市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

貧しい国、ニッポン。

2013-04-22 | 子ども
先週、『児童虐待と貧困』と題した勉強会に参加しました。
講師は、千葉明徳短期大学教員で「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人の、山野良一さん



日本の子どもの相対的貧困率は、15.7%。約6.4人に1人です。
3年前と比べ、子どもの数は約54万人の減少にもかかわらず、貧困状態にある子どもは23万人も増えました。
ユニセフの発表では、この貧困率は先進国35カ国中、9番目に高い値だということです。
GNPのランキングは騒がれても、なぜかこういう事はちっとも話題にもなりません。何をもって豊かな国と言えるのか、首をひねりたくなります。

ところで、「相対的貧困」と「絶対的貧困」、この二つの違いがわかりますか?

山野さんは、わかりやすい例を挙げていました。

以前カンボジアを訪れたとき、そこの子供たちはぼろぼろの衣服に裸足、食事も住環境も粗末なもので、到底日本とは比べ物にならないくらい貧しい暮らしをしていた。
でも、カンボジアの子供たちは、日本の子供たちに比べて皆とても明るい表情をしていて、自分たちの状態が全く苦にならないようであった。なぜなら、周りが皆そうであるから。
一方、日本の貧困層の子供たちは、周りが通常手に入れることができる条件が与えられず、人との関係や社会から排除された貧困である。

カンボジアの子供たちは、絶対的な貧困であるが、相対的な貧困にはない。
日本の貧困層の子供たちは、圧倒的に相対的な貧困状態にある。
どちらが悲劇的であるか?

これは言うまでもないと思います。

しかし日本は、このことに対する認識がほとんどありませんし、子育てや教育への支出(対GDP比)は、先進国中最低ランクです。
例えば、大学生への奨学金制度では、給付型がないのは日本だけ。それどころか、制度の7割が3%の利子つき、3か月滞納すれば10%になります。山野さんのお話では、風俗で学費を稼ぐ女子学生が多いのは、紛れもない事実なのだそうです。

現在政府内で検討されている『子どもの貧困対策法』では、相対的貧困率の削減目標(民主党案では21年までに10%未満に減)を明記するかどうかで攻防が繰り広げられています。

私は前回の議会で「子どもの貧困」について取り上げました。
8月から生活保護の基準額が引き下げられることで、生活保護世帯だけでなく、低所得者層全体の生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。
せめて子どもには、お金のために教育の機会が失われ、貧困のスパイラルに陥ることのないよう、しっかりと支援していかなければなりません。

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