私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

究極の廃墟

2011-03-31 | コラム
 福島第1原発の致命的事故は、発生から3週間を経ようとしていますが、未だ解決の方向性は定まらぬ様です。報じられるのは、「どうやら相当な時間が掛かりそうだ・・・」という不安を感じる言葉です。それは、ことここに至っては止むないことでしょうが、放射線の影響を最小限に抑えるべき時間との戦いへの敗北宣言だからでもあります。
 テレビで見る福島第1原発の震災および津波直撃後の画像は、ワイドショットでは原子炉建屋やタービン建屋などの大きな構築物に被害も見受けられません。しかし、カメラがズームアップしていくと、建屋前の敷地に細々と設置された各ポンプがすっ飛んでいたり、各パイプラインが雑然としているなどの様子が判ります。これでは、所要の給排水機能も失われているし、たぶんパイプラインとほぼ平行に引き回されている電気配線もまともではないでしょう。
 そして現在ですが、2度の水素爆発や、火災、冷却のための放水を受け続けた姿は、正に廃墟であると思います。でも、この毒を出し続け、容易に人を近づけぬ危険な廃墟ですが、一般廃墟みたいに板塀で取り囲んで立ち入り禁止で放置にはできぬ廃墟です。安定状態に持ち込み、撤去および土壌小などの封印するまでに、数十年を膨大な人、物、金を注ぎ込まねばならぬ正に究極の廃墟ではないでしょうか。



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