今日は戦車を見に陸上自衛隊・富士学校を訪問しました。
これは毎年行われている記念行事で、54周年にもなると云うものです。ツアーバスで訪れている方々等、多くの人出に驚きました。記念式典では、来賓の偉い方々のつまらない話しが続き忍耐の時間ですが、これも終わり車両総数200台のエンジンが合図の旗で一斉に始動されます。そして、同じくヘッドライトが一斉に点灯なされ、次々とパレードして行きます。やはり注目するのは戦車です。74式および90式が、整列場所から90度旋回して行きますが、やはり迫力ある姿と感じます。どちらもターボチャージド2サイクルディーゼルのV10エンジンの様ですが、排気ガス対策とは無縁のものです。フェラーリの様な快音とは云えませんが、ターボの高周波音を含んだ迫力ある音と感じます。
パレードが終了しますと、模擬戦闘が行われました。火器の射撃は総て空砲ですが、各砲の発射音の大きさには驚かされます。音自体は打ち上げ花火でも至近では同じ様なものだと思いますが、鼓膜や身体全体で受ける衝撃波を強く感じます。これが戦艦大和の48センチ砲なら、どんなに凄まじいものなのかと思ってしまいます。
この模擬戦闘が終わり早々に帰宅したのですが、式典前に見学した展示戦車のことを若干記してみます。この展示は、現有戦車というよりも過去の戦車の展示と云った趣でしたが、米国供与のM4(シャーマン)や戦後の国産1号戦車である61式等もあり、興味深く見ました。特にM4シャーマン戦車というのは、第2次戦争映画等には必ずと云って良い程登場する戦車ですが、派生型が何種類かある様です。ここで展示してあったM4も、1台は戦車回収車(いうゆるレッカー車)ですが、アッパーボデーが鋳造一体物です。もう一台はアッパーボデーが鋼板溶接組立物ですから、シルエットは大同小異ですが、だいぶ雰囲気が異なります。やはり鋳造一体物の方が、曲面的でかわいらしく感じられます。それと、詳しくは判りませんが、このM4戦車というのは、オリジナルは空冷星形ガソリンエンジン(9気筒)が搭載されていたと云います。だから出力軸位置が高く、比較的高いボデー高となっているのだと思います。
ところで、国産戦車のことですが、61式から74式、90式と変遷してきましたが、スタイル的には曲面的な構成の74式が一番良く感じられます。砲塔部分は61式と74式は鋳造で製作されていますが、61式は後端部に平板を溶接してフタをしている作りに気が付いたりしました。90式は、展示されていませんでしたが、パレードや模擬戦闘で見た車体や、ちょっと前に陸自・広報センターで至近で見ていますが、箱を重ねた様なデザインは、あまり魅力を感じられないスタイルと思います。それでも、120ミリ砲や、最高速度70キロの機動力、そして防護力等は、74式を相当に上回るものなのでしょう。そういえば、模擬戦闘で見た90式の急制動のノーズダイブの大きさは、前部転輪が路面に付くのではなかという位に大きなものでした。総重量50トンもある巨体ですが、結構に強力なブレーキを有しています。
ということで、本日の戦車を眺める日は終了しましたが、次月には近隣の東富士演習場で総合火力演習という陸自最大のイベントが開催されます。参加チケットの入手を友人・知人にお願いしているところですが、果たして参加できることとなるのか現在未定です。