ひと:斉藤潤一さん
奥西死刑囚を描いた映画の監督
毎日新聞 2013年02月15日
刑場に送られる恐怖と闘い、独房で半世紀を過ごす男を描きたい。
そんな思いで初めて脚本を書き、映画製作に挑んだ。
主人公は、三重県名張市で1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚(87)。
1審無罪から死刑確定。
いったん再審開始決定が出されながら覆り、今も再審請求中の事件だ。
膨大な資料を読み、関係者への取材を重ね、これまで3作のドキュメンタリーを作ってきた。
だが、日本で死刑囚に面会できるのは親族などに限られる。
「主人公を取材できない番組というのは、すっごく苦しい。限界を感じ、ドラマしかないと思った」。
映画の主演は、過去に番組ナレーションを担当した仲代達矢さんしか考えられなかった。
92年に東海テレビに入社。「ミーハーな感じで記者になりたくて」と語るが、取材を受けてきた弁護士は、こう評する。
「自分が納得するまで事実を突き詰める」
2005年から報道部ディレクターになり、「名張」と向き合うようになった。
「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が機能していないのでは、と疑問を抱く。
司法のあり方を問い続け、昨年は、和歌山毒物カレー事件や光市母子殺害事件の弁護を担当し、マスコミ嫌いで知られる安田好弘弁護士に密着した番組「死刑弁護人」で、日本民間放送連盟賞の最優秀賞に選ばれた。
映画「約束」を撮り終え、改めて思う。
「僕はえん罪だと確信しているから、ずっと追い続けたい」
【武本光政】
【略歴】斉藤潤一 愛知県出身。45歳。
映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」は16日から東京・ユーロスペースで公開される。
◇
点滴から一週間、ようやく普通の生活に戻れそうです。
ブログも京から再開しようと思います(^^)/
この映画、今月中に観にいこっと(o|o)
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