整備白書R3年より その1
日整連が会員工場から諸データの提出(毎年8/20期限)を受け、整備白書としてまとめ、翌毎年3月頃に発行している整備白書というのがあり、昨年度分に続き今年度分も購入できた。この白書には、日整連としての様々な動向分析とか、この業界の将来へ向けた方向性を記してある訳だが・・・。拙人は、日整連会員ではないが、FAINESも使用し、この整備業界およびBP業界とも半世紀ほど触れ合い続けてきた中で、この業界をどう見れば良いのか、EVだとかASV(先進安全車)とかで将来動向が定まりにくくなっている中、ある程度の方向性を指し示せれば幸甚と思うところだ。
その1として、今回添付したのは1工場当たりの整備内容別(車検、定期点検、事故整備、その他の4区分)の平均入庫台数の表だが、R2年(2020)とR3(2021)の両方を添付する。
同表を見るとR2年では車検が2%弱微減したが、事故修理が約10%減少していることが目立った。R3年も事故修理は継続して10%近く現象しているのだが、業態別に見るとディーラーの21%減少が足を引っ張っていることが判る。
さて、これをどう見るかだが、ディーラーの整備は、車両の新旧で云えば、比較的新しい高年式車が中心であることは昔から知れた傾向だろう。そうなると、現行型では特に増えた衝突被害軽減ブレーキなどのASV装備車による事故車の入庫減が要因だろうと理解した。なお、ディーラー以外の業態では、2-3%程度の微減という感じだ。
今から20年程前のことだが、ディーラーは内製化と称して自前でBP工場を設立し街のBP工場に外注せずに自前でBP整備を行おうという意気込みは大きかった。しかし、近年自前のBP工場拠点数を少なくしたりして往時の勢いは薄れていると見える。となると、ディーラーの外注先となっていた、街のBP工場での事故車修理の現象による影響は大きいだろうと想像する。また、例外もあるが、ディーラーの外注を受ける工場というのは、品質面での要求も強く、設備がなく小規模なBP工場より、比較的大規模なBP工場が多いと見受けられる。この様な大規模BP工場では、既に整備認証もしくは指定工場にもなっており、旧来のBPだけの専業化から、カーアフター一式をできることを目指して工場業容を改革してきているが、今後より一層その方向を目指さざるを得ないだろう。
事故車以外の車検や点検などでは、R2年のすべて微減が、すべて微増という変化をしている。これは、コロナショックもあるが景気というか所得の停滞もしくは現象により、新車もしくは中古への乗り換えを抑制し、継続検査となっていることを示すものだろう。なお、自販連統計によれば、現在約82百万台の自動車保有台数があるが、平均使用年数は毎年微増し続けており、乗用車で既に13年を超えている。また、商用車は15年超となっている。
なお、分解整備事業者は既に特定整備と名称が変更になっており、昨年10月より定期点検にも特定整備の項目が入って来ている。また、昨年10月以降の新車が初回車検を受けることになる2024年10月よりOBD車検の実施もなされるので、未だ特定整備認証を取得していない場合は、事業を続けるなら早く取得しておかなければならないだろう。そもそも、フロントバンパーを外しただけで、ミリ波レーダーの位置に影響を与える場合は、特定整備認証を受けた工場でないと、それは分解整備に該当し、未認証工場でやったことにしておくのは、法令違反となるのはご存じの通りだ。
なお、拙人に云わせりゃ、こんな特定整備なんてものを作り認証資格まで作ってしまったのだが、正しい方向だったのかといえば大きな異論を持つ。しかし、すでに法は成立しており違法行為を繰り返すことは、不正車検だけでなく不正整備という咎めを受けることになるので認証資格を充足させておくのは必達だろう。なお、当初の認証には、ターゲットだとかOBDスキャナなどが必要となるが、現状では最小限の投資で済むものをお薦めしたい。決して、工具屋などの売らんか商売に騙されないことと、このADSは過渡期のものであり、エーミングにしても厳格に合わせなさいという車両は既に過去世代のものだ。最新型は、オートエーミング機能が搭載され、一定速が出せる外側線と区分線がある直線路を一定距離(数百m)走行すれば、エーミングは完了するのだ。
#整備白書 #ディーラーの事故整備の落ち込みは大きい #特定整備は事業を続けるなら取得を
日整連が会員工場から諸データの提出(毎年8/20期限)を受け、整備白書としてまとめ、翌毎年3月頃に発行している整備白書というのがあり、昨年度分に続き今年度分も購入できた。この白書には、日整連としての様々な動向分析とか、この業界の将来へ向けた方向性を記してある訳だが・・・。拙人は、日整連会員ではないが、FAINESも使用し、この整備業界およびBP業界とも半世紀ほど触れ合い続けてきた中で、この業界をどう見れば良いのか、EVだとかASV(先進安全車)とかで将来動向が定まりにくくなっている中、ある程度の方向性を指し示せれば幸甚と思うところだ。
その1として、今回添付したのは1工場当たりの整備内容別(車検、定期点検、事故整備、その他の4区分)の平均入庫台数の表だが、R2年(2020)とR3(2021)の両方を添付する。
同表を見るとR2年では車検が2%弱微減したが、事故修理が約10%減少していることが目立った。R3年も事故修理は継続して10%近く現象しているのだが、業態別に見るとディーラーの21%減少が足を引っ張っていることが判る。
さて、これをどう見るかだが、ディーラーの整備は、車両の新旧で云えば、比較的新しい高年式車が中心であることは昔から知れた傾向だろう。そうなると、現行型では特に増えた衝突被害軽減ブレーキなどのASV装備車による事故車の入庫減が要因だろうと理解した。なお、ディーラー以外の業態では、2-3%程度の微減という感じだ。
今から20年程前のことだが、ディーラーは内製化と称して自前でBP工場を設立し街のBP工場に外注せずに自前でBP整備を行おうという意気込みは大きかった。しかし、近年自前のBP工場拠点数を少なくしたりして往時の勢いは薄れていると見える。となると、ディーラーの外注先となっていた、街のBP工場での事故車修理の現象による影響は大きいだろうと想像する。また、例外もあるが、ディーラーの外注を受ける工場というのは、品質面での要求も強く、設備がなく小規模なBP工場より、比較的大規模なBP工場が多いと見受けられる。この様な大規模BP工場では、既に整備認証もしくは指定工場にもなっており、旧来のBPだけの専業化から、カーアフター一式をできることを目指して工場業容を改革してきているが、今後より一層その方向を目指さざるを得ないだろう。
事故車以外の車検や点検などでは、R2年のすべて微減が、すべて微増という変化をしている。これは、コロナショックもあるが景気というか所得の停滞もしくは現象により、新車もしくは中古への乗り換えを抑制し、継続検査となっていることを示すものだろう。なお、自販連統計によれば、現在約82百万台の自動車保有台数があるが、平均使用年数は毎年微増し続けており、乗用車で既に13年を超えている。また、商用車は15年超となっている。
なお、分解整備事業者は既に特定整備と名称が変更になっており、昨年10月より定期点検にも特定整備の項目が入って来ている。また、昨年10月以降の新車が初回車検を受けることになる2024年10月よりOBD車検の実施もなされるので、未だ特定整備認証を取得していない場合は、事業を続けるなら早く取得しておかなければならないだろう。そもそも、フロントバンパーを外しただけで、ミリ波レーダーの位置に影響を与える場合は、特定整備認証を受けた工場でないと、それは分解整備に該当し、未認証工場でやったことにしておくのは、法令違反となるのはご存じの通りだ。
なお、拙人に云わせりゃ、こんな特定整備なんてものを作り認証資格まで作ってしまったのだが、正しい方向だったのかといえば大きな異論を持つ。しかし、すでに法は成立しており違法行為を繰り返すことは、不正車検だけでなく不正整備という咎めを受けることになるので認証資格を充足させておくのは必達だろう。なお、当初の認証には、ターゲットだとかOBDスキャナなどが必要となるが、現状では最小限の投資で済むものをお薦めしたい。決して、工具屋などの売らんか商売に騙されないことと、このADSは過渡期のものであり、エーミングにしても厳格に合わせなさいという車両は既に過去世代のものだ。最新型は、オートエーミング機能が搭載され、一定速が出せる外側線と区分線がある直線路を一定距離(数百m)走行すれば、エーミングは完了するのだ。
#整備白書 #ディーラーの事故整備の落ち込みは大きい #特定整備は事業を続けるなら取得を