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【書評】職業政治家 小沢一郎

2021-06-19 | コラム
【書評】職業政治家 小沢一郎

誤解を招くタイトル

 まず、筆者の名前は知悉もせず筆力も特に秀ているとも思わないが、内容としては高く評価できるものと感じる。

 さて、政治家・小沢一郎の世間の一般的評価を問えば、大勢は「強引」、「策士」またまた「壊し屋」などと負のイメージを持つ方が多いだろうと想像できる。しかし、私は小沢氏にその様な負のイメージを持ってはいない。これは想像も含むが、この様な負のイメージは、政敵を蹴落としたことによる怨嗟や、同じ仲間として活動して来た者達の嫉みという貧しい心が、世間にまき散らされた結果のイメージ形成によるものだろうと思っている。また、陸山会事件に代表される、官僚グループの恐怖心なども相まうことで、それが検察をけしかけて潰そう、負のイメージを捏造しようという動きとなったことによるのだろう。

 ところで、タイトルの職業政治家だが、本の中身で紹介されていることだが、マックス・ウェーバーが唱えた「職業政治家」から採用したものとのことである。この意味としては、職業として政治を行うとは、「政治によって生きる」方法と「政治のために生きる」方法の二つがあるとして、著者はタイトルの職業政治家を後者であるべきとして命名したのだろう。しかし、ともするとと世の多くの政治家が前者である実態を鑑みれば、果たしてこのタイトルは誤解を生むだろう。

 本書の文末に、小沢氏の言葉として、現代の我が国の倫理感の低下などの源泉を、安倍晋三が行って来た非民主の独善的な恒常的嘘付き政治に因ががあると述べているが、正に確信を突いた言葉であろう。



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