観測にまつわる問題

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ウクライナはあえて突破してないのか

2025-01-18 00:03:41 | 外交安全保障
ゼレンスキー大統領 “ウクライナ軍の規模 ロシア軍を上回る”(NHK 2025年1月16日)

ロシアの防御の薄い地点を突破するのが難しいのがスロヴィキンライン/竜の歯にあるのだとしたら、ウクライナもマネは出来るはずであり、ウクライナは消耗を怖れてあえて突破を狙っていないのかもしれません。ロシアの北朝鮮含む地方の切り捨てが限界に来るのが先か、ウクライナが音を上げるのが先か。

(空戦は発生してないにせよ?)陸空の戦いが激しい様子が見てとれますが、ウクライナ主導の海戦が発生してないのがやや引っ掛かります。ロシアの通商破壊戦で穀物価格が高騰したのは問題だと思いますが、ウクライナは戦争を止めるためロシアの鉱工業にダメージを入れられるなら入れるべきでしょう。

拉致問題はシベリア抑留と相似するか

2024-11-20 04:24:35 | 外交安全保障
林官房長官“拉致の認定の有無にかかわらず帰国実現へ全力”(NHK 2024年11月19日)

拉致認定せず幾ら北朝鮮の面子を立てても、北朝鮮は帰国にイエスと言わないと思います。日本に行ったらそのまま帰ってこないと思っているからです。ですから、残念ながら一種の捕虜として身代金の類を払うしか帰国の可能性はほとんどないと思います。再発防止のためにはガードを上げるしかありません。

勿論、北の核を認める等、国際社会の制裁に反し、日米韓の連携を壊すような譲歩は有り得ません。そうすると参考になるのはシベリア抑留でしょうか?日ソは平和条約を結んでいませんが、シベリアに抑留された人は結局帰還しています。日ソ共同宣言のような枠組みが必要かもしれません。

となれば、対価(身代金)は結局通商の関係を持つということになるんでしょうか?まぁそれで日本から武器の部品等を調達されたら話になりませんし、北朝鮮を肥え太らせる訳にはいきませんが、食料を供給し、崩壊を防ぐくらいの役には立つかもしれません。それを日本が容認できるかですかね。

北朝鮮の核武装路線を止める現実的な方策とは

2024-11-13 03:52:52 | 外交安全保障
X@tetsuo_kotani>トランプ周辺から北朝鮮との軍備管理に前向きな発言が出始めている。北朝鮮を核保有国として認めるということ。

これは激震。本当に?北朝鮮が寝返って、ミサイルの向く方向が変わるなら一考に値すると思いますが(拉致問題も案外進む可能性があります)、核武装国として認められた北朝鮮と相対するなんて嫌ですよ。ニクソン訪中がアメリカ最大の敵を育てたみたいな話になる。

X@Gurenko_Andri>もしウクライナが負けたら、次は台湾有事だと思っていたのですが、意外と次は朝鮮有事かもしれません。露のテレビで「西側は露朝条約は北朝鮮が露を助ける為にあると言うが、実は逆で、北朝鮮は露の核の傘に入ったのだ。だから北朝鮮は米日韓の侵略から守られる」と報道されています。

これは北朝鮮の軍備管理の話でしょうね。トランプさん周囲が北朝鮮の核保有を認める可能性を示唆したことに対する反応で、北朝鮮がアメリカに届くミサイルを保有しない代わりに核を認める話があったと記憶しています。対アメリカでは北朝鮮の代わりにロシアが核の傘を提供するんですね。

これは韓国にとっては特に恐ろしい話で、尹大統領が北朝鮮の非核化の堅持に早速言及していますが、韓国が核武装・核共有しないと、アメリカが理由をつけて撤退した後、通常戦力で南侵が始まり、アメリカは助けに来ないというような事態が想定される訳で、それが北露の狙いのように思われます。

日本も他人事ではありません。日本も北朝鮮のミサイルの射程範囲です。アメリカが(ロシアとの相互確証破壊の均衡で)北朝鮮に核を使わないことを決断してしまうと、どうやって日本を守るんでしょうか。米軍基地追い出し運動とは何か?自称平和主義者の降服寝返りを連中は当てにしているのではないか?

ただしトランプさんは2016年に日本の核武装に言及していますが(「トランプ氏、日本の核兵器保有を容認 米紙に語る」日経2016年3月27日)、北朝鮮の話が先に進むと、空白が生じて、そこで戦争が発生する可能性があります。核無き世界なんて言ってる場合じゃなく、日本は真剣に核議論するべきです。

核武装路線の止まらない北朝鮮に対して、イランは意外と核武装を本気では実行していません。これはサウジやUAEの対抗核武装が現実的で意味が無いと見ているからでしょう。現実的な核議論・核武装の準備による抑止が重要と考える次第です。勿論核拡散は問題ですが、核共有は核武装には当たりません。

気になるのはサウジのイランへの接近です。まさかとは思いますが、イランに核武装させて、自分も核武装しようとは思ってないでしょうね?サウジは日本にとって重要な資源供給国ですが、ビンラディンを育てたとも言われる国です。全面的に信用する訳にはいかず、核拡散に反対の基調は確認したいです。

韓国 北朝鮮ICBM ロシアから技術支援受けた可能性を指摘(NHK 2024年11月11日)

>通常、発射前に行われるエンジンの実験が確認されていないなどとして、ロシアから技術支援を受けた可能性を指摘しました。

・・・あれらは嘘つきですからね。北朝鮮がロシア支援の見返りを期待して軍を出したのではなく、技術支援の見返りに軍を出したのかもしれません。

X@show_muran>来年1月までに、北朝鮮は駆け込みで核実験するだろうか。これに限らず、この3ヶ月はいろいろ注意が必要な時期。

1月20日で大統領就任。それまではバイデン政権。準備期間を長くとっているんでしょうけど、レームダックの期間が長いと、それはそれで悪い面もあります。北朝鮮は核実験が何時でも出来る状態で待機していたなら、やるんでしょうね。

ロシアの戦争終わらせられる?アメリカ前駐ロ大使の考察(NHK 2024年11月12日)

>中国は北朝鮮が核・ミサイル技術を進展させることを望んでいないと考えています。
>プーチン氏は北朝鮮よりも中国から幅広い、より多くの支援を得ているので、自制するかもしれません。

・・・ロシアによる北朝鮮への核の傘提供発言に中国は拒否感を示していないようです。

これは恐らく中国の核武装が核の傘を提供するのに十分でないことを意味するのでしょう。確かに北朝鮮の核武装路線は暴走しています。しかし中国は本気でこれを止める気が無いようにも見えます。核武装国で超大国の中国に北朝鮮が核ミサイルを撃ち込むことは無いだろうからです。

従って中国はロシアに北朝鮮の核武装を止めるように働きかけることも無いだろうと思います。北朝鮮の核武装が進展しているのは自らの意志です。ただ西側の北侵が現実的とは考えてないはずです。残るは北朝鮮による南侵の可能性ですが、少なくとも北朝鮮は一方的な軍拡で西側から利益を引き出す気です。

北朝鮮には韓国左派政権から利益を引き出した成功体験があります。ミサイル輸出に希望を持っているかもしれませんし、サイバー攻撃に期待しているかもしれません。韓国では左派が復権しています。つまり成功していると自認しており、核ミサイル開発を止めることはありません。ロシア中国も止めません。

ウクライナはまずは押し返せ

2024-11-13 02:56:13 | 外交安全保障
EU ウクライナに砲弾98万発以上供与 予定より遅れも支援強化へ(NHK 2024年11月12日)

>アメリカとヨーロッパ諸国を合わせたウクライナ向けの砲弾の生産能力は年間120万発だとした一方、ロシアの生産能力については年間およそ300万発だとしていて、ロシア側が大きく上回っている

・・・これがウクライナ劣勢の原因の可能性もありますね。

ロシア領内の軍事基地を叩く選択肢の検討も良いと思いますが、軍事基地は一般に抗堪性を高めており、重要施設は民間にカモフラージュしているとも考えられます。ロシアが民間を狙うのは、軍事基地を叩くことが効率が必ずしも良くないと考えている可能性もあります。

いずれにせよ、ウクライナがドローンをモスクワに飛ばすのは、前線に投入すると迎撃されるからでしょうし、つまり消耗戦/総力戦を回避して起死回生の逆転劇の道を探すまで追い込まれています。しかし正攻法で負けて奇策で勝つのは中々難しいでしょうから(クルスク侵攻も今思えば一発逆転狙いでしょう。負けが込んだギャンブラーみたいになっています)、正攻法で負けないよう支援が必要と思います。

砲弾の増産に必要な原材料は十分過ぎるほどある、問題は工作機械の入手性(航空万能論 2023.03.6)

>中国資本に買収された欧州の火薬企業も「半年ほど前から欧米企業に発射薬を供給しなくなった」とDieWelt紙が報じている

・・・これが事実としたら、日本がロシアに甘いのと裏返しかもしれませんが、欧米は中国に甘い/期待し過ぎです。

ロシア報道官 軍事侵攻や和平条件など “譲歩なし”姿勢を強調(NHK 2024年11月9日)

やはりウクライナを消す気ですね。「キエフ」はどうしても譲れないのでしょう。この状況下で停戦はウクラナイナ滅亡の前準備になると予想されます。トランプ政権を筆頭とするNATO諸国が防衛ラインを何処に設定する気かで、ウクライナ(とモルドバ)の運命が決まりそうです。

ロシア(欧州方面)に対するNATO諸国がウクライナを見捨てないのであれば、戦況からロシア領内の軍事基地を攻撃する等のカードを切る必要がありそうです。ウクライナ支持色が強いバイデン政権がこれらのカードを切らなかった理由が明らかではなく、外部からは何とも言い難い所があります。

この問題でアジアに関わる新要素は北朝鮮ファクターですが、韓国も政権の支持率が低く、犠牲を伴う思い切った支援を実施し難い状況にあると考えられます。西側のアジアの大国の日本も政治が混迷していて、アジアですら思い切った政策は採り難い状況であり、それが直近で解消する見込みはありません。

というか、トランプさんはNATOが嫌いという話も。第一次トランプ政権の日米同盟の感じでは、同盟国を守らないというタイプではなく、交渉重視なんだろうとは思うのですが、欧州は五月蠅いことをいう連中と思っているのでしょうか?ただそういう話は別として、ウクライナを滅亡させる(見捨てる)なら、NATOを防衛ラインにするしかありません。多分、ウクライナを見捨てるつもりはなく、プーチン大統領と交渉して、停戦という成果を出すことに関心が深いだけだと思うのですが。いずれにせよ、その前提として、プーチン大統領にはこれ以上の戦闘は無駄/逆効果と思わせる必要があります。何か高飛車な(私にはそう見える)ゼレンスキー大統領を見ていると中々そうは見えませんが、ウクライナは劣勢であるということを再確認して、原因を分析し、対策を打たないと危ういんだろうと思います。

「ウクライナはまずは押し返せ」という話なんですが、恐らくウクライナは全土奪還の目標が高過ぎて、そこから逆算して作戦を立てているから、直ぐに奇策に走って危ういんだろうと思います。ロシアは核という切り札も残しています(どう考えてもウクライナがロシアを追い込むのはもはや無理筋です)。停戦はウクライナの意志によるというのも事実です。全土奪還の目標を我々がどうこう出来る訳でもありません。しかし負けが込んでいるギャンブラーの冒険に我々が無理につきあう道理もありません。現実的な目標に設定し直してくれれば、作戦も立て易く、支援もし易いと思うんですけどね。

国内世論がそれを許さないのは分かるんですが、やっぱり戦線膠着した時点で日露戦争の終わり方(ポーツマス条約で日比谷焼き討ち事件)を想起したのは、自分でも気味悪いくらい予想が当たってる感じですね(ウクライナが望み通り勝つなら、勿論それに越したことは無いんですけどね)(滅亡する方向に予想が外れないことを祈ります)。ポーツマス条約の時のアメリカ大統領も共和党の(後に進歩党を創設していますが)セオドア・ルーズベルトでした(ノーベル平和賞を受賞)。問題は今度はロシア皇帝が勝つまで(全土を取るまで)諦めないかもしれないという情勢なんですが・・・。ただ無理に止めさせても、ウクライナが「満州事変」を起こすかもしれないねという気はします。何ともいやはや平和への道は遠い。

北朝鮮の核開発とウクライナ情勢、西側の今後の方針

2024-11-02 15:31:42 | 外交安全保障
軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんによれば、「北朝鮮が明言してる軍事開発計画のうち、残ってるのは「多弾頭化」と「原子力潜水艦」くらい」だそうです。

そろそろ北朝鮮の核問題に実効的な対策を考える時が来たんじゃないかと思います(中露の核は相互確証破壊で対応できるとして)。具体的には(核拡散に当たらない)核共有です。いずれにせよ、一方的な軍拡は破局に至る可能性が高く、こちらも対抗すべきかと考えます。

北朝鮮派兵 米元大使 “見返りに核・ミサイル技術提供も”(NHK 2024年11月1日)

北朝鮮の暴走が加速するとしたら、そろそろ対抗策を考えないと不味いです。北朝鮮の当面の狙いは核武装国として認められることですが、その先は何を狙っているのでしょうか?次は経済発展を目標とするとしても、我々は絶対に認めません。南北共に縦深性がないので、通常戦争の可能性も低く、共にいざ有事に死なば諸共で(持っていれば)ぶっ放す可能性も高いです。抑止が正解でしょうが、北朝鮮は抑止のハードルを上げてきています。北朝鮮は破れかぶれで南侵する可能性があります。我々は南侵の決断が北朝鮮の終わりの始まりにする必要があり、北朝鮮経済を中露が支えるのは防ぎようがありません。

X@BUNKUROI「北朝鮮ICBM。対米ミサイルとして既に射程は充分なので、大型化は多弾頭が目的なのかと思ってたのですが、普通にさらに射程を延ばしてきました。北朝鮮のこの後の発表で、何か今回の目的を示唆する言葉が出てくるか否かに注目です」

北朝鮮は本当に何か目的があるんですかね。連中が合理的なようには思い難いところがあります。つまり多弾頭化する技術が無いにも関わらず、示威行為で能力の向上をアピールしたようにも見え、(インドを認めたように)どうも我々がイモ引いて核保有国として認めると考えているんじゃないでしょうか?

核武装のその先に軍事的な目標があれば、ミサイルは温存していいと思います。それをしないということは、核武装は核保有国として認めさせるための政治的な目的であり、その先に経済発展を考えているような気もします。しかしそんな道を認めれば、核拡散は止まりません。

或いはミサイルを輸出する性能誇示の可能性も考えられますが、多弾頭化が出来ないのは寧ろマイナスです。ロシアからの提供を警戒して警戒し過ぎることはありませんが、ロシアは実質的なウクライナ全土の支配以外で取引はしないものと思われます。北朝鮮への技術提供がウクライナで取引材料の可能性も。

北朝鮮への技術提供がアメリカとの取引に使われているとしたらですが、アメリカ製兵器によるロシアの軍事基地への攻撃は政権が代っても代わらなくても認められない可能性があります。これは西側には残念な話ですが、アジアで北朝鮮の暴走を遅らせるためには必要な措置とも言えます。

米政府「ウクライナ国境に既に約8,000人の北朝鮮兵が到着。数日中に戦闘に出ると予想される」| APニュース(November 1, 2024)

ロシア有利の戦局なら、プ大統領的にも「消耗品」として役に立つといったところか。国土を侵された訳でもない北朝鮮のメリットが不明。ウクライナ侵略が終わった頃に「自力開発」に成功する可能性も考えられます。最悪の展開を前提に対応策を。

多様な東南アジア諸国と米中対立小考

2024-10-22 23:40:58 | 外交安全保障
ASEAN、同盟組むなら「中国選ぶ」が5割超 初めて「米国」上回る 識者ら調査(産経 2024/10/22 20:02)

>東南アジア諸国連合(ASEAN)の10加盟国の識者らを対象にした年次調査
>今回の調査ではマレーシア、インドネシア、ラオス、ブルネイの各国で中国の支持が顕著に増加
>中国と南シナ海で領有権争いを抱えるフィリピンは8割超が米国を支持し、ベトナム、シンガポールなども過半数が米国を選択

東南アジアは思ったよりバラバラで、係争のあるフィリピンやベトナムの次は自分達という意識が薄いようです。或いは米国の関与があれば、フィリピンやベトナムが陥落するという想定をしなくていいと考えているのかもしれません。だからと言って、フィリピンやベトナムを陥落させる訳にはいきませんが。

東南アジアがバラバラという前提で、次の焦点はラオス・ミャンマーだと思います。こちらへの浸透は現在のところ、喰い止められる形勢にありません。ミャンマーは軍部独裁への制裁に乗じてどうも中国の軍事的な進出があるようにも見えます。ラオスは中国の経済進出で政治的に従属を選ぶようです。ラオスは民族的に近いタイとの関係が鍵になりそうです。

マレーシア・インドネシア・ブルネイはイスラム教徒がパレスチナ情勢に絡んでアメリカに反発している可能性も考えられ、経済や留学で関係を深めることも考えられます。

シンガポールは国柄から東南アジアの一体性と独立・安定重視でしょうか。

イスラム教国は特に欧米に反発があるようにも見えます。中国がパレスチナの和平に関与する狙いはそこにもあるかもしれません。キリスト教国はその逆でしょうか。東南アジアの仏教はインド経由で中国に特に親近感はないようにも見え、秦緬はイスラム教の浸透を警戒している可能性も考えられます。

上座部仏教国とスリランカとの関係は良く分かりません。ベトナムは宗教・文化がどうのこうのより、軍事的な中国の浸透を警戒する立場なのでしょう。華僑も現地化してますし、棄民がルーツとも言え、あまり親中国ではないようにも見えます。アニミズムの少数民族は多数派民族との関係が第一でしょうか。

イスラム教国等、東南アジア諸国で特に気になるのは、富裕層と日本との関係です。欧州とアラブは留学を通じたチャンネルがあるようにも見えます。逆に言えば、大衆は中国の進出に無防備なのかもしれません。出稼ぎ労働者の出稼ぎ先の印象は民主主義国でないと政治的な影響力は薄いはずです。

>中国の経済的影響力の拡大には全体の6割超が「懸念する」

富裕層には中国の経済的影響力の拡大に懸念があるのかもしれません。債務の罠や軍港の租借等、政治的・軍事的な進出がセットになっているようにも見えるからです。純粋なビジネスの方が意外と話がし易い可能性もあるでしょうか。まぁ中国でなくとも、我々の投資を勝手に国有化されたりするのは受け入れ難い話ではありますが(南米の資源国を意識しています)。或いは(アフリカ等でも)中国は欧米がつくったルールにタダ乗りしている側面もあるかもしれませんね。

>米中対立のリスク回避のために信頼できる戦略的パートナーとしては、欧州連合(EU)が37・2%でトップ、次いで日本(27・7%)が選ばれ、インドやオーストラリア、英国、韓国を上回った。

EUは経済的に特にアメリカにモノを言っている印象もまぁありますね。ただし軍事的には日本よりアメリカと連携しているとも思います。表面的な印象だけマネようとしても上手くいかないはずです。日本はかつての経済大国の印象がまだ残っており、復活の可能性もあると思われているんでしょうか。

韓国の歴史観に対する日本の感想

2024-05-17 04:32:46 | 外交安全保障
>日本は「朝鮮侵略と植民支配という加害の歴史はよく分からないか、学ぶ努力しようとしない」「いまだに帝国主義を正当化し、その論理を内面化している」・・・等というような(韓国の立場に立ったかのような)見方が(左翼な方々に)散見されますが、何処の欧米諸国が植民地支配の反省をしているんですかねぇ。ドイツ、イタリア?先の大戦のことで日本にぐだぐだ言っているのは中露朝を除けば、韓国だけですが、共に戦った歴史を忘れたようで。それもこれも韓国が亡命政府が出自だからですが、先の大戦で韓国は日本の一部とする日本との溝は深いです。

ドイツは先の大戦でポーランドとか攻めたかもしれませんが、日本は韓国を1ミリも攻めてないんですよ。ただ日本の一部だったから動員しただけ。日本は第一次大戦に勝っているので、ドイツの東部領土が、そのままドイツに残って第二次大戦を迎えたと考えるのがやや近い感じでしょうか。

亡命政府を出自とする韓国には韓国の都合があると思いますが、日本にも日本の都合があります。日本は先の大戦で韓国と戦った覚えが無いんですね。だから戦後処理ガーって言われても、何だそれとなります。この(双方の)認識を出発点として、どう溝を埋められるかを考えるのは、大切だと思いますが。

日本は確かに戦敗国ですが、韓国に負けた覚えは全くないんですよ。韓国は我々と一緒に負けた側で、急に戦勝国面した裏切り者のようにも見えています。(台湾)国民党とは戦ったんですがね。北朝鮮ゲリラとも(ほんの少し)戦ったかのか知りませんが、その辺もあったかな?程度。

戦敗に関しても、アメリカを始めとした諸国と話はついて清算していますから、何時まで言ってるんだ?と言う風にしか見えていません。植民地と言えば、インドがイギリスに対して複雑な感情があるのか知りませんが、インドは独立戦争で関係を清算しています。

じゃあ、日本は韓国に対して何もしなくていいと主張しているのかということですが、日韓基本条約で清算しましたよね?というのが日本の立場。あの時の韓国が軍事政権だったのは確かですが、日本から貰った金で経済成長(漢江の奇跡)したじゃないか?としか思えません。

その成長が国民に返ってきてないのだとしたら、完全に韓国の問題です。何時までも過去に関してグダグダ言ってないで、開発独裁の果実を国民に還元することを考えてみたらどうなんですかね?日本より激しい少子化で内需を何処までやれるのか知りませんが、やらないと仕方がないのでは?

後、ハッキリ言っておくと、韓国に基地を置いているのは、日本ではなく、アメリカです。尹政権で日本の植民地に戻ったかのようダーッとか寝惚けたこと言ってる野党政治家がいるようですが、何の話なんでしょうね?アメリカに助けてもらって出来た国なのに、今更中朝露につく気なのか?

北方領土問題と対露戦略

2024-05-15 18:24:41 | 外交安全保障
北方領土問題ですが、(サンフランシスコ講和条約を前提とする)これまでの枠組みでは限界があると考えます。日本は千島列島・南樺太の権利、権限及び請求権を放棄しているからです。やれることは、北方四島が北海道の属島なのか、千島列島の一部の南千島かの神学論争をロシアとの間で繰り広げることでしかありませんから。だからと言って、法的論争を無視するのは、現状の国際秩序を守るという戦後日本の正しい立場にそぐいませんし、現状の国際秩序を破壊してロシア(や中国)に対抗する力が日本にある訳でもありません。

まず神学論争を上手に戦うという意味では、歴史が重要になると思います。アイヌが日本固有の民族であるという事実を尊重し、北方四島が如何に北海道の属島であったかを強調する訳です。その副産物として、サンフランシスコ講和条約の部分的改訂も視野に入ってくるかもしれません。南樺太や千島列島はアイヌの領域だったからです。ロシアは勿論嫌がるでしょうが、サンフランシスコ講和条約はロシアとの間に結んでいませんから、ロシア人が手出しが出来る話では無いんです。ロシア人の嫌がることをやって、安全保障環境が悪化しないかですが、ロシアはウクライナに精一杯でそんな余裕は無く、どの道、ロシアは中国に阿って、日本を挑発する仕事を止めないでしょう。日本が南樺太や千島列島を要求しようがしまいが、これまで通りな訳です。これまでは中国に対抗するため、ロシアを動かすという考え方もありましたが、ロシアが寧ろ中国を煽っていることは見ての通りで、東が安全と見たから、ロシアが心置きなくウクライナに集中出来ており、その環境がロシアに戦争を決断させる一因になったと残念ながら見ることも出来ます。日本が北方領土の奪還に本気だとロシアに思わせることが出来れば、ロシアへの牽制としては十分でしょう。領土奪還を目的とした出兵(終結してない戦争の再開/停戦の破棄)は、国際司法に従わない不法国家に対しては、合法ではないかと私は考えますが、勿論、ロシアへ出兵することは、核戦争のリスクがあるのであって、専守防衛の理念・体制を前提として良いと考えます。それで出来ることには限界もありますが、主張すべきは主張してしまおうという訳です。ロシアの極東進出は中国との潜在的な軋轢要因です。中国人の多くはロシアに対して領土を返して欲しいと考えており、北方領土返還要求で中国世論に間接的に日本が訴えかければ、ロシア(や中国)の独裁者を牽制することが可能で、戦争の抑止力になり得ると考えます。その際に重要なことは、少数民族の国家を無理に樹立しようと考えないことです。それはアイヌ独立論でブーメランにもなりかねませんし、コストも高くなり過ぎ、中国世論に響きません。また、少数民族の国家の樹立をロシアは移民の強制で対抗することが出来ます。今、アイヌや日本人が北方領土にいなくても、そこは(それなりに力がある日本が)(歴史的経緯を盾に)日本の領土だと主張してしまわないといけないということですが、これは力の信奉国家に効くという訳です。

この際、ロシアのウクライナ侵略を前提に対露戦略を再考しておくと、欧州正面で言えば、ウクライナ防衛で勿論良いと思います。ウクライナにはロシアに対抗して国を守る力があると思うからです。そして、欧州は自分達の国を守るため、ウクライナをどう防衛するかを真剣に考えるべきでしょう。問題は何処までが欧州正面なのかですが、ウクライナとコーカサス諸国は隣接していないので、真剣に守ろうとすれば、NATO加盟国であるトルコの動向が鍵になってきます。

最後に中央アジアですが、地政学的に西側諸国が戦力を投射できる地域ではなく、地域の多数派民族を擁護するという形になるでしょう。主にテュルク系で、ここでもトルコの動向はやはり重要かもしれませんが、勿論、民族主義を煽るという訳にはいかず(民族統一が戦争の理念になったら、今の国際秩序は守れませんから)、現状維持志向で牽制を試みるということになると思います。ですから、中央アジア諸国+モンゴルが、ロシア(や中国)に対して要求を強めるという形がいいのではないかと思います。守ってやるから、こっちにつけとは言えませんが、今要求しないで、ロシアに何時要求するのだろうか?という疑問が無くもありません。ウクライナを攻めたロシアが中央アジア諸国を攻めないという保証がありませんし、ロシアが(中央アジアの)少数民族を虐待し、中央アジア諸国に不当な圧力をかけていることも事実ではないかと思います(ロシアが怖いので我慢しているのでしょう)。ただここで(一帯一路を謳う)中国は要注意です。(テュルク系の)ウイグル問題を抱えているので、この方面は特に我々に協力的になるはずがなく、中国世論の共感を得ることも困難ではないかと思われるからです。こうしてロシアを牽制すれば、ウクライナの勝利に寄与しますし、北方領土が帰ってき易くなるという訳です。

ウクライナが迫られる二者選択の様相

2023-12-19 01:24:15 | 外交安全保障
渡河作戦は「自殺任務」米紙報道、ウクライナ兵証言(産経 2023/12/18)

無理があるからこそ、敵の守備が弱かったりするんだろうと思います。(自分も例外ではありませんが)敵の戦力を分散できますし。当面領土奪還しなくていいなら、有利な防御に徹していいのではないでしょうか。(夜襲とか)攻撃も有り得ることを時折示して緊張(消耗)を強いたりも必要でしょうが。

ウクライナは領土奪還か長期戦か選ばなくてはなりません。長期戦の方がキルレシオは有利かもしれませんが、防御に徹すると、当然領土奪還は1ミリも進みません。国民や支援者に戦線が膠着しているのではないか?と言われもするでしょう。これはいいとこどり出来ない話で、戦略の真摯な説明が必要。

防御に徹して仮にウクライナ有利になったら、プーチン大統領は停戦を言うでしょうね。その時、ウクライナは停戦を蹴ることも出来ますが、戦うつもりの国民は兎も角、支援者に何と言うか。宇露の動員できる兵数の問題もありますが、落としどころは考えるべきです。一般に奪還できない領土は帰りません。

ウクライナが出来るだけ高いレベルの支援を要求するのは理解できますが、ヨーロッパ戦線で消耗し過ぎると、アジア等が手薄になるジレンマもあります。漁夫の利という言葉を産み出したのが某超大国です。戦力の逐次投入で消耗も愚かですが、一気に行って倒せる相手かでもあります。

拒否的抑止と日本を取り巻く厳しい安全保障環境

2023-10-07 15:32:21 | 外交安全保障
習近平政府が今のところ台湾侵攻していないのは、拒否的抑止(>相手の攻撃を物理的に阻止する防衛力を高め、相手の目的達成を拒否する能力を整えることで、相手に行動を思いとどまらせることを「拒否的抑止」という:安全保障用語)が成立している(台湾占領が出来ない)からなんでしょうか、懲罰的抑止が成立している(台湾占領は可能でも、コストが膨大だからあえてやらない)からなんでしょうか?後者なら、軍事的要因が大きいのか、経済的要因が大きいのか。

まぁ拒否的抑止が成立しているか否かについて、中国が自分の分析を信じられず、軍事大国アメリカの分析を待っている可能性も考えられますが。

懲罰的抑止に関して言えば、戦争で中国の台頭が止まることを警戒していると思います。その意味で軍事インフラに限定した報復は、エスカレーションを避けるためとは言え、懲罰的抑止の効果を下げているとも言えます。

あるいはアメリカが参戦することで拒否的抑止が成立すると算段している可能性もあります。在日米軍基地が使えなければ、アメリカの参戦は難しいですから、日米同盟が盤石であることが、拒否的抑止力になっているとも言えます。

この場合、台湾有事に関わる日本の防衛力の位置づけが問題になってきます。台湾+アメリカで拒否的抑止が成立するなら、日本は軽武装でいいと考える余地があるからです。ただし実際は台湾を助ける米軍の根拠地を潰すため、中国の在日米軍基地攻撃は考えられ、日本は巻き込まれる恐れがあります。

世界が滅ぶ危険性もあって、アメリカ本土への攻撃が起こる可能性は低いでしょう。距離が遠いですから、グアムは兎も角、アメリカ本土を攻撃する必要は比較的薄いとも言えます。結局、日本が在日米軍基地を攻撃されて反撃するなら、日本の防衛力は、台湾の拒否的抑止力に含まれていると言えるのではないでしょうか?ここに日本が中国の軍事基地を攻撃できる意味があります(そのことが日本人に十分理解されていないから、防衛費大幅増への反対が少なくない可能性があります)。

後は朝鮮有事との連携も考える必要がありますね。どちらかが発生したら、拒否的抑止のハードルが下がり、もう一方も発生する可能性があります。示し合わせて同時侵攻の可能性すら考えられますが、日本は二正面作戦の準備をしなければなりません。最近不動産で暗雲立ち込めていますが、中国の台頭は本物でしょう。明らかに厳しい安全保障環境ですが、北朝鮮の核武装の進行ファクターも厳しいと言えます。加えてロシアです(欧州の国ロシアが先頭に立った北海道有事は可能性が低いと思います)。安倍政権がロシアとの対話を進めた理由は、中朝からロシアを切り離すためだったと思われ、可能であるならば、意味のあることだったと思いますが。残念ながら失敗に終わりました。

中朝露の連携が深まる傾向を踏まえれば、日本は更なる防衛体制を採らねばならず、果たして2倍で足りるのかということにもなってきます。また日米はウクライナを応援していますが、ロシアのことで消耗し過ぎれば、中朝の侵攻を招かないとも言えません。日米の拒否的抑止力を寧ろ強化するような支援が重要な訳ですが、共和党の一部が支援の見直しを訴えているのは、その辺が念頭にあるとも考えられます。アジアへの派兵は限定的になると思われる欧州がロシアに注力してほしいのは、その辺ですし、日本が疾うの昔に取られた北方領土ごときでロシアとの戦争を本気で考えないのは、その辺でしょう。

日本は半島有事も真剣に考えておかねばなりません。中朝露の連携は固いように見えますが、北朝鮮が核武装することで、中露のコントロールが効かなくなる一面もあるはずです。中露と核拡散の関係は微妙なところがあって、IAEAに参加している意味もあるはずですが、中国がIAEAを無視して、日本を「攻撃した」のは危険な兆候のように見えます。北朝鮮を経済的に事実上支えているのは中国です。習近平主席が核拡散を防ぐIAEAを軽視しているなら、(ロシアの支援を後押しする迂回路の可能性含めて)北朝鮮の核開発を進める方向に動く可能性は否定できません。

ロシアのウクライナ侵攻は核武装する独裁者に対して懲罰的抑止が効きにくいのではないかと疑念をもたらしました。考えてみれば、(核カードを切ってない)核武装国に懲罰するのは大変リスクがあります。台湾人は中国に懲罰的抑止が効いていると信じているフシがあるようにも見えます(中国の台頭が止まるから、中国は攻めてこないの類)。しかしロシアはそんなことをものともしませんでした。

北朝鮮は韓国の首都を人質にとっており、核武装をしなくても米韓に対して懲罰的抑止を既に効かせていると私は思います(同じく国民の損害を許容しにくい民主国家の韓国の首都が人質に取られている以上、北進の可能性はないので、統一を目的とした米韓の侵攻を防ぐ拒否的抑止は必要ない)。北朝鮮が核武装を止めないのは自衛の必要性があるからではなく、統一を諦めてないからでしょう。いざと言う時は拒否的抑止どころか、北朝鮮を滅ぼす力が我々にありますから、北朝鮮に対する抑止力は現時点で心配していませんが、核武装が進展すると、日米が抑止されて、北朝鮮主導の統一が有り得るかもしれません。勿論その次は日本になるはずです。