、「スプラトゥーンの『イカ』と呼子の『イカ』」は、佐賀県を熟知したスタッフだからこそ、見つけることのできた共通点だ。

 コラボ先が意外であればあるほど、話題や反響となって返ってく る。特に、真面目な印象を持たれがちな自治体が、ゲームやアニメといったサブカルチャーコンテンツとコラボし、その効果は予想を超えたものになった。イン ターネット上では「また佐賀県が変わったことを始めるぞ」といった反応が目立つようになってきたように思える。

佐賀県との新しい接点を作る

 

 話題をきっかけに、佐賀県との新しい接点を持ち、「買って もらう、来てもらう、住んでもらう」という佐賀への消費行動につなげることこそ、サガプライズ!の真の目的だ。おそ松さんやスプラトゥーンのコラボの際に 参加者が語った、「佐賀県に初めて来ました」「イベントが終了しても今度は家族で訪れたい」という声が、佐賀県を盛り上げていくスタートになり得ると考え ている。イベントはあくまできっかけだ。

 イベントをきっかけに佐賀県との接点が生まれたら、次は「佐賀県の ものを買ってもらう」「佐賀県に来てもらう」ことも目指す。そのためには、イベントで物販を行うのはもちろん、訪れたファンが佐賀を満喫できるように、地 域全体でスタンプラリーを展開したりするなどの工夫をしている。そして最終的には、「佐賀県で就職してもらう」「佐賀県に住んでもらう」ことにつながるこ とを期待している。

 もう一つ大切なのは、イベントを実施することで、自治体が抱える課題を解決することだ。

 呼子町でのイベントの際は、「毎年冬に観光客が落ち込む傾向 がある」という呼子町の声を受け、あえてイベントを冬場に計画した。その結果、閑散期の売り上げの底上げに貢献した。唐津市のイベントでも、古墳時代に朝 鮮半島に出兵する恋人を見送ったとされる、佐用姫の悲恋の伝説をコラボのキャラクターのイラストに組み込むことで、新たな観光資源にすることをサポートし た。

 東京にいると、地方の悩みはどこも同じだと思われがちだ。ただ、地方の課題は、それぞれの土地で少しずつ異なっている。課題を一つひとつすくい上げ、話題としっかり組み合わせることで、一気に解決していく。

キーワードは「その県ならでは」

 筆者が県職員になる前の民間企業時代は、「自治体PRはよく似た手段 や手法が多いな」と感じたことがあった。ゆるキャラを作ってみたり、PRドラマを撮ったりと、手段はさまざまだ。しかし、ある自治体があるPRを成功させ ると、全国各地で同じようなPRが行われ、表現手法によっぽどのインパクトがないと、横並びになって埋もれてしまう。

 佐賀県で情報発信を設計するときに、この点を変えたかっ た。情報発信は、伝わること、届くことが大事なので、もちろん、成功している自治体のPRは参考にした。ただ、その成功はその自治体の目的に合致したPR 手段でしかない。佐賀県をPRするには、やはり「佐賀県ならでは」が大切になるのだ。

 面白さや魅力ある「地域が持つ本物の素材」を使い、いかにその 地域の課題をクリアし、ニーズに答えられるか。これについて、地域をリードする各自治体が真剣になって考える時代に突入したと感じている。佐賀県は佐賀県 に合ったPRを考え抜き、佐賀県の目的に沿ったPRを実施するべきだ。

 他自治体のPRも、「各自治体やその地域ならでは」をとても重視していると感じる。ここがぶれると、手段であるPRは何のために実施しているか、よく分からないものになってしまうからだろう。

PRで日本がもっと元気に

 

 十数年前、タレントのはなわさんが「SAGA佐賀」という歌 でブームを起こした。多くの人は、佐賀県のイメージはここで止まっていると思う。人によっては「がばいばあちゃん」や「甲子園での佐賀北高校の『がばい旋 風』」というイメージを持つかもしれない。このほかにも、佐賀県には「佐賀県ならでは」がたくさんある。

 虹の松原やイカ、有明海はもちろん、佐賀牛や和菓子、武雄温泉や嬉野温泉など、「佐賀ならでは」は数えきれない。これらをいかに話題に乗せて鋭く発信できるかがカギなのだ。具体的な名物や特産品のことをもっと知ってもらい、消費行動に結び付けていきたい。

 サガプライズ!に携わって感じたことは、消費者の行動が、今 まで地域に対して代表的な「ご当地のものを買う」という行動から、「実際にその地域に行く」「その地域に住み、働く」「その地域の人と結婚する」という行 動に移りつつあるということだ。コラボで佐賀県のことを知った人が、実際に佐賀県に移り住んだという例もある。つまり、自治体のPRが、人々をその自治体 に住まわせることも難しくはない時代になっているのだ。

 だからこそ、佐賀県はPRをより進化させる必要がある。全国 の自治体も、各地で地域PRを加速させていくだろう。そうすれば、情報の質や手段といった中身も、それぞれの地域ならではのPRが登場する。そのことで、 佐賀県だけでなく、日本全体がもっと元気になると信じている。

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