《ヒント3つ》 B《ビジュアル・シンカー》
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『子どもたちがさまざまなアイデアに触れ、将来の仕事を体験する素晴らしい方法は、社会見学だ。』
『ある教師は、幼稚園の子どもたちを「市街地の社会見学」に連れて行った。
子どもたちは、自動車修理工場や市営駐車場、地下鉄、市場、橋、病院の救急治療室など市街地でよく見かける施設を見学し、「パーキングメーター」「駐車」「違反」のような知らなかった言葉と出合い、教師は算数から単語にいたるまで何でも教えた。
これは素晴らしい発想だ。有名な美術館や名所旧跡に行くこともない。必要なのは、好奇心と、身近なものを学習の機会にする教師、それを許可する校長だけ。』
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『実践的な授業を学校からなくしたことで、いわゆる主要科目でない授業で活躍していたであろう視覚思考者(ビジュアルシンカー)の一つの世代全体が、ふるい落とされてしまった。とくに物体視覚思考タイプの子どもは、一日中机に向かっていたら得意なものをみつけようがない。』
『こういう能力は子どもが小さいときから伸ばす必要がある。実践的な授業がなければ、芽を出しかけている建築家やエンジニア、シェフを育てることができない』
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これらは、私的翻訳するまでもない。
子どもたちがさまざまなアイデアに触れ、将来の「自立」のイメージや、「仕事」のイメージを体験する素晴らしい方法は、「ふつう学級」での膨大な量の観察学習と、つながりの神経プロフィールの広がりと成長だ。
そこからしか「芽」を出さない、「つながりに咲く花」がある。
※引用は『ビジュアル・シンカーの脳』テンプル・グランディン
【写真:仲村伊織】