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ビッグモーター社の各所から透ける内情・さらに追記

2023-07-11 | コラム
ビッグモーター社の各所から透ける内情・さらに追記
 表題のビッグモーター社の内情のことを記したところ、元同僚でありその後外資系損保に勤務しつつ10数年を過ごし、2年程前に病気になり現在リアタイヤしている知人より連絡を受けた。この知人(以下彼と記す)より聞いた話しとして、さらにビッグモーター社の内情に対する理解が深まったところもあり、追記として書き留めたい。

 彼曰く、現在のビッグモーターの本社は六本木ヒルズ森タワー20階にあるが、ここで全国工場長会議が開催されたのだが、同会議に列席する機会もあったと云う。

 同会議で話される内容とかその様子は、到底一般の世に公開できるものでなく、例えて見れば想像するに北朝鮮の会議だとこういう感じになるのかという感想を持ったと表現していた。

 これはNetからの情報だが、同社の社長は”兼重宏行”氏(71)だが、山口県岩国市の生まれで、1971年に兼重オートセンター(岩国市)を創業(現在年齢より逆算して24才時)し、78年には株式会社に改組、1980年には車名を(株)ビッグモーターに、変更している。

 以後、93年にビッグボデー下関、97年にビッグボデー徳山(この徳山市は旧名で現在は周辺町と合併し周南市となっている)設立、など、買取販売店舗は山口県から90年代から2000年初頭までに、九州、四国、岡山辺りまで店舗を拡大している。2000年初頭より大阪、2000年代中頃より町田、千葉など首都圏近郊へ、2010年代より新規出店はペースを上げ、群馬、茨城、埼玉、宮城、神奈川、東京などに急拡大させ、2015年に現在の東京六本木ヒルズに本社を移転している。その後も店舗を増やし続け、2023年現在では、全国都道府県を店舗は網羅し、全店舗数264、全工場数33、従業員数6千名となっている。

 この規模は、現在のトヨタモビリティ東京(TMT)は東京トヨペット時代から世界最大のディーラーと云われていたが、現在のTMTは資本金181億、従業員数7700名と間違いなく世界最大だろうが、それに匹敵する規模の自動車買取・販売・修理業となっている。

 ちなみに、兼重社長の自宅だが、東京目黒区にある日本の豪邸として紹介されているが、グーグルアースで探して見ると、写真のごとくの豪邸だ。

 さて、彼の話しに戻るが、兼重社長だが、間違いなく経営手腕は超やり手の人物であるが、その業務の進め方は常人には到底マトモとは見えない。このことは、先に気した全国工場長会議での発言でも感じたのだが、この法に触れなきゃ(現実には触れているのだが)、手段を選ばぬ金の亡者と云えるのだが、損保でも特に損保ジャパンの業務の進め方は程度問題もあるが、基本としては兼重氏と同様のものがあるのではないかと述べていた。

 このこととして、彼は外資損保で、入庫誘導としても、到底国内大手損保に互する台数はできないと云うことを述べたにも関わらず、それに食い付く執念は凄まじいものだったと語るのだ。

 それと、彼は何度も繰り返すのだが、ビッグモーター工場長とか社員は、保険金不正請求している罪悪感と云うのはある意味なかったと感じると云う。それは、会社の至上命令に沿うと云うのが、自らが生き残る道であり、到底達成不可能な目標をただただ追求していたに過ぎないのだという。

 また、工場長に抜擢されるのは、30代前半の者だが、短いと1ケ月、長くても3ヶ月が限度で辞めていったという。確かに、目標達成すると高額報酬を得ていたが、到底それを継続できるような目標設定ではなく、本人は罪の意識なく、不正とも思わず、業務指令に従うと云う心理で、不正を継続したのだという。その後、工場長抜擢者は20代後半の者まで現れたが、やはり長続きしないのは同じだったそうだ。

 これを聞いて、これは先の戦争での日本軍兵士とまったく同様だし、もう少しレベルは下がるが、現在社会がこの30年で大きく変質し、多くの企業でコンプライアンスという美名と裏腹に、深刻に企業構成員を蝕んでいる現象とも思えるところだ。それと、これは兼重社長の人使いというべきか、一種のカリスマもあったのだろうが、例えて見れば宗教法人的な性格を持っていたのかもしれない。つまり、達成すれば高額報酬という報償を与え、兼重教祖の意志で洗脳してしまう。個々人は、我を忘れてそれに隷従するという姿だったのではないだろうか。

 また、私が損保ジャパン社が5名の従業員を派遣させていたことを、それはアジャスターだろうということは、やはりその通りなのだが、彼曰くあくまで、彼らはビッグ社に損保に通る見積を指導するというのが使命だと語っていたと云う。しかし、その5名の一人は、派遣により年収は2千万を越えたということを吐露したという。つまり、本来給与とビッグモーター社からの給与の合算で、その給与になった訳だが、私思うにここが兼重氏のやり手の側面を表すと思える。そもそも、ケチな根性(というかマトモな心情)であれば、代理店としてタダで労働力を手に入れられるにも関わらず、あえて高額報酬を与えることで、本来の損保に通る見積、すなわち適正査定という概念が狂わされてしまい、ビッグ社の目標達成への協力だとか、所用日数ありきという安き方向へ流されというか取り込まれてしまったのであろう。金の力はいやはや凄いものだと、改めて思うところだ。しかし、昔(30年前の私の常識)では、例え派遣する場合でも、会社は派遣先から一切の報酬は受け取らぬことをクギ刺していたと思える。それを、今の損保はおそらく、この二重報酬のことさえ気づいていても、何も云わず過ごしていたことが想像できることは罪深いことだと思える。


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