AEBの効果
現在新車販売されている車両には、一般呼称としての「自動ブレーキ」、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ:以下AEB(Autonomous Emergency Braking)と記す」が既に全車法令での装着が義務化されています。(輸入車の一部では未だ猶予期間あり)
このAEBだが、将来登場すると予想される自動運転車の前提機能の一つが実現していると考えて良いのだろうが、「自動ブレーキ」でなく「AED」として呼ばれる訳は、総ての衝突を防止できるまでの保障はできないという前提での装置だからだろう。将来、レベル4以上の自動運転機能車が登場した際には、同機能の保障範囲も広がり、名称も変わる可能性がある様に思える。
ここではイタルダ((財)交通事故総合分析センター)がインフォメーションとして過去に発表している資料から感心持つ部分をピックアップしてお伝えしたい。
No.133 pdf 軽乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の効果分析 2020/03
https://www.itarda.or.jp/contents/8685/info133.pdf
1)AEB装備車の世代と対象事故
この現在から3年前のインフォメーションの時点でも、AEBは既に登場初期の第1世代から、より精度を上げた第2世代が登場しているのだが。、その第1世代と第2世代の機能差は以下の表として記されている。
2)AEBの対象となる追突事故のAEB装着効果
以下表の通り、軽自動車の追突事故例だが、現象効果は、世代の更新と共に減少効果は現れている。
3)AEB付きでも事故が起こり得る主な理由
そもそもAEBは時代と共に性能は上がっているのだが、その要求機能を超えた条件では事故は防げない。また、未だ端的に云えばシステム機能として完璧なものではなく、例え条件内であっても、事故時の天候、車両の整備状態、検知対象の姿形などにより正常作動できない場合がある。具体的には以下の様な事例となる。
➀制動力低下の要因
タイヤの磨耗や空気圧低下、質鋤雲、積雪、凍結、急な下り坂など
②装置の検出機能低下の要因
暗闇、逆光、濃霧、フロントガラスセンサーなどセンサー部の汚れ、センサーの向きの精度※
※このセンサーの向きの精度をエーミングの呼称で呼ぶ訳だが、現在の最新機種では、外側線およびセンターラインの続く一定距離の直線路の走行により、絶えず学習機能によりエーミング校正させるオートエーミング機能が採用される様になって来ている。
③検出し難い対象
荷台から積み荷などが飛び出している貨物車、極端に小さな対象(二輪車が検出できない事故例あり)、集団の歩行者、傘さしている歩行者
④その他検出したとしても停止できない場合
急なカーブ路での停止もしくは減速車、急な割り込み進入した停止もしくは減速車、物陰から飛び出した歩行者
4)検出精度の向上と相反する問題
これは、AEB登場当時から出ていた問題だが、システムが何らかの誤検出をすることにより、運転車が意識しない突然の急制動が生じるという問題がある。例えば、初期の大型車系では早くから装着が法令で規制されたが、高速道の同じ場所でAEBが誤作動する事例を聞いた。これは、高速道で緩やかなカーブ路で、対向車の接近を、前方車の接近と誤検出していたと想像できる。
その他、地下駐車場へ下る坂で、平坦路面手前で急制動が起きるなどがあったが、昨年辺りのリコールで、新会社でシステムも新しくしたが、道路標識を歩行者として誤検出して急制動していると想像できる事例として、システムプログラムの改修リコールの事例がある。
近年のリコール事例として、コンピューター制御が増加している中で、システムソフトウェアの更新(バージョンアップ)はかなりの数多いが、AEB関係でも、システムの検出精度の向上、それと誤検出の防止という目的でのリコールは増えつつある。
現在新車販売されている車両には、一般呼称としての「自動ブレーキ」、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ:以下AEB(Autonomous Emergency Braking)と記す」が既に全車法令での装着が義務化されています。(輸入車の一部では未だ猶予期間あり)
このAEBだが、将来登場すると予想される自動運転車の前提機能の一つが実現していると考えて良いのだろうが、「自動ブレーキ」でなく「AED」として呼ばれる訳は、総ての衝突を防止できるまでの保障はできないという前提での装置だからだろう。将来、レベル4以上の自動運転機能車が登場した際には、同機能の保障範囲も広がり、名称も変わる可能性がある様に思える。
ここではイタルダ((財)交通事故総合分析センター)がインフォメーションとして過去に発表している資料から感心持つ部分をピックアップしてお伝えしたい。
No.133 pdf 軽乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の効果分析 2020/03
https://www.itarda.or.jp/contents/8685/info133.pdf
1)AEB装備車の世代と対象事故
この現在から3年前のインフォメーションの時点でも、AEBは既に登場初期の第1世代から、より精度を上げた第2世代が登場しているのだが。、その第1世代と第2世代の機能差は以下の表として記されている。
2)AEBの対象となる追突事故のAEB装着効果
以下表の通り、軽自動車の追突事故例だが、現象効果は、世代の更新と共に減少効果は現れている。
3)AEB付きでも事故が起こり得る主な理由
そもそもAEBは時代と共に性能は上がっているのだが、その要求機能を超えた条件では事故は防げない。また、未だ端的に云えばシステム機能として完璧なものではなく、例え条件内であっても、事故時の天候、車両の整備状態、検知対象の姿形などにより正常作動できない場合がある。具体的には以下の様な事例となる。
➀制動力低下の要因
タイヤの磨耗や空気圧低下、質鋤雲、積雪、凍結、急な下り坂など
②装置の検出機能低下の要因
暗闇、逆光、濃霧、フロントガラスセンサーなどセンサー部の汚れ、センサーの向きの精度※
※このセンサーの向きの精度をエーミングの呼称で呼ぶ訳だが、現在の最新機種では、外側線およびセンターラインの続く一定距離の直線路の走行により、絶えず学習機能によりエーミング校正させるオートエーミング機能が採用される様になって来ている。
③検出し難い対象
荷台から積み荷などが飛び出している貨物車、極端に小さな対象(二輪車が検出できない事故例あり)、集団の歩行者、傘さしている歩行者
④その他検出したとしても停止できない場合
急なカーブ路での停止もしくは減速車、急な割り込み進入した停止もしくは減速車、物陰から飛び出した歩行者
4)検出精度の向上と相反する問題
これは、AEB登場当時から出ていた問題だが、システムが何らかの誤検出をすることにより、運転車が意識しない突然の急制動が生じるという問題がある。例えば、初期の大型車系では早くから装着が法令で規制されたが、高速道の同じ場所でAEBが誤作動する事例を聞いた。これは、高速道で緩やかなカーブ路で、対向車の接近を、前方車の接近と誤検出していたと想像できる。
その他、地下駐車場へ下る坂で、平坦路面手前で急制動が起きるなどがあったが、昨年辺りのリコールで、新会社でシステムも新しくしたが、道路標識を歩行者として誤検出して急制動していると想像できる事例として、システムプログラムの改修リコールの事例がある。
近年のリコール事例として、コンピューター制御が増加している中で、システムソフトウェアの更新(バージョンアップ)はかなりの数多いが、AEB関係でも、システムの検出精度の向上、それと誤検出の防止という目的でのリコールは増えつつある。