私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

心向インパクトの破壊力

2016-01-27 | 事故と事件
 時々見られる車両単独の大きな車体変形を伴う事故で、電柱に車体が巻き付いたのごとく食い込んでいる様な衝突形態です。カーブとか交差点などで、車体が横になるドリフト状態で、それなりの高速で電柱などに側面中央部付近を衝突させているものです。この時、車体の前部とか後部であれば、偏心衝突として運動量が車体を回転させようとするモーメントとして働き消費されますから車体の変形はここまで大きくなりません。しかし、中央部付近となると、いわゆる心向衝突となり、運動量はモロに車体の変形に費やされます。つまり、電柱様物は車体の半分を超えて侵入変形さしめ、だいたいこういう事故は、乗員全員死亡という凄まじいものとなります。

 写真は、今月2日未明に室蘭市で起きたという事故ですが、車両の前部はほとんど大きな変形は見られず、左側面部が空恐ろしい程の変形を生じていることが見とれます。なお、血中アルコールが検出されたという乗員3名は全員即死とのことです。

 15日に軽井沢で起きたスキーツアーバス事故ですが、無残なルーフ部の破壊も、転落高さが3とか5mとか記してありましたが、それだけでは幾ら脆弱なバスのルーフ構造といえども、あそこまでの変形は生じなかったであろうと推察しています。つまり、転落しつつ横倒しになり、全体運動量の内かなりの比率がルーフ上方から受圧させたと見るべきと考えているのです。




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