19日(土)は、知り合いの鈑金屋さんに行って溶接機を借りて作業を行いました。目的は、パソコンに地デジチューナーを装着したのですが、地デジアンテナ(UHFアンテナ)を自宅の屋根近くの壁面に装着するためのブラケットを作成しようというものです。
作業は順調に進み、予めホームセンターで若干の鋼材を仕入れて、それをエアソーで切断し、MIG溶接機で溶接してと、ブラケット作りは問題なく完成しました。こういった作業が出来るのも、道具が揃った鈑金屋さんだからのものと思います。
さて、溶接のことですが、これもなかなか奥が深い技術なのだと思います。突然、船の話しになりますが、江戸時代の黒船辺りから船は鋼製となりますが、当初は総てリベット(鋲)で鋼板の接合がなされていました。しかし、溶接技術の発展もあって、現在では溶接で接合し組み上げられています。この溶接ですが、自動車用鋼板等の薄板の溶接も熱歪み等で難しさがありますが、軍艦等の厚板も結構に大変さがあるものと思います。厚板溶接では、開先角度(V字カット)を設定し、ウイビング溶接を繰り返して肉盛りをして行きますが、人の行うものですから欠陥を生じてしまう場合があります。また、小物であれば位置を変えることも容易で問題は生じませんが、大物となれば位置替えもままならず、垂直や天井等の難しい姿勢での溶接もある訳です。
先日の戦車見学のことですが、これら戦車も厚板鋼板を上手く溶接しているなと感心して見てしまいます。溶接の上手い下手に、溶接ビードが綺麗に揃って形成されているかがありますが、これら戦車の溶接箇所も綺麗なビードが形成され、やはり職人が作ってるなと感心してしまいます。また、母材となる金属が鋳物ですと溶接はなかなか困難なのですが、61式の砲塔後部の平板フタの溶接も上手く付けられていますし、M4シャーマンの全鋳造製のアッパーボデーの各ブラケットもしっかりと溶接がなされていますから感心します。但し、所詮は鋳鉄の溶接は、母材の持つ本来の強度は得られません。だからM4シャーマンでも、アッパーボデーとロワボデーとの接合は、太い多数のボルトやリベット(鋲)が使用されているものと見ました。
昔、クルマ用エンジンの鋳鉄製シリンダーブロックが過回転でコンロッドが折れて足出しして割れた様な場合に、溶接で直したという逸話を聞くことがありましたが、これも職人の技ではあったと思います。