クルマの横転などの転倒・転覆事故というのは、日常的な事故においても車高の高めのクルマを中心に結構多く見られるものです。
日本で販売されるクルマについては、新規検査の項目として最大安定傾斜角が35°以上であることが車両法の保安基準として定められています。しかし、この最大安定傾斜角はスタティック(静的)なものであり、走行中のダイナミック(動的)な安定を保証するものではありません。
転倒しやすい具体的なクルマとしては、軽のススキ車で云えばワゴンRやエブリィなどの車高の高めのものが上げられます。普通車でも、1ボックスやSUV、RV車などは通常のセダンに比べれば、その様な傾向を持つと考えて良いでしょう。
この様な転倒しやすい背髙のクルマを、メーカーはどうやって安全をカバーしているのかということですが、一つは姿勢変化を抑えることを最優先したサスペンションのセッティングが上げられます。これの具体的としては、ロールをなるべく押さえる堅めのバネレートとダンパーの組み合わせにより、ロール方向の姿勢変化を抑えているものです。しかし、この結果として乗り心地の悪化を招いてしまってるクルマが結構あります。
横転防止の2つ目ですが、電子的なスタビリティコントールを装備することです。今では4輪ABSは多くのクルマで標準装備される様になっていますから、これに若干の制御系を付加することで、昔に比べれば安価にスタビリティコントロール(ESC)の付加が可能になってきました。ところで、先日アメリカでレクサスのSUV(RX460=ランクル)が横転するとして、ESCのプログラム変更のリコールを受けることになった様です。しかし、この手の背髙SUVもしくはRV車をハードコーナリングさせれば、転倒するのはある意味当たり前のことで、幾らESCで制御したところで無理がある様に思えます。
近年、セダン人気は下降しつつ、1ボックスやSUVなどの背髙車が販売の中心となって来ました。これら背髙車はセダンに比べ、広い室内や見晴らしの良い運転席など、その人気は理解されるところです。しかし、利点もある変わりに転倒しやすいという安定性に負の面を持っていることを知る方は意外に少ないのかもしれません。
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