私の思いと技術的覚え書き

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アーサータシク氏のマツダCX5車体修復動画

2022-11-05 | 車両修理関連
アーサータシク氏のマツダCX5車体修復動画
 過去何度か紹介してきた、Youyube動画でアーサータシク氏の車体修復動画だが久しぶりに見た。それは、修理対象車がマツダCX5と比較的身近なもので、どうやって料理するのかという感心が芽生えたからだ。

 私は車体修復の技術者ではなく、その修理作業を予測し修理費の見積を思考する立場であるが、この様な動画を見て見て得られる知見は多くの知的資産を生むと思っている。ましてや、車体修復のプロなら、この18分の動画に圧縮かつ集約された内容から得られるノウハウは、より実務に密着したヒントを生み出す様に想像できる。

 ここで、私の想像も含むが、アーサータシク氏が世界でも図抜けて技術力が高いとは思っていない。むしろ、個別の事柄を比較すれば、日本にももっと優秀な技術者も多くいることを認識している。ただし、アーサー氏の工場環境とか設備機器が特段立派なものでもなく、日本の車体工場でも極ありふれた機器を前提にしてこの様な小気味よい作業が実績されているという、そのセンスを買うところなのだ。

 今回の約18分の動画だが、私の目に付いたポイントを以下3点程列記したい。
➀レーザー光線で左右捻れ(左右高さの差)を視覚化させ、対応した修正
 日本でも活用している工場は多いところだろう。ただ、要所を捉えた活用という意味で、凄く効果的な活用と思える。



②センターピラーおよびロッカーアウターの凹損の溶着引き出しの手際
 これは日本の板金工場でも多く実績されていることと思うが、多連で溶着した溶着ワッシャに連結するピンを挿入するが、凹損しているので全部は入らないが、引き修正しつつ、ピンが入る段階でピンを貫通させ全カ所に引き過重を与える。



③通常なら板金パテで処理する部位のハンダ盛り修正
 ハンダは200℃程度で溶融するのだろうが、まずハンダペースト(液体状)を塗るとか、木ベラでしごいてハンダメッキ様に薄くハンダ層を形成しておいて、そこからハンダを盛り、温度具合を見ながら木ベラで成型。その後は、ボデーヤスリもしくはグラインダーで荒削り、ダブルアクションで仕上げと進めている様だ。
当然この後はプラサフ塗布前にポリパテ付け研ぎ行程が入るのだろうが、何よりハンダの鋼板への密着が良さそうに想像できる。また、ハンダの温度コントロールにより過剰な盛り付けがなく、研削時間が圧縮できる様に想像できる。



Arthur Tussik : Hand Crafted On Mazda CX5 Damaged (アーサー タシク: マツダ CX5 の損傷の修復手作業) 2021/08/15
https://www.youtube.com/watch?v=9Iu9VZdTnNo


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