私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

最近のクルマについて感じること

2016-06-26 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 何れのメーカーも新型車ってものは、最新のデザイントレンドが取り入られ、新しい装備が加わったりと、(一見すると)華やかなものです。しかし、メカ屋として目で眺めると、目に触れない様々なところにコストダウンの形跡が散りばめられているものです。

 これは旧来質実剛健を誇ったダイムラーベンツしかりで、数十年前の126、124、201辺りのホワイトボデーを概観し、流石違うなと唸ったものでした。しかし、今や国産車と大差ないものとなったと云えば言い過ぎでしょうか。好きなドイツ車であるBMW社もしかりで、モデルチェンジする都度、一見豪華な仕様になっている様でいて、見えない部位について安価な素材への置き換えなどが結構行われているのが目に付くものです。

 ところで、日頃触れ合う機会が多いBMWミニですが、最新型(3代目・F55、56系)は未だよく把握しませんが、初代(R50系)と2代目(56系)を比べてみると、モノコックのプラットフォームはほぼ共通の様ですが、以下の様なコストダウンの形跡が判るものです。

・前後バンバーリインフォースメント(キャリア)の材質が初代はアルミ引き抜き材であったのが、2代目では高張力鋼板製へ変更。

・フロントサスペンションのロワアームが、初代では鋼板ボックス断面(複数パネルを接合して箱を形成)が、2代目では単板厚板鋼板パネルの成型品へ変更。

・エンジンオイルパンが、初代はアルミダイキャスト製であったのが、2代目では鋼板パネル成型品へ変更。

・リヤサイドウインドガラスが、初代はバックドア側へ大きくラウンドした曲面ガラスであったものが、2代目ではラウンド部を樹脂ガーニッシュで覆い、ガラスはほぼ平面ガラスへ変更。

まだまだ私が知らぬ部位があるのでしょうが・・・。

 高額過ぎて買えませんが高級オーディオの世界は、厚くて重くて高価な素材(アルミ、銅、木材等々)をふんだんに使用した世界と思えます。クルマは軽くなくてはならないが、最近のクルマは、目に見える質感やNVHはたぶん良くはなっているのでしょうが、何かチープな素材を寄せ集めたものと感じてしまうのです。

 そして、極論を云えばCADなど画面上でザックリと設計し、後は「アクティブ何たら」と名打って、ECUの制御で(安直に)味付けしているというものではないのでしょうか。

 そして、シュミレーター上での台上テストで耐久性評価をそこそこ済まし、様々な実走テストはそこそこにしか行われず評価を終え市場に出されてしまうことを感じるのです。

※写真は上がR50、下がR56


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