【書評】日本会議の正体(青木理著)
日本会議というものをご存じだろうか。私は、ああ、政治家をある程度仕切っている任意団体だろうな程度までは知っていた。それでも青木理氏が書くのだから何かあるのだろうなという感心が読む切っ掛けとなった。
それでは、日本会議とはどのような団体なのだろうか。本書の冒頭まもなくに、ある事象を見る場合に、その合わせ鏡として、海外メディアがどう見ているかを見た方が、忌憚のない的確な評価を述べている事例が多いとして、2015年頃の外国メディア在東京特派員が東京発として/イギリス、アメリカ、オーストラリア、フランスなどの本国に送信した記事から読み取ったものを列記している。ここではそれらにから読み取れる内容として、抜き出して以下にまとめてみた。
その名もありきたりな「日本会議」とは、日本のもっとも強力なロビー団体だ。国粋主義的かつ歴史修正主義な目標を掲げている。先の戦争で西洋の植民地から東アジアを結果として解放したことを称え、再軍備をし、左翼の教師に洗脳された教育を変え、愛国心を戦前の古き良き天皇の時代への回帰を願う。
2014年10月、安倍改造内閣では日本が急速に右旋回していることを懸念している。安倍改造内閣の閣僚19名中の15名が、日本会議という団体に所属している。同団体は、愛国教育を推進し、戦時下の日本が行った軍事行動に関する自虐史観を終わらせつことを目指している。
日本会議は、日本の政治を作り替えようとしている極右ロビー団体だ。安倍晋三首相以下閣僚の8割、国会議員の半数が同団体に名を連ねている。
というイメージ象が日本会議だというのだ。今、この文章を書きながらwikiも見たところだが。冒頭に次の様に記されている。
日本会議 1997年に設立された日本の政治団体。日本で最大の保守主義・ナショナリスト団体。2016年現在、会員は約3万8,000名、47全都道府県に本部が、また241の市町村支部がある。会長は、田久保忠衛(2021年1月現在)。日本会議国会議員懇談会、日本会議地方議員連盟および日本女性の会は、日本会議の関連団体。
同wikiでの活動・主張の部分を以下に転載する。
活動・主張
“美しい日本の再建と誇りある国づくり”を掲げ、政策提言と国民運動を行うとしている。主な活動や主張には以下のものがある。
・皇室
・男系による皇位の安定的継承を目的とした皇室典範改正
・皇室の地方行幸啓の際の奉迎活動
・憲法
・現行憲法にかわる、新憲法の制定
・教育
・学校教科書に於ける「自虐的」「反国家」な記述の是正
・「親学」に基づく親への再教育、いじめ撲滅等を目的に掲げる「家庭教育基本法」の制定
・「特に行きすぎた権利偏重の教育」の是正
・「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」の是正
・「ジェンダーフリー教育の横行」の是正
・学校における国旗掲揚・国歌斉唱運動の推進
・教育委員会制度の改革
・「公共心」「愛国心」「豊かな情操」教育等を盛り込んだ「新教育基本法」の制定[注 3]
・「国旗国歌法」の制定
・国防
・海上保安庁法等の改正
・平時における自衛隊の領域警備に関する役割を定める法律の制定
・自衛隊法の改正等による「有事法制」の整備
・歴史認識
・先の大戦は東アジアを解放するための戦争であり、日本政府の謝罪外交は、日本国の歴史や戦没者を蔑ろにするものとして、国民から非難されている。
・「従軍慰安婦」は強制連行ではなく公娼制度であり、「南京大虐殺」も実在しない。
・靖国神社
・内閣総理大臣の靖国神社公式参拝実現
・靖国神社に代わる無宗教の「国立追悼施設」建設反対
・会長の田久保忠衛は、靖国参拝について、「中国・韓国等の諸外国の主張の通りA級戦犯を除外すれば、次はB、C、最後には靖国神社自体をなくしてしまえとなるのは目に見えている」とし、「外交の道具に使われているだけ」であるとしている。
・女性による国民運動の推進
・夫婦別姓反対
・男女共同参画条例への反対
・日本の主権を侵害すると見做した動きへの反対運動
・外国人地方参政権反対
・「人権機関設置法」反対
・「自治基本条例」制定反対
これ見てどう思うだろうか。亡くなられた元首相が発してきた言葉で、美しい国ニッポン、戦後レジーム(体制)から脱却、憲法改正、敵基地先制攻撃・・・数々の言葉と一致するというか、し過ぎる。安倍氏なきあと、数日前の秋に国葬を行うことや憲法改正論議を高めると岸田首相が述べたが、この日本会議の方針とおりへの回帰を目指しているということが判る。寒気がして来ることを、この本で知るが、世は間違いなくその野望に向けて進もうとしている。
追記
日本会議は設立年1997年と比較的新しいが、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」を統合することで設立したと記してあるが、もっと根っこに宗教法人「人生長の家」があること、そして戦前まで国家が管理していた現神社本庁との付き合いも深いことが、本書内でも記されている。なお、本書内では、全国の神社数は8万余社だが、そお90%が神社本庁傘下でありが、その10%程度の神社で、憲法改正論などの啓蒙チラシなどの資料などそれなりの政治活動がなされているとのことだ。これについては、私は神社は好きな環境ではあるが、田舎の神社散策では見たことはないが、神社がそういう啓蒙活動するのは如何なもの感じてしまう。
#日本会議 #戦前日本の国家体制への回帰 #憲法改正 #愛国教育 #デモクラシーの喪失
日本会議というものをご存じだろうか。私は、ああ、政治家をある程度仕切っている任意団体だろうな程度までは知っていた。それでも青木理氏が書くのだから何かあるのだろうなという感心が読む切っ掛けとなった。
それでは、日本会議とはどのような団体なのだろうか。本書の冒頭まもなくに、ある事象を見る場合に、その合わせ鏡として、海外メディアがどう見ているかを見た方が、忌憚のない的確な評価を述べている事例が多いとして、2015年頃の外国メディア在東京特派員が東京発として/イギリス、アメリカ、オーストラリア、フランスなどの本国に送信した記事から読み取ったものを列記している。ここではそれらにから読み取れる内容として、抜き出して以下にまとめてみた。
その名もありきたりな「日本会議」とは、日本のもっとも強力なロビー団体だ。国粋主義的かつ歴史修正主義な目標を掲げている。先の戦争で西洋の植民地から東アジアを結果として解放したことを称え、再軍備をし、左翼の教師に洗脳された教育を変え、愛国心を戦前の古き良き天皇の時代への回帰を願う。
2014年10月、安倍改造内閣では日本が急速に右旋回していることを懸念している。安倍改造内閣の閣僚19名中の15名が、日本会議という団体に所属している。同団体は、愛国教育を推進し、戦時下の日本が行った軍事行動に関する自虐史観を終わらせつことを目指している。
日本会議は、日本の政治を作り替えようとしている極右ロビー団体だ。安倍晋三首相以下閣僚の8割、国会議員の半数が同団体に名を連ねている。
というイメージ象が日本会議だというのだ。今、この文章を書きながらwikiも見たところだが。冒頭に次の様に記されている。
日本会議 1997年に設立された日本の政治団体。日本で最大の保守主義・ナショナリスト団体。2016年現在、会員は約3万8,000名、47全都道府県に本部が、また241の市町村支部がある。会長は、田久保忠衛(2021年1月現在)。日本会議国会議員懇談会、日本会議地方議員連盟および日本女性の会は、日本会議の関連団体。
同wikiでの活動・主張の部分を以下に転載する。
活動・主張
“美しい日本の再建と誇りある国づくり”を掲げ、政策提言と国民運動を行うとしている。主な活動や主張には以下のものがある。
・皇室
・男系による皇位の安定的継承を目的とした皇室典範改正
・皇室の地方行幸啓の際の奉迎活動
・憲法
・現行憲法にかわる、新憲法の制定
・教育
・学校教科書に於ける「自虐的」「反国家」な記述の是正
・「親学」に基づく親への再教育、いじめ撲滅等を目的に掲げる「家庭教育基本法」の制定
・「特に行きすぎた権利偏重の教育」の是正
・「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」の是正
・「ジェンダーフリー教育の横行」の是正
・学校における国旗掲揚・国歌斉唱運動の推進
・教育委員会制度の改革
・「公共心」「愛国心」「豊かな情操」教育等を盛り込んだ「新教育基本法」の制定[注 3]
・「国旗国歌法」の制定
・国防
・海上保安庁法等の改正
・平時における自衛隊の領域警備に関する役割を定める法律の制定
・自衛隊法の改正等による「有事法制」の整備
・歴史認識
・先の大戦は東アジアを解放するための戦争であり、日本政府の謝罪外交は、日本国の歴史や戦没者を蔑ろにするものとして、国民から非難されている。
・「従軍慰安婦」は強制連行ではなく公娼制度であり、「南京大虐殺」も実在しない。
・靖国神社
・内閣総理大臣の靖国神社公式参拝実現
・靖国神社に代わる無宗教の「国立追悼施設」建設反対
・会長の田久保忠衛は、靖国参拝について、「中国・韓国等の諸外国の主張の通りA級戦犯を除外すれば、次はB、C、最後には靖国神社自体をなくしてしまえとなるのは目に見えている」とし、「外交の道具に使われているだけ」であるとしている。
・女性による国民運動の推進
・夫婦別姓反対
・男女共同参画条例への反対
・日本の主権を侵害すると見做した動きへの反対運動
・外国人地方参政権反対
・「人権機関設置法」反対
・「自治基本条例」制定反対
これ見てどう思うだろうか。亡くなられた元首相が発してきた言葉で、美しい国ニッポン、戦後レジーム(体制)から脱却、憲法改正、敵基地先制攻撃・・・数々の言葉と一致するというか、し過ぎる。安倍氏なきあと、数日前の秋に国葬を行うことや憲法改正論議を高めると岸田首相が述べたが、この日本会議の方針とおりへの回帰を目指しているということが判る。寒気がして来ることを、この本で知るが、世は間違いなくその野望に向けて進もうとしている。
追記
日本会議は設立年1997年と比較的新しいが、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」を統合することで設立したと記してあるが、もっと根っこに宗教法人「人生長の家」があること、そして戦前まで国家が管理していた現神社本庁との付き合いも深いことが、本書内でも記されている。なお、本書内では、全国の神社数は8万余社だが、そお90%が神社本庁傘下でありが、その10%程度の神社で、憲法改正論などの啓蒙チラシなどの資料などそれなりの政治活動がなされているとのことだ。これについては、私は神社は好きな環境ではあるが、田舎の神社散策では見たことはないが、神社がそういう啓蒙活動するのは如何なもの感じてしまう。
#日本会議 #戦前日本の国家体制への回帰 #憲法改正 #愛国教育 #デモクラシーの喪失