WiLL11月号から原発に関する記事を論評する。
光るのが武田靖スイス連邦工科大学チューリッヒ客員教授/東京工業大学特任教授の「ドイツ、イタリア「脱原発」のトリック」という記事。特にスイスの脱原発の不可能性の指摘(スイスには火力発電がなく、水力が六〇%、原子力が四〇%、水力の六〇%の内の二〇%が揚水発電で事実上六〇%が原子力/92p)は貴重。他国の動向を参考にする時は、背景まで押さえるべきで、世に溢れる欧州の「脱原発」をネタにした煽り情報に対する痛快な一撃となっている。
光らないのが小林よしのりゴーマニズム宣言。原発を守れば核抑止力になると思っている保守派はめでたいなどとコキおろしているが、その直後にIAEAの厳格な査察によって核の兵器利用は完全に封じられているなどと書かれている・・・だったらやはり核抑止力を重視するなら、原発を守るべきだろう。氏は明らかな脱原発だが、脱原発で核技術を絶やして、親米をポチと散々こきおろして(核シェアリングなど考えていない)、NPTを脱退する覚悟を言って煽っているが、核武装国(中国・北朝鮮など)の脅威にどうやって対抗するつもりか不思議でならない。日本が核武装するまで連中は待ってくれるのだろうか?
また、1970年代前半は九州に原発はなかった、その時大丈夫だったのだから、今、原発を全部止めても大丈夫などと言っている。一世帯あたり電力消費量の推移(電気事業連合会【でんきの情報広場】)でも参考にしてほしい。
西尾幹二氏の「現代リスク文明論」は意味不明。「口惜しいが原発に手を出すのは早かった」発言と氏の脱原発とどういうふうに整合するのか?一回止めて「弱い知性を鍛えて」また原発をやるというのか?どうして乗り越えようという発想にならないのだろう?そうでない限り、「強い知性」は夢のまた夢だろうに。
櫻井よしこ×奈良林直の原発事故徹底検証対談はいい。追及調の原発事故論が世に溢れる中、新鮮に映る。特に菅政権と東電のベントに対する意見の食い違い(菅政権は東電がやりたがらないベントの指示を出したと言い、東電は東電側からベントの申し入れをしたと言っている)の指摘が面白い。自分は東電の方が本当のことを言っていると思うがどうだろう?
急に転向した「保守」のことをふと考えた。
光るのが武田靖スイス連邦工科大学チューリッヒ客員教授/東京工業大学特任教授の「ドイツ、イタリア「脱原発」のトリック」という記事。特にスイスの脱原発の不可能性の指摘(スイスには火力発電がなく、水力が六〇%、原子力が四〇%、水力の六〇%の内の二〇%が揚水発電で事実上六〇%が原子力/92p)は貴重。他国の動向を参考にする時は、背景まで押さえるべきで、世に溢れる欧州の「脱原発」をネタにした煽り情報に対する痛快な一撃となっている。
光らないのが小林よしのりゴーマニズム宣言。原発を守れば核抑止力になると思っている保守派はめでたいなどとコキおろしているが、その直後にIAEAの厳格な査察によって核の兵器利用は完全に封じられているなどと書かれている・・・だったらやはり核抑止力を重視するなら、原発を守るべきだろう。氏は明らかな脱原発だが、脱原発で核技術を絶やして、親米をポチと散々こきおろして(核シェアリングなど考えていない)、NPTを脱退する覚悟を言って煽っているが、核武装国(中国・北朝鮮など)の脅威にどうやって対抗するつもりか不思議でならない。日本が核武装するまで連中は待ってくれるのだろうか?
また、1970年代前半は九州に原発はなかった、その時大丈夫だったのだから、今、原発を全部止めても大丈夫などと言っている。一世帯あたり電力消費量の推移(電気事業連合会【でんきの情報広場】)でも参考にしてほしい。
西尾幹二氏の「現代リスク文明論」は意味不明。「口惜しいが原発に手を出すのは早かった」発言と氏の脱原発とどういうふうに整合するのか?一回止めて「弱い知性を鍛えて」また原発をやるというのか?どうして乗り越えようという発想にならないのだろう?そうでない限り、「強い知性」は夢のまた夢だろうに。
櫻井よしこ×奈良林直の原発事故徹底検証対談はいい。追及調の原発事故論が世に溢れる中、新鮮に映る。特に菅政権と東電のベントに対する意見の食い違い(菅政権は東電がやりたがらないベントの指示を出したと言い、東電は東電側からベントの申し入れをしたと言っている)の指摘が面白い。自分は東電の方が本当のことを言っていると思うがどうだろう?
急に転向した「保守」のことをふと考えた。