《三匹のくまとポリヴェーガル理論》
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自律神経系は、二つの回路しかないと考えられてきたが、実は三つ目の回路があるらしい。
「三匹のくま」という童話による説明がわかりやすい。
森で迷った女の子が小屋を見つける。中には誰もいない。テーブルに三つのおかゆの皿がある。味見をしてみると、一つ目は熱すぎ、二つは冷たすぎ、三つ目がちょうどよかった。
お腹いっぱいで眠くなった女の子はベッドをみつける。
一つ目は硬すぎ、二つ目は柔らかすぎ。
三つ目はちょうどよかったので、安心して眠れる。
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【自律神経系の三つの状態の中での筋肉組織の緊張の質は、次のように説明できます。】
「硬くて熱すぎる」のは「交感神経活動の闘争・逃走状態」。
「柔らかくて冷たすぎる」のは、「背側迷走神経活動のシャットダウン状態」
「ちょうどよい」のが、腹側迷走神経と4つの脳神経の活動に基づいた「社会交流状態」。
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大切なのは、「自分に必要」な、「自分にちょうどいい」食べ物や眠る場所を、「自分で探す」行動が「できる」こと。
「自分の見たいもの、聞きたい声、立ち止まりたい時、学びたいこと」を、自分で学ぶ。
「この子の学び」とは、「自分にちょうどいい三つ目」を、自分で探すこと。
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そのために、この子が「自分とのつながりに鍵をかけない」ための「調整」を考える。
「分けない」で、「調整」を考える。
ふつう学級とのつながりに鍵をかけない「調整」を考える。
※(引用は『からだのためのポリヴェーガル理論』 スタンレー・ローゼンバーグ)