黒澤明と小津安二郎と役者
私が古い映画を好きなことを話しつつ、映画監督としては黒澤明と小津安二郎の二名を上げると、流石に黒澤の名は今でも知る者は多いが、小津を知る者は少ない様に感じる。
この両監督の映画趣向はまったく異なるが、映画と云うエンターティメント作品に掛ける熱意は同様にものがあり、50年も60年も経た現在でも、見る者を引き付けるのだろう。
ところで、必ずしもでないが両監督作品で、それぞれよく出演する役者がいるが、この役者も監督に劣らず、その力量を感じるということがある。黒澤の場合で云えば、主演とか人気キャラとして三船敏郎があるが、もちろん彼も悪いとは思わないが、なんと云っても力量あるのは志村喬(たかし)であろう。また、小津の場合では、やはり数々のお馴染みの役者が登場するが、なんと云っても笠智衆(りゅう ちしゅう)であろう。笠と云えば後年「ふーてんの寅さん」に脇役的に寺の御前様として極短いショットで出るが、小津安二郎作品では、主演もしくは準主演として頻繁に登場する。役柄としては良識あるサラリーマンのベテラン職みたいな役柄が多いのだが、非常に良識とか生真面目差、そして接する他人への配慮の気持ちがにじみ出ている。そこには、現代社会で話題になりがちなパワハラとは無縁の世界だ。
私が古い映画を好きなことを話しつつ、映画監督としては黒澤明と小津安二郎の二名を上げると、流石に黒澤の名は今でも知る者は多いが、小津を知る者は少ない様に感じる。
この両監督の映画趣向はまったく異なるが、映画と云うエンターティメント作品に掛ける熱意は同様にものがあり、50年も60年も経た現在でも、見る者を引き付けるのだろう。
ところで、必ずしもでないが両監督作品で、それぞれよく出演する役者がいるが、この役者も監督に劣らず、その力量を感じるということがある。黒澤の場合で云えば、主演とか人気キャラとして三船敏郎があるが、もちろん彼も悪いとは思わないが、なんと云っても力量あるのは志村喬(たかし)であろう。また、小津の場合では、やはり数々のお馴染みの役者が登場するが、なんと云っても笠智衆(りゅう ちしゅう)であろう。笠と云えば後年「ふーてんの寅さん」に脇役的に寺の御前様として極短いショットで出るが、小津安二郎作品では、主演もしくは準主演として頻繁に登場する。役柄としては良識あるサラリーマンのベテラン職みたいな役柄が多いのだが、非常に良識とか生真面目差、そして接する他人への配慮の気持ちがにじみ出ている。そこには、現代社会で話題になりがちなパワハラとは無縁の世界だ。