私の思いと技術的覚え書き

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華麗なるカーデザイナー

2016-08-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 カーデザインとしてのボデースタイリング(外観意匠)は、間違いなくそのクルマの評価を決定する大きな要素であり、各メーカーでのデザイン部門は極めて重要な部門の一つであるはずだ。しかし、カーデザイナー(モデラー)の個人名として、現在の日本のクルマ達では、あまり表出する機会は少ない。これは、多数のデザイナー達の競作や評価の中で、そのデザインが決定される等の理由によることからかもしれない。しかし、世界のクルマ達の中では、著名なカーデザイナーや著名なデザインスタジオの作品として評価されるクルマが多くある。その様なクルマ達は、いわゆるスーパーカーと云われるクルマも多くを占めるが、スーパーカーでない一般のクルマの中にも著名なデザイナー達の作品は多い。以下は、独断と偏見に基づくピックアップだ。

1.デザインスタジオ達
 伊国を中心としたカロッツリア(carrozzeria)や英国等のコーチビルダー(Coachbuilder)だ。有名所では以下の様なメーカーがある。なお、コーチビルダーというのは、元々馬車を造っていたものであり、馬車のシャシーに車体を架装する(これをコーチワークと呼びます)業者が発祥。

①ピニンファリーナ(Pininfarina)
 伊国最大のカロッツリアであり、フェラーリ社の多くのデザインを手掛けているメーカー。外観デザインだけでなく、エンジニアリングデザインおよび生産をも手掛けるメーカー。

②ベルトーネ(Bertone)
 伊国の著名なカロッツリアであり、上記ピニン社と同様に生産をも手掛けるメーカー。同社出身のデザイナーとして、ジウジアーロ(Giorgetto)やガンディーニ(Gandini)等、現在独立したデザインスタジオを経営している方々を輩出している。

③イタルデザイン(Italdesign)
 上記のジウジアーロ(Giugiaro)が創立した伊国のデザインスタジオ。

④ザガート(zagato)
 伊国のカロッツリアであるが、最近はクルマというより、種々の工業製品(インダストリアルデザイン)を中心に活動している様だ。

⑤ストゥディオ・エンメ
 比較的新しい日本のデザインスタジオ(静岡県所在)。伊国のカロッツリアで修行を積んだ、牧清和氏という方が創業者。作品としてはあまり公には公表はされていないが、ダイハツ・ネイキッドは同社の作品の様だ。

2.デザイナー(個人)達
①マルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini)
 ベルトーネの元チーフデザイナーであり、ランボルギーニ社の多くのクルマ達(ミウラやカウンタック等々)等を手掛けている。アルファロメオ・モントリオールなんか素晴らしいデザインと感じる。

②ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)
 イタルデザインの創業者。日本のいすゞ117クーペや初代トヨタアリストのデザインが有名。クルマ以外にも多数のインダストリアルデザインを手掛け、ニコンの高級一眼レフシリーズ(F3~F6)のデザインも同氏作の様だ。

③奥山 清行
 伊国ピニン社のデザインチーフディレクターを経て、現在独立している山形県出身の方。フェラーリ・エンツェオやフェラーリ599や612スカリエッティ等、比較的新しいフェラーリのデザイナー。クルマ以外のインダストリアルデザインも、多く手掛けておられる様だが、独立後はあまり名を聞かない。

④ゴードン・マーレー
 元来レーシングマシンのテクニカルデザイナーであり、ブラバムから始まりマクラーレン時代は、ホンダターボエンジンを搭載した MP4/4 は、セナ、プロストのトライバーコンビにより2002年の全16戦中15を制する圧倒的強さを発揮した。その後、ロードカーのデザインも手掛けるが、出色はマクラーレンF1であろう。BMW・V12エンジンを搭載し、センターシートの左右斜め後ろにパッセンジャー席があるというトリッキーとも云えるパッケージングは、各輪への徹底的な重量配分に拘った故の様だ。ドライカーボンの一体モノコックによる車両重量は 1,140kg と軽量で、BMW製6L・V12・48バルブ・NAエンジンは627bhpと高出力、実測370km/hを超える、スーパーカーの中でもスーパーなクルマだ。

※世の中には、まだまだ知れぬ多くの華麗なデザイナー達がおられることと思う。


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