指数の疑問 その10【損保と修理実施者との意見の相違】
このことは指数に関わらず、修理の実施者となる自整BP工場側では、修理費の支払い側となる損保に対し、修理費の値下げもしくは払いしぶりがあるのではないかという意見が日本においてもあるが、同様意見は諸外国でも相当にある様だ。このことは、昨日記したミッチェルの工数表を見ていくと、例えば以下の様な記述があることでも頷ける。
➀パネルの部分カット取替に際する注意
■重要事項■■■
パネルの部分的切除による修理は、自動車メーカーによっては推奨されていない場合があります。このような修理手順は、車両の正常機能を損なわずに作業できる、資格を有する知識豊かな整備士が確認した場合にのみ実施するようにしてください。
②ガラス周辺パネルの取替の際に記されている注意
■重要事項■■■
インナーパネル、レール、リーンフォースメントの作業時間は、アウターパネル取外し状態でのものです。また、ウインドシールド、バックまたはクォーターガラス(適用している場合)、フラッシュタイプのリビールモールは取外しの際に破損したり、取替が必要となる損傷を受ける可能性があります。ユニボディタイプ車の場合はガラスが構造部品となっているため、衝突ダメージの修正やアライメントの修正の際に破損する可能性があります。通常の取替や脱着の際に起こる損傷に対して誰が責任を負うのか、あらかじめ協議しておく必要があります。
これらは、おそらく多くの場合修理費低減の目的で損保がカット取替とかを提案した際に、むやみに行うことのリスクを示しているのだろう。また、ガラス本体やガラスの周辺パネルの取替に際し、ユニボディ(モノコックと同意語)の場合は、ムリな応力が働くと破損していないガラスに損傷が生じる場合もあり得るが、その際に責任の所在(該当工場なのか取り扱い損保なのか)を明確にしておく必用があることを示しているのだろう。
近日、関東か周辺から東北部でひょう害があり、各地でそのBP修理が行われているだろう。この中にはルーフ取替となる修理も多く存在するのだろう。この修理方法に関して、米国での訴訟例だが、2013年の米国で起きた車両衝突炎上事故で火災車両に閉じ込められた2名が大やけどと負ったが、この該当車のルーフがメーカー指定の溶接でなく接着剤で取り付けられていた不適切修理に原因があったとしている。そして、該当車のオーナーが契約していた保険会社が、修理費を安くすることでルーフ取替を修理工場に対し接着剤を使用する様に強要したとしている。そして驚くことにこの訴訟の命じた賠償金は35億円だという記事が以下なのだ。感心ある方は参照されたい。
不適切修理に賠償金35億円、日本の車体整備業界も要注意 2018年8月29日
https://www.aba-j.or.jp/info/industry/5033/
という様な意見もあるが、ミッチェル解説を見ていて感じることだが、指数マニュアルに比べると、どちらかと云えば修理実施者スタンスで記した記述が目立つと感じるところだ。また、ミッチェル社が当初表明した工数は、あくまで暫定であって、それなりに工場側から意見があると、改めてミッチェル側で再検証を行い、工数値を変更することもあるという。こういう話しは、指数では聞いたことがない。
損保は、指数を普及させるのは良いが、その数値への疑問を持つ工場は多く、できる限り透明性を高めなければいけないと感じるところだ。
#損保と修理工場の意見対立は世界共通
このことは指数に関わらず、修理の実施者となる自整BP工場側では、修理費の支払い側となる損保に対し、修理費の値下げもしくは払いしぶりがあるのではないかという意見が日本においてもあるが、同様意見は諸外国でも相当にある様だ。このことは、昨日記したミッチェルの工数表を見ていくと、例えば以下の様な記述があることでも頷ける。
➀パネルの部分カット取替に際する注意
■重要事項■■■
パネルの部分的切除による修理は、自動車メーカーによっては推奨されていない場合があります。このような修理手順は、車両の正常機能を損なわずに作業できる、資格を有する知識豊かな整備士が確認した場合にのみ実施するようにしてください。
②ガラス周辺パネルの取替の際に記されている注意
■重要事項■■■
インナーパネル、レール、リーンフォースメントの作業時間は、アウターパネル取外し状態でのものです。また、ウインドシールド、バックまたはクォーターガラス(適用している場合)、フラッシュタイプのリビールモールは取外しの際に破損したり、取替が必要となる損傷を受ける可能性があります。ユニボディタイプ車の場合はガラスが構造部品となっているため、衝突ダメージの修正やアライメントの修正の際に破損する可能性があります。通常の取替や脱着の際に起こる損傷に対して誰が責任を負うのか、あらかじめ協議しておく必要があります。
これらは、おそらく多くの場合修理費低減の目的で損保がカット取替とかを提案した際に、むやみに行うことのリスクを示しているのだろう。また、ガラス本体やガラスの周辺パネルの取替に際し、ユニボディ(モノコックと同意語)の場合は、ムリな応力が働くと破損していないガラスに損傷が生じる場合もあり得るが、その際に責任の所在(該当工場なのか取り扱い損保なのか)を明確にしておく必用があることを示しているのだろう。
近日、関東か周辺から東北部でひょう害があり、各地でそのBP修理が行われているだろう。この中にはルーフ取替となる修理も多く存在するのだろう。この修理方法に関して、米国での訴訟例だが、2013年の米国で起きた車両衝突炎上事故で火災車両に閉じ込められた2名が大やけどと負ったが、この該当車のルーフがメーカー指定の溶接でなく接着剤で取り付けられていた不適切修理に原因があったとしている。そして、該当車のオーナーが契約していた保険会社が、修理費を安くすることでルーフ取替を修理工場に対し接着剤を使用する様に強要したとしている。そして驚くことにこの訴訟の命じた賠償金は35億円だという記事が以下なのだ。感心ある方は参照されたい。
不適切修理に賠償金35億円、日本の車体整備業界も要注意 2018年8月29日
https://www.aba-j.or.jp/info/industry/5033/
という様な意見もあるが、ミッチェル解説を見ていて感じることだが、指数マニュアルに比べると、どちらかと云えば修理実施者スタンスで記した記述が目立つと感じるところだ。また、ミッチェル社が当初表明した工数は、あくまで暫定であって、それなりに工場側から意見があると、改めてミッチェル側で再検証を行い、工数値を変更することもあるという。こういう話しは、指数では聞いたことがない。
損保は、指数を普及させるのは良いが、その数値への疑問を持つ工場は多く、できる限り透明性を高めなければいけないと感じるところだ。
#損保と修理工場の意見対立は世界共通