自分の「呪い」を解くための100のメモ(61)
《間違い探しと風変わりな子ども》(その1)
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「お兄ちゃんは一人になれる方がいいからって、そこをえらんだの。あなたはどうする?」
「ぼくはみんなといっしょでいい。いまとおなじでいい。ともだちとおなじでいい。でもぼくのせいでお母さんは泣いている。だからぼくも泣きたくなる」
お兄ちゃんのときは、でんわなんてなかった。でもぼくはでんわばかり。まちがいさがしでみつかる子。どんなにうまくかくれてもみつかる。とりかえしのつかない子ども。とりかえしってなんだろう。それがわからない。みんなとおなじ子どもだとおもっていた。
ふうがわりな子どもって、どんな子だろ。お兄ちゃんも風変わりだけど、まちがいの方じゃない。お兄ちゃんはどっちも選べた。ぼくはみんなをえらべない。ぼくはまちがいの方の、風変わりな子ども。
また、もどれるかな。みんなのいるところ。まちがいはなおるかな。まちがいがなおれば、もどれるかな。
どこでまちがえたんだろう。なにをまちがえたんだろう。
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六十年前の自分と、2024年の5歳の子が、ずっと話している。