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ダイハツリコール110万台に驚く

2021-06-29 | 車両修理関連
ダイハツリコール110万台に驚く
 先日(6/24付け)でダイハツが総計110万台のリコールを届け出た。
 このリコール内容は2種類あり、1つは燃料ポンプのリコールで、総計96万台。もう一つは、ステアリングギヤのもので総計16万台というものだ。

 今回、問題視したいのは燃料ポンプリールの総計96万台という内容だ。この燃料ポンプリコールは、既にトヨタで約1年前に同一カ所のリコールを繰り返した燃料ポンプに起因するものだ。

 同燃料ポンプは、サプライヤーのデンソー製のもので、トヨタに引き着いて、既にマツダやホンダでもリコール広報がなされている。それが、約半年遅れでダイハツにも供給しており波及したということらしい。

 しかし、今回のダイハツのリコール内容(別添)を見ると、不具合件数584件と既に多くの市場での不具合があったにも関わらず、直系のトヨタ傘下のダイハツであるにも関わらず、ホンダやマツダより遅いリコール届出に異様な対応と感じる。つまり、ダイハツの怠慢という構図が垣間見える。

 今回のデンソー燃料ポンプリコールの原因は、ポンプ下部の樹脂製インペラ(羽)が、金型への射出成形時に、金型温度が低すぎて、十分な密度での成型が行われず、樹脂がガソリンで膨潤し、ケースに接触して回転ロックするために生じたものだと報じられている。

 また、現在のサプライチェーン体制から、燃料ポンプの樹脂インペラの射出成型をデンソー本体が行っているとは考え難く、2次もしくは3次の協力企業が行っていたと想像する。

 また、製品アッセンブリーの完成も2次の関連メーカーかもしれないが、1次のデンソーとして、加速度試験環境んいおいて、長期間の動作を十分行われなければならないのを、不十分な検査でOKとしていたということが考えられる。また、完成車としての車両メーカーでも、不十分な耐久検査でOKとする気風が生まれているのだろう。

 ところで、本デンソー燃料ポンプの不具合は、既に世界で累計1,100万台に達する程まで拡大しているという。燃料ポンプの補給部品の価格は3万円程するが、製造原価は5千円程かもしれない。しかし、これをリコールすることになれば、組み替え工賃など含めて勘案すれば、1車両辺り2万円程の負担を要することも想像できる。となると、総計1,100万台だから、22億程の損失を生み出すことになる。



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