私の思いと技術的覚え書き

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ヤング率のこと

2011-05-09 | 技術系情報
 ヤング率とは、若い人の占有率ではなく、工学分野の言葉であり、日本語で記すと縦弾性係数となります。素材が応力を受けた時、弾性限度内での必用応力を表す値です。これは応力歪線図において縦軸に応力を横軸に歪量をとった場合に描かれる線の直線部(弾性限度内)の傾きに相当します。

 ですから、製品を剛性を高めるためには高いヤング率の素材を利用することが有利とはなりますが、脆性、延性、靱性、融点、密度などの物理的・機械的性質と素材コストを含め、考慮しなければならない問題なのでしょう。

 ちなみ、アルミニウム合金製のホイールは、現在では非常に普及し、カー用品店などで見返る安価なアルミホイール、カーメーカーの純正スチールホイールより安いほどです。このアルミの密度は約3と鋼の約8と比べれは40%弱です、しかし、アルミのヤング率は鋼の1/3程度と小さいですから、できる製品の重量は、比重の40%になるものではなく、2/3程度までの軽量化がいいところでしょう。

 航空・宇宙産業機器などコストより軽量化を優先させる製品には、チタンが多用されます。このチタンの密度は鋼の60%程度ですが、ヤング率も半分程度しかありません。この使用により出来る軽量化は、アルミより高いポテンシャルを秘めています。しかし、それよりも鋼を上回る高い融点だとか高い腐食性などにも注目しなければいけないでしょう。なお、チタンは素材コストも高いし、被切削性などが加工性が悪くコストも増加しますから、やたらなものに使える素材ではないです。

※主な素材のヤング率
 鋼 約200
 チタン 約110
 アルミ合金 約70
 CFRP 約140
 ダイヤモンド 約1100
 強化コンクリート 約100
 木材 9~11
 ゴム 約0.1

※過去の記事
車体の剛性のこと
ブラックバードのこと


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