観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

低インフレ至上の日銀に操られたかのような植田総裁の見切り発車発言

2024-02-28 00:41:58 | 経済財政
日銀総裁 “今後も物価上昇続く デフレでなくインフレ状態”(NHK 2024年2月22日)

国内資金は円安に関わらず国外に逃避していると考えられます。自律的なデフレ脱却には程遠く、植田総裁の発言は到底容認できるものではありません。日本は急激な少子化が進んだ先進国です。であれば、資金を眠らせないためには、他の先進各国より高いインフレ率が必要とも考えられます。にも拘わらず、日本は(デフレを否定するものの)低インフレ率を容認してきました。これが日本の経営者に手元資金を厚く積ませ、内部留保を貯めこませて、金融的に低成長に陥った(アベノミクスが一定の成功を収めても何時まで経っても日本経済をテイクオフさせることが出来なかった)原因と考えられます。日本も停滞中も(少ない人手で仕事をする努力とコストカットで)生産性を改善する努力は続けてきました。しかし手元資金や内部留保は成長の原資になりませんし、公共事業を幾ら増やしても乗数効果は低減するばかりです。日本の需要を増やすことは大切ですが、需要を見つけ出し供給体制を構築するのは企業です。企業がやる気になって、少子化に関わらず、賃金を上げ、設備投資を増やすことしか、日本を再浮上させる解は無いと私は考えます。消費者にバラ撒きもいいんですが、将来不安で貯蓄に繋がったら意味がなく、少子高齢化を急激に改善する見込みもありません。(金融緩和/財政出動を止めて)円高で輸入が増えても日本経済は活性化しませんしね(円高で可処分所得が増えると考えるのは早計だと思います。需要を見て供給体制を構築する国内企業が活性化してこそ、日本の民間需要が増えると考えます。具体的に考えてみましょう。円高で海外産牛肉が安くなると、和牛の消費は伸びるでしょうか?)(巨額の貿易赤字を抱える国は通貨高の方が貿易収支が改善するとも考えられます)。

今の日本の問題は金融緩和でも通貨安でもインフレでもありません。どうしても経営者がデフレマインドから抜け出せず、国内投資を進めないことにあります。急激な少子化=市場の縮小がありますから止むを得ない側面もありますが、ここを変えないと日本経済が再起動することはありません。日本政府は基調として現状の財政金融政策を維持し、企業の国内投資(賃上げと設備投資)の活性化の後押しに集中しなければなりません。難しいのは賃上げの加速と定着ですが、日本企業には良くも悪くも自前主義があると思われ、中途採用の労働者の奪い合いによる賃金上昇はあまり見込めないような気もします。残念ながら解雇規制を緩和したところで、(育てるべき)下層が切り捨てられるだけでしょう。起こって欲しいのは上層の奪い合いですが、上層はそもそも解雇されないので、解雇規制をどうしようがあまり関係ない訳です。日本の人手は限られているので、最低賃金上げや解雇規制で下層を守る=下層の生産性を上げることは、日本経済に資すると私は思いますが(切り捨てられて転職した人が生産性を上げるか疑問な訳で、企業の方も補充したらコストカットにならず、現在の労働市場でより良い人が来ると期待するのは疑問です)、結局必要なのは企業にとって上層をどうやって飴で釣るかの話になってくるはずです(下層は上層の賃金が上がってから、インフレに釣られて上がるのは間違いなく、いずれにせよお金の出し手が望まない賃上げは進まないはずですし、無理やり公平に(差をつけずに)賃上げを進めても(やってもやらなくても同じですから)、生産性の向上に繋がりません)。そういう訳で、消費性向の高い若者の初任給上げ(将来戦力の囲い込み)は大歓迎ですし(その分給与の上昇が緩やかになっても問題ありません。どうせ転職は容易に出来ませんし、出来たとしたら、こちらからも転職を促すことが出来、自社の労働者の情報を一番持っているのは自社ですから、囲いたい人材の待遇を良くすることで十分対抗できます。ただし職務給は他社からの評価を容易にし、中途採用市場を活性化して、賃金上昇に繋がると考えられます)、(例えばホワイトカラーエグゼンプションで上層の労働者の価値を高め)ヘッドハンティングを促すような改革も有効かもしれません(ホワイトカラーエグゼンプションが名ばかり店長から労働力を搾取する制度にならないよう気をつける必要はあります。店長が店員と同じ仕事をするなら、キチンと時給で評価しなければなりません)。

デジタル行財政改革とDXにかかる重い意味(急激な少子化下での成長を考える)

2024-02-08 02:42:52 | デジタル・AI
小林史明議員が国会で大変良い質問をされています。それを踏まえて、私もDXについて考察していきたいと思います。

衆議院TVインターネット審議中継
ビデオライブラリ
開会日:2024年2月7日 (水)
会議名:予算委員会 (7時間13分)
小林史明(自由民主党・無所属の会) 13時00分 40分

地方自治体がバラバラのシステムである等、デジタル行財政改革の可能性は大きいことを指摘されています(地方分権とバーターではありません)。政府が無駄な仕事をせず、効率的な仕事をすることは極めて重要ですね。政府が無駄遣いして、民間に無駄遣いするなと言っても説得力がありませんから。日本は本格的な人口減少社会を迎えて効率的なお金の使い方をする必要があります。少ない人手で小さくなった仕事をすれば、これまでと変わらないと思うかもしれませんが、それに止まらず、より効率な仕事をしていき(面倒な仕事を省き)、創造的な仕事に集中して、生産性を上げれば、少子化社会でも、日本は成長し得るんですね。

民間も同じですね。大手は余裕があるので、給与をちょっと出せば、人手を確保できると思うかもしれません。それで必要な仕事をカバーする(需要を抑える)ことが出来れば、経済のパイは縮小しないと言えることは出来るでしょう(大企業がやっても中小企業がやっても仕事は仕事、需要は需要で、出来る企業が仕事をすればいい訳です。中小企業を搾取するモデルで商売している大企業は中小企業が無くなったら困るかもしれませんがね。いずれにせよ、この働き手不足の世界で人手争奪戦を企業は勝ち抜いていかなければなりません。大企業が進出してもしょうがない僻地もあるでしょう。小回りの利く中小企業が活躍できる分野もあるかもしれません。中小企業が無くなることは無いのであって、無理な補助で生産性の低い(中小)企業に人を集めるのは経済にブレーキをかけると思います。勿論、人件費をかけている中小企業を残すことに意味はあります。しかしそれは大企業にも言えるのであって、大企業も相対的に人件費をかけている企業もあるでしょうし、中小企業でも人件費をかけてない企業もあるでしょう。大切なのは同じ基準で人件費をかけている企業を支援することではないでしょうか。人件費をかけると言っても経営者ばかりが独占する企業もあるかもしれません。経営者がお金を使えば、それでも経済は回りますが、守銭奴の経営者にお金を集中させても意味がありませんし、結果的にみんなの給与を上げることで、経済を支え成長させたい訳です。お金を使うと言っても、何処にお金を落とすかも見ていく必要があります。(日本でお金を使わない投資しない国の)海外ブランドばかりが売れても日本経済は温まりません。地域経済にお金を落とすことで、地域の企業が温まるという視点もあっていいかもしれません)。しかし、そこに止まれば、日本は相対的に沈んで行ってしまいます。民間もやはりDXをやって、面倒な仕事を機械に任せ、創造性のある(価値を産む)仕事に集中する必要があるんですね。そうして生産性を上げることが出来れば、日本は急激な少子化でも成長し得るし、そうしなければならないと思います。(人手不足対応で)価格を上げて給与を上げることも必要でしょう(上げ過ぎて儲けて手元資金を貯めろと言っている訳ではありません。事業を続ける(企業価値を維持する)ために賃上げして、その分価格に反映させろと言っています)。しかしそれに止まらず、企業は価値を創出することでも、価格を上げることが出来ます。そしてより儲けることが出来れば、価値の創出に貢献した人材に還元すればいい。そうしないとその人が取られる恐れがありますからね!(価値創造に報いない終身雇用年功序列制は、価値創造を産み出さず、価値創造による生産性向上を起こしにくくすると考えられます)(DXによる)既存の仕事の効率化も重要です。しかしDXを上手く使い、新しい価値を創造することも、それに劣らず重要と言えるでしょう。

DXが進むのはいいんですが、DXを担う人材のことも考えなければなりません。需要があっても、供給がボトルネックになったら、需要は満たされませんよね。勿論、人手が足りなくなったら、人材の争奪戦が始まり、給与は上がります。それが狙いですが、直ぐには人材を養成できませんよね。だから給与は上がります。供給数を増やすことでは需要は満たされない訳です。起こるのは低生産性の(価値の低い)仕事の切り捨てのはずです(医療福祉等、切り捨てられない仕事を国が補助したり担ったりすることになります)。そうしないと人材が解放されないとも言えます。需要があれば、(日本人は勉強しないと言いますが)勉強の価値も上がるでしょう。勉強できることにも意味がありますが、多くの人は動機がなければ、勉強を続けることも出来ません。その動機は危機感から来るものもありえますが、報酬につられるパターンもあるでしょうし、勉強する時間を他のことに使いたい人もいるでしょう。個人にはそれぞれの事情はあります。日本の経営者に多いタイプかもしれませんが、無理に(クビで)危機感を煽っても、動かないものは動きませんし、育った人材をクビにして、新しい人材を募集コスト・育成コストをかけて雇う経営者は(育った人材の給与を上げていないなら尚更)、この人手不足の時代に勝ち抜けるか私は疑問もあります。いずれにせよ、需要あるところに供給ありです。仕事をDXで日本は適切に創造していかなければなりません。人材が湧き出る時代は終わりました。これからは人手不足の新しい時代です。