「アンメルツ」「ブルーレット」…果敢な商品開発でヒット連発 小林製薬が突然の危機に
3/31(日) 17:21配信 産経新聞
子会社の工場に厚労省などの検査が入ったことを受け、報道陣に頭を下げる小林製薬の山下健司・製造本部長(右)=31日午後3時2分、和歌山県紀の川市(恵守乾撮影)
小林製薬が製造・販売した「紅麹(べにこうじ)」成分入りのサプリメントで健康被害が相次いでいる。同社は市販の医薬品や生活雑貨などで、数々のヒット商品を世に提供し続けてきた有名企業。「〝あったらいいな〟をカタチにする」というブランドスローガンを掲げ、新規商品の開発に果敢に挑んできた。紅麹もその一つだっただけに、今回の問題は衝撃が大きい。
「お客さま一人ひとりのお困りごとを解決することで健康で快適な生活や社会での活躍をサポートする」
小林章浩社長は同社のホームページのあいさつでそう書いている。顧客ニーズを他社より早くつかみ、独創的な商品で市場を生み出す。同社はそうしたビジネスモデルを確立して成長を遂げてきた。
今から138年前の明治19年、小林忠兵衛が名古屋市で創業。高度成長期以降、消炎鎮痛剤「アンメルツ」や水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」、芳香消臭剤「サワデー」などのCMで多くの人が知る商品を次々と生み出した。
令和5年12月期には連結での売上高が1734億円、最終利益が203億円という好業績を挙げている。処方箋が必要な医療用医薬品はつくっておらず、ドラッグストアで買える市販薬や生活雑貨が主力だ。
紅麹事業は平成28年にグンゼから譲渡を受け、健康被害が出ているサプリ「紅麹コレステヘルプ」は、悪玉コレステロールを下げる効果があるとして令和3年に発売。サプリをはじめ健康食品でも業容を拡大しているさなかだった。
サプリの自主回収を発表した3月22日まで6千円台だった株価は、その後、一時4千円台まで急落した。
3月29日の記者会見で、小林社長は「病気の予防や健康の維持は重要な分野で、許されるなら貢献したい。健康食品を開発したい」となおも意欲を示したが、今は問題への適切な対応が何より求められている。(牛島要平)
--------------------------------------------------------------------------
4時間半の会見 拡大一途の「紅麹」健康被害、社長「深くおわび」
3/29(金) 22:43配信 産経新聞
「社会問題にまで発展し、深くおわび申し上げる」。紅麹(べにこうじ)成分が入った小林製薬の機能性表示食品サプリメントを巡る健康被害問題で、29日に会見した小林章浩社長は沈痛な面持ちで謝罪の言葉を繰り返した。問題を初めて公表した22日から1週間が経過し、関連が疑われる症例は死者5人、入院患者114人に。通院希望者も含めると約800人に膨れ上がった。影響は拡大の一途で問題長期化は必至だ。
【イラストでみる】「紅麹」被害、3つの疑問にどう回答した?
この日午後2時から大阪市内で開かれた小林製薬の記者会見。小林社長ら幹部は一様に険しい表情を浮かべ、冒頭10秒ほど深く頭を下げた。質疑応答では「すべての質問に回答する」とし、会見は約4時間半に及んだ。
質問が集中したのは、サプリ原料から検出された健康被害の原因物質と疑われる「未知の成分」と、最初の症例把握から問題公表までに約2カ月を要した点だった。
「未知の成分」については「特定できていない」としていたものの、厚生労働省が「プベルル酸」と発表すると、会見途中でこれを追認。ただ小林社長ら出席者全員が「公表するとは聞いていない」と戸惑いを見せ、国側との連携不足をうかがわせた。
同社の紅麹を扱う直接の取引先は52社、原料を使用している会社を含めると影響は173社に達する。それぞれ商品回収が必要になるとみられるが「すべて(の関係企業)と話ができているか分からない。おそらくできていない企業もある」(小林社長)と明かした。
海外でも関連が疑われる症例が報告され、外国メディアから小林製薬の現地対応を疑問視する声も。小林社長は「中国や台湾でも、紅麹原料によって大変なご迷惑をおかけし、申し訳ない」としつつ、「原料の卸を通じて(海外で)どういった商品になって販売されているか、全容がつかめていない」と述べるにとどまった。
電話での相談窓口は28日時点で110回線を準備したが、応答率は約3割。問題の急速な広がりに社内の態勢も追いついていない。
同社の紅麹製造は平成28年に、グンゼから事業譲渡を受けて引き継いだもの。それまで麹を用いた食品製造は一切行っていなかった。
そもそも紅麹はカビ毒のシトリニンを生成することが知られ、欧州でも健康被害が報告されるなど、厳格な取り扱いが要求される。
「麹については素人に近かったのではないか」
「素人が乗り込んで製造する危険性に考えが及ばなかったのか」
会見では小林製薬の製造管理を巡って厳しい質問が飛んだ。小林社長は「(グンゼの)技術者にも一緒に入社してもらい、その点は大丈夫であると認識していた」と応じ、別の担当者も「(批判は)甘んじて受けたい」としつつも「われわれのレベルが高くないということではなく、自信を持ってきた」と強調した。
ただ小林社長は「力が足りないと言われればおっしゃる通り」とうつむき、涙をこらえるようなしぐさも。今後について「原因究明と再発防止が私たちの責任」と話した。
--------------------------------------------------------------------------
【速報】小林製薬「紅麹問題」 厚労省などが和歌山の工場に立ち入り検査
3/31(日) 9:32配信 MBSニュース
小林製薬の「紅麹」を使ったサプリメントで健康被害が相次いでいる問題で、厚労省などが3月30日の大阪工場に続き、和歌山県にある製造工場に立ち入り検査に入りました。
【画像を見る】「紅麹コレステヘルプ」など自主回収の対象品をすべて見る 同名で「回収の非対象品」もある
31日、厚労省と和歌山県の立ち入り検査が行われているのは、和歌山県紀の川市にある小林製薬の関連会社の工場です。サプリの原料となる「紅麹」を製造していた大阪工場は去年12月に老朽化を理由に廃止され、使われていた製造ラインは現在、紀の川市にある関連会社の工場に移されています。
厚労省によりますと、サプリメントからは「プベルル酸」という想定外の物質が検出されていて、アオカビから発生する天然化合物とされています。
検査では、工場内の製造工程や衛生管理などを確認するとみられます。
3/31(日) 17:21配信 産経新聞
子会社の工場に厚労省などの検査が入ったことを受け、報道陣に頭を下げる小林製薬の山下健司・製造本部長(右)=31日午後3時2分、和歌山県紀の川市(恵守乾撮影)
小林製薬が製造・販売した「紅麹(べにこうじ)」成分入りのサプリメントで健康被害が相次いでいる。同社は市販の医薬品や生活雑貨などで、数々のヒット商品を世に提供し続けてきた有名企業。「〝あったらいいな〟をカタチにする」というブランドスローガンを掲げ、新規商品の開発に果敢に挑んできた。紅麹もその一つだっただけに、今回の問題は衝撃が大きい。
「お客さま一人ひとりのお困りごとを解決することで健康で快適な生活や社会での活躍をサポートする」
小林章浩社長は同社のホームページのあいさつでそう書いている。顧客ニーズを他社より早くつかみ、独創的な商品で市場を生み出す。同社はそうしたビジネスモデルを確立して成長を遂げてきた。
今から138年前の明治19年、小林忠兵衛が名古屋市で創業。高度成長期以降、消炎鎮痛剤「アンメルツ」や水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」、芳香消臭剤「サワデー」などのCMで多くの人が知る商品を次々と生み出した。
令和5年12月期には連結での売上高が1734億円、最終利益が203億円という好業績を挙げている。処方箋が必要な医療用医薬品はつくっておらず、ドラッグストアで買える市販薬や生活雑貨が主力だ。
紅麹事業は平成28年にグンゼから譲渡を受け、健康被害が出ているサプリ「紅麹コレステヘルプ」は、悪玉コレステロールを下げる効果があるとして令和3年に発売。サプリをはじめ健康食品でも業容を拡大しているさなかだった。
サプリの自主回収を発表した3月22日まで6千円台だった株価は、その後、一時4千円台まで急落した。
3月29日の記者会見で、小林社長は「病気の予防や健康の維持は重要な分野で、許されるなら貢献したい。健康食品を開発したい」となおも意欲を示したが、今は問題への適切な対応が何より求められている。(牛島要平)
--------------------------------------------------------------------------
4時間半の会見 拡大一途の「紅麹」健康被害、社長「深くおわび」
3/29(金) 22:43配信 産経新聞
「社会問題にまで発展し、深くおわび申し上げる」。紅麹(べにこうじ)成分が入った小林製薬の機能性表示食品サプリメントを巡る健康被害問題で、29日に会見した小林章浩社長は沈痛な面持ちで謝罪の言葉を繰り返した。問題を初めて公表した22日から1週間が経過し、関連が疑われる症例は死者5人、入院患者114人に。通院希望者も含めると約800人に膨れ上がった。影響は拡大の一途で問題長期化は必至だ。
【イラストでみる】「紅麹」被害、3つの疑問にどう回答した?
この日午後2時から大阪市内で開かれた小林製薬の記者会見。小林社長ら幹部は一様に険しい表情を浮かべ、冒頭10秒ほど深く頭を下げた。質疑応答では「すべての質問に回答する」とし、会見は約4時間半に及んだ。
質問が集中したのは、サプリ原料から検出された健康被害の原因物質と疑われる「未知の成分」と、最初の症例把握から問題公表までに約2カ月を要した点だった。
「未知の成分」については「特定できていない」としていたものの、厚生労働省が「プベルル酸」と発表すると、会見途中でこれを追認。ただ小林社長ら出席者全員が「公表するとは聞いていない」と戸惑いを見せ、国側との連携不足をうかがわせた。
同社の紅麹を扱う直接の取引先は52社、原料を使用している会社を含めると影響は173社に達する。それぞれ商品回収が必要になるとみられるが「すべて(の関係企業)と話ができているか分からない。おそらくできていない企業もある」(小林社長)と明かした。
海外でも関連が疑われる症例が報告され、外国メディアから小林製薬の現地対応を疑問視する声も。小林社長は「中国や台湾でも、紅麹原料によって大変なご迷惑をおかけし、申し訳ない」としつつ、「原料の卸を通じて(海外で)どういった商品になって販売されているか、全容がつかめていない」と述べるにとどまった。
電話での相談窓口は28日時点で110回線を準備したが、応答率は約3割。問題の急速な広がりに社内の態勢も追いついていない。
同社の紅麹製造は平成28年に、グンゼから事業譲渡を受けて引き継いだもの。それまで麹を用いた食品製造は一切行っていなかった。
そもそも紅麹はカビ毒のシトリニンを生成することが知られ、欧州でも健康被害が報告されるなど、厳格な取り扱いが要求される。
「麹については素人に近かったのではないか」
「素人が乗り込んで製造する危険性に考えが及ばなかったのか」
会見では小林製薬の製造管理を巡って厳しい質問が飛んだ。小林社長は「(グンゼの)技術者にも一緒に入社してもらい、その点は大丈夫であると認識していた」と応じ、別の担当者も「(批判は)甘んじて受けたい」としつつも「われわれのレベルが高くないということではなく、自信を持ってきた」と強調した。
ただ小林社長は「力が足りないと言われればおっしゃる通り」とうつむき、涙をこらえるようなしぐさも。今後について「原因究明と再発防止が私たちの責任」と話した。
--------------------------------------------------------------------------
【速報】小林製薬「紅麹問題」 厚労省などが和歌山の工場に立ち入り検査
3/31(日) 9:32配信 MBSニュース
小林製薬の「紅麹」を使ったサプリメントで健康被害が相次いでいる問題で、厚労省などが3月30日の大阪工場に続き、和歌山県にある製造工場に立ち入り検査に入りました。
【画像を見る】「紅麹コレステヘルプ」など自主回収の対象品をすべて見る 同名で「回収の非対象品」もある
31日、厚労省と和歌山県の立ち入り検査が行われているのは、和歌山県紀の川市にある小林製薬の関連会社の工場です。サプリの原料となる「紅麹」を製造していた大阪工場は去年12月に老朽化を理由に廃止され、使われていた製造ラインは現在、紀の川市にある関連会社の工場に移されています。
厚労省によりますと、サプリメントからは「プベルル酸」という想定外の物質が検出されていて、アオカビから発生する天然化合物とされています。
検査では、工場内の製造工程や衛生管理などを確認するとみられます。