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BM社の内情 追記 第3回目

2023-07-14 | コラム
BM社の内情 追記 第3回目
 BM(ビッグモーター)社と損保のなれ合いのことは、損保の偽善ということでも書いて来たが、今次はBMの内情の第3回目として、その他私が知り得たBM社における事業推進と新たに知る実情のことを記してみたい。

 BM社のHPを見ると付き合う損保代理店を以下の様に紹介している。
<当社は、損害保険ジャパン株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、共栄火災海上保険株式会社の代理店として自動車保険の取り扱いを行っています。>

 これを見ると、合計損保5社が代理店で、従来聞いてきた3メガ損保以外に共栄火災の名がある。となると、代理店を持たぬ通販系損保以外の損保としては、残るは日新火災(東京海上の子会社)とセコム損保程度となろう。

 この3メガ損保(三井住友とあいおいはMS&ADホールディング傘下企業として一体)他の7社の規模別概要は添付表の如くとなる。ここで、BM社が付き合う損保として、共栄火災が入るのだが、損保の規模としては3メガ損保と比べると大きな格差がある。ここで、共栄火災という損保が、BM社とどんな付き合いをしているのか、私の情報網を利用して聴取してみた。

 この聴取内容だが、昨年中頃にBM社の修理費保険金水増し疑惑(今では疑惑でなく確定事実)が発覚して以来、その後もBM社は,主に東京、埼玉、千葉など首都圏を中心に店舗および工場(修理&BP)の新設を拡大し続けて来た。その中で、3メガ損保が新規店舗および工場への代理店と指定工場としての増設を控える中、共栄火災への保険契約(主に自賠責保険の契約)が急増したという実体がある様だ。流石に、現在では共栄火災も指定工場としての取り扱いは公式上は辞めたとしている様だが、主に新設工場と近隣店舗における自賠責保険の契約は,共栄火災に移行しているという。つまり、従前記した大手3メガ損保と同様に、共栄火災も表向きには指定工場としては取り扱っていないが、裏で入庫誘導を継続しつつ代理店解除など行うつもりはない金輪際ないらしい。

 なお、若干BP関係に詳しくない方には理解しがたい内容ともなるが、以下の内容を聴取している。

・本社は東京六本木ヒルズ森タワー20Fだが、全国BP工場の中心拠点は、ビッグモーター多摩店の工場らしい。所在地は東京都多摩市貝取5丁目3であるが、最寄り駅は京王相模原線の永山駅より南方約2Kmで通称鎌倉街道(県道18号)沿いにある店舗兼工場の様だ。

・同所工場は、民間車検(指定工場)とBP工場を一体化させた工場であり、BM社のフラッグシップ工場としての存在の様だ。(BM社のCM背景に写る工場がこの多摩店だ)



・BM社では、ボデー補修塗料としては水性ペイントを全国工場で共通使用しているが、現在ではまだまだ普及は少ないと知見しているトップコートクリアーまでを水性化した完全水性化しているそうだ。この水性トップコートクリアーは当初から日本ペイントとの共同で開発を進めて来たものだそうだ。この水性塗料は20年位前から導入されているが、実体としてはなかなか普及が進まず、水性導入工場でも当初はとトップクリアーは2液ウレタンしか選択肢がなかったものであり、現在でも上塗りトップクリアーコートまでを水性化している工場は極少ないというのが実体だと知見している。

・BM社の画像査定(損保の立会なく画像と見積をネット通信でやりとりして金額決定する処理)は、九州地域の某拠点に集中化させているという話がある。すなわち、従来記して来た損保ジャパン社からの5名の派遣者は、この画僧査定処理工場にも推進指導係として派遣されていたのだろう。

・今回聴取した者も、5名の派遣者の内、1名と合ったことがあると証言しているが、やはり派遣者はアジャスターであることを認識していた。なお、派遣者はBM社内では部長処遇の扱いであったとも云う。一般にだが、ディーラーでも損保でも同様だが、工場長とか店舗長とか所長と呼ばれる地位は、課長級である。これが部長級となるのは、幾つかの店舗とか地域を束ねる役職として本部長とか地域統括長であろう。損保の場合であれば、個別の店を支社と呼び、地域を統括する母店長を支店と呼ぶ(銀行では支社と支店の関係が逆となり個別の店舗が支店で、母店が支社)が、その支店長クラスは部長級となる。なお、今回の聴取者は派遣者がアジャスターと云うことは認識していたものの、給与を損保とBM社の両方から得ていたことは知らなかったと、私の言葉を聞きなから絶句していた。

・損保ジャパン社派遣の5名アジャスターは、先に述べたトップクリアーコートの水性までは、損保の指数に規定はないが、損保ジャパン派遣者が独自にガイドラインをBM社対して決め、他関係損保は事後承認としてそれに従っていたという。これ以外にも、ショートパーツとか、写真代やナンバーの新生とか交換などもガイドラインを決め、全国工場に指示していた様だと云う。

・BM社の損保が指定工場として積極的に利用した理由の一つに、代車の優位性があると述べている。指定工場の場合、代車は損保に対して無料サービスとなるのだが、BM社の代車はレンタカーなのだが、車種が豊富であり、事故車のオーナー(使用者もしくは所有者や保険契約者)の希望に沿え不満ができることがなかったという。つまり、アルファードとかハイエースバンなど豊富な車種が用意できたし、しかも、何れも新車から2年以内の新しい車両で、誘導されるオーナーから不満を持たれることが一切なく、代車に対する顧客満足度は極めて高かったと云う。

 これはあくまでウワサとして聞く話しだが、BM社の入庫誘導が増進する中で、それ以前の入庫誘導先となっていた、○○サミットグループ工場などは、損保からの入庫が減りつつ,BM社や損保に対する不満が渦巻き始めていたと云うが、ムリからぬ話しと聞く次第だ。これでは、最近の傾向として知る、○○サミットグループの指定工場が、損保の指定を返上する話しが出ていると聞き及ぶが、この辺りも一因となっていると改めて認識できるところだ。この辺りも、BM兼重社長の戦略眼というのを感じる。これなら、外資系損保など、特に指定工場化していなくても、代車に特別の注文を付ける契約者とか事故被害者であっても、代車代は浮いた上希望に添える代車が用意できると入庫誘導が進む訳だろう。ここは、BP系工場でもそれなりに規模が大きいと云われる工場でも、代車用に多種類かつ新しい自社保有のレンタカーまでを準備するなど、到底資金力からできないことであろう。

 しかし、ここまでやって採算を出すことは普通は到底できないのだが、水増し請求を繰り返すことで、採算を生み出し、事業費として借り受けた運転資金を返済し続け、さらに企業規模を拡大し続ける経営手腕は,正に兼重マジックと呼べるものだ。しかし、そこに不正を織り込んでいると云うことになると、やはり世間の糾弾を受けぬ訳にはいかないのではないだろうか。しかし、以下の「損保の偽善という意見に対する逆説の見方」で述べた通り、それでも損保としては、採算が合っており、高収益を生み出していて、代理店関係を断ち切れぬとは、極めて不合理でBMに関わりのない一般契約者とかBM以外の修理BP工場には許されざる行為と見なせるだろう。ここには、各保険会社が自社HPなどで掲げる社是の美辞麗句とは、遙かに離れた所業と見るしかないだろう。

【過去記事】
ビッグモーター社の各所から透ける内情
2023-07-11 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/67321462ad59efcd52b2d0a83a12da3f


ビッグモーター社の各所から透ける内情・さらに追記
2023-07-11 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/129adbb52ba2a7fa1b0252b6673d9ade


損保の偽善という意見に対する逆説の見方
2023-07-13 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/0f96a0444c9aa7d797d5b0d40b890b09


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