(2011年9月10日16時04分 読売新聞)
介護中の母親を蹴るなどして死なせたとして、山梨県警鰍沢署は10日、米長容疑者(44)を傷害致死容疑で逮捕した。
米長容疑者は「夕食を食べなかったことに腹が立った」などと供述しているという。
発表によると、米長容疑者は9日午後11時半頃、自宅で、同居の母正美さん(70)の腹を数回蹴るなどし、死なせた疑い。
◇ ◇ ◇
「夕食を食べなかったことに腹が立った」
私たちは、児童虐待や、高齢者虐待、障碍者虐待が、「同じ」「口実」で、行われていることを、いいかげん理解した方がいいと思うのだけど。
「夕食を食べなかったことに腹が立った」のは、「食べなかったこと」に腹を立てて育てられたから、
そして、その人自身が、「怒られないようにがんばって」「夕食を食べて育った」から。
子どものころに、食事のことで怒られなかった子どもは、大人になって、たかが「「夕食を食べない」ことが、「殺意」にはつながらない。
と、私はこの28年間、ずっと信じてきた。
アリスミラーの本に、そう書いてあった。
以来、アリアスミラーのいうことが、「違う」と思う事件や事例を目にしたことがない。
たとえば、秋葉原事件の犯人について書かれた本には、子ども時代のエピソードが書かれている。
◇
「小学校2年生の時には、風呂で九九の暗唱をさせられ、間違えると頭をおさえつけられ、お湯に沈められた。」
弁護人「お母さんはふざけて沈めていたのでしょうか」
被告「苦しくなるまで沈められていたので、ふざけていたということはないです」
加藤は、母の罰に耐えかねて、よく泣いた。すると母はスタンプカードを作り、泣くたびにスタンプを一つ押した。そしてスタンプが10個たまるとさらなる罰を与えた。…泣き止まないときには口にタオルを詰められてその上からガムテープを貼られた。
問題は食事の時にも起こった。
加藤は食べるのが遅かった。
しかも母の作る食事の量が多かったことから、食べ終わるのに時間がかかった。
すると母は、彼が食べている途中の食事をチラシの上にぶちまけ、それを食べさせたという。
弁護人「チラシに食事をまかれてどうしたんですか」
被告「必死で食べました」
弁護人「どんな気持ちでしたか」
被告「屈辱的でした」
(2010年7月27日、東京地方裁判所)
ときにチラシの上ではなく、廊下にまかれたこともあったという。
『秋葉原事件』中島岳志 朝日新聞出版
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