私の思いと技術的覚え書き

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滑腔砲の時代

2012-03-07 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 兵器としての戦車の重要性は、ミサイルの時代になっても落ちることはないようです。そんな中で、戦車砲は従来のライフリング砲から滑腔砲(かっこうほう)の時代へと変化している様です。

 従来のライフリング砲ですが、拳銃もライフルも同様ですが、銃身内にねじり溝(旋状溝)を切ってあり、発射する銃弾(砲弾)を観点飛翔させることで、弾の直進安定性を確保できると云うものでした。

 一方、滑腔砲では、銃身内がエンジンのシリンダー内面の様にツルツルで、弾はピストンリングに相当するガイド(正式名所知らず)で発射炸薬の膨張力を受け、高初速に加速されます。従来のライフリング砲では、高速初速砲で発射初速は1.000m/sec程度だと思われますが、発射エネルギーをライフリング回転で消費してしまうことなく、2,000m/sec程度の初速が得られる様です。なお、ピストンリング相当のガイド部分は、弾が砲身を飛び出すと同時に、弾本隊と分離し、極細い砲弾(タングステン製)が飛翔するというものです。

 但し、この滑腔砲は、弾道の安定のために。ミサイル同様に弾の後端に空力安定翼を付けていますが、横風などの外乱に弱いという弱点がある様です。ですから。ある程度長射程の命中精度に関しては、従来のライフリング砲には敵わないと云うことの様です。

 それでも、戦車同士のバトルにおいて、比較的短距離(1~2km)の貫通力は、ライフリング砲の比ではなく、400mmの装甲を優に越すものである様です。そのため、近代戦車の装甲は、従来の防弾鋼板の厚板化や跳弾を意図した傾斜装甲から、内部にセラミック層をサンドイッチするなどの複合装甲に変化してきたと云われます。

※写真は某陸自の資料室で見た滑腔砲弾です。エアコン屋さんが弾作っていることを初めて知りました。



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