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秋に国葬ということだが違和感を感じる

2022-07-16 | コラム
秋に国葬ということだが違和感を感じる
 元首相の暗殺といえる事件があり私的葬儀は済まされたのだが、現首相は秋に国葬を行うと明言した。添えられた言葉に、「暴力に屈しない決意を世界に示す」とか「世界有数の弔問者の安全を確保する」などがあった様だが、どうも違和感を感じる。
 wikiで明治維新以来の国葬者一覧をお借りして添付するが、昭和20年終戦以降の国葬者は今次予定を入れ、たったの4名だが、この内、皇族が2名、政治家首相経験者が2名なのだが。確かに前首相は8年と近年の日本政治には希に見る長期政権を維持したが、桜の会前夜祭、モルカケ疑惑など、未だ未解明の疑惑も残した。こういう人物を国葬として、祭り上げることで、あたかも悲劇のヒロイン化がなされ、問題の疑惑の一切が事実上免責されてしまう自体は、デモクラシー国家として違和感を感じるところと思える。なお、下記は政党として今次の秋の国葬を否定している共産党の声明を転載したが、国民の評価はある程度分かれる中での、国家として礼賛までは如何かというところなど、非常に論理的に記されている。

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安倍元首相礼賛の「国葬」の実施に反対する
2022年7月15日  日本共産党幹部会委員長  志位和夫

一、昨日、岸田文雄首相は、参院選遊説中に銃撃を受け亡くなった安倍晋三元首相について、今秋に「国葬」を行うと発表した。

 岸田首相が「国葬」とする理由について、「憲政史上最長の8年8カ月にわたり卓越したリーダーシップと実行力で・・・内閣総理大臣の重責を担った」「東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残された」「その御功績は誠にすばらしいものがある」などをあげたことは重大である。

一、日本共産党は、安倍元首相が無法な銃撃で殺害されたことに対して、深い哀悼の気持ちをのべ、暴挙への厳しい糾弾を表明してきた。政治的立場を異にしていても、ともに国政に携わってきたものとして、亡くなった方に対しては礼儀をつくすのがわが党の立場である。

 同時に、それは安倍元首相に対する政治的評価、政治的批判とは全く別の問題である。日本共産党は、安倍元首相の在任時に、その内政・外交政策の全般、その政治姿勢に対して、厳しい批判的立場を貫いてきたし、その立場は今でも変わらない。

 国民のなかでも、無法な暴力で命を落とした安倍氏に対する追悼の気持ちをもっている人々も含めて、安倍元首相の政治的立場や政治姿勢に対する評価は、大きく分かれていることは明らかだと考える。

 しかも、安倍元首相の内政・外交政策の問題点は、過去の問題ではなく、岸田政権がその基本点を継承することを言明しているもとで、今日の日本政治の問題点そのものでもある。

一、岸田首相が言明したように、安倍元首相を、内政でも外交でも全面的に礼賛する立場での「国葬」を行うことは、国民のなかで評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を、国家として全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を賛美・礼賛することになる。

 またこうした形で「国葬」を行うことが、安倍元首相に対する弔意を、個々の国民に対して、事実上強制することにつながることが、強く懸念される。弔意というのは、誰に対するものであっても、弔意を示すかどうかも含めて、すべて内心の自由にかかわる問題であり、国家が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることは、あってはならないことである。

一、以上の重大な問題点を考慮し、日本共産党は、このような形での「国葬」の実施には反対する。

 安倍元首相が8年8カ月にわたる在任中に果たした役割については、事実と道理にもとづき、冷静な評価が行われるべきであることを、とくに強調したい。

#国葬の妥当性 #違和感 #共産党声明


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