テスラの自動運転システムは、テスラ社が公言するより余程危険性ありとの意見
そもそも論だが、テスラのオートパイロットとか最近はFSD(フルセルフドライビング)と称するものは、国交省などが多国の認識と一致させて策定させた、自動運転レベルで云うところのレベル2相当の機能しか持っていない。これはニッサンもそうだが、オートパイロットと名乗るのは、誤解を与える名称だといういう意見があることをまずは付言しておきたい。つまり、自動運転を名乗るべきは、走行環境(道路)とか、スピードレンジに、レベルに応じたそれぞれの制約はあるものの、レベル3以上の機能を備えた車両であることが大前提なのだ。
これは、レベル3以上の自動運転車では、その対応環境などにマッチしていれば、自動運転モードに入り、基本的に運転車は前方視認などしなくても良いし、法令上の携帯電話の操作をしても違法でないことが、既に法令改正されている。その点で、2020年2月現在、世界で自動運転レベル3を達成し市販しているのはホンダ・レジェンドだけで、この自動運転は主に渋滞走行中の自動運転を図ったTJP(トラフィックジャムパイロット)がシステム主体の自動運転運行装置として認められた部分だという。具体的には速度35km/h以下の渋滞運転領域が磁土運転としての認可を受けたものとのことだ。なお、このシステムは、自動運転領域を外れたりシステムが自動運転継続不可能と判断した場合は、即座に手動運転に移行する必用があり、システムはドライバーが運転できる状態かモニタリングシステムで監視しており、寝てしまったり運転席を離れ後席に移動したりはシステム警告で検知されるし、そもそも法令違反となる。
ちなみに、このレジェンドだが生産は100台限定、車両価格は1100万円とのことだが、買い切りは受け付けず、3年リース扱いのみでリース延長もなしという販売形態だ。これは想像すれば、未だ試作車の域であり、リース扱いで使用期間を3年間に限定し、この間に様々なデータサンプリングしようという人柱行為を前提にしているのではないかと思える。
これは筆者の想像に過ぎないが、このレジェンドは、OTA(無線通信)装置により絶えず、車両の状態をおそらく5秒とか10秒の単位で、そのデータベース項目としては、車両VIN、日時時刻、走行距離、位置、走行速度、各主要デバイスの値を積み上げていることだろう。しかも、エアバック差動の場合はEDRという機能で、起爆前5秒のデータをフリーズ記録する機構が取り入られているが、このレジェンドの場合は、EDR機能は当然持っておりデータ送信されるが、もっと微細な例えばXYZ各軸のG相当値が0.4G以上であると、その30秒程度前から、10秒後位までの各種自動運転に関わるセンサー値をフリーズ圧縮して送信記録しつつ、メインデータベースに紐付ける仕組みを取り入れているのではないだろうか。
ホンダとしては、これだけの先進技術を搭載してたかだか100台のクルマを作って採算は取れないことは重々承知で、新たな自動運転領域の開発のためのデータサンプリング車として販売するのだから、本来タダでも良い訳だが、他メーカーのモニタリングとかを幾らかでも防止したいと云う思いもあり、あえてリース販売としているのだろう。当然、契約約款の中には、指定工場以外に出すことは禁じているだろうし、自分でシステムを分解解析することも禁止する条項も入っているのではないだろうか。
ホンダの自動運転システムのことに話しが触れすぎたが、テスラやニッサンのオートパイロットは、あくまでも自動運転とは云えず、絶えずハンドルやブレーキを自動で差動はしてくれるというものの、あくまでドライバーが閑視し、問題があれば修正することを求められるシステムで、事故が起これば例えオートモード中だからとはいえ法令的にも運転車に責任は掛かってくるものなのだ。
以下のレーポートは、米国バージニア大学の研究者がレポートしたものを記事化したもので、テスラ社がオートパイロットという準自動運転車の事故発生率は既存車より70%以上低減するとしたことに異論を述べているものだ。
ここで、下記の意見を要約すると、従来車とオートパイロットの事故件数を単純に比較したのがグラフ1だ。これを見ると、確かにオートパイロット車の事故件数が低く見えてしまう。
ところが、道路の種類別に事故を集計すると、テスラのオートパイロット使用は93%が高速道路走行で、従来車の高速道路使用は28%と大きな格差がある。また、オートパイロットの事故率を「オートパイロットの一般道での事故率」として割り出すと、事故率は1マイル(約1.6km)あたり2.01倍も増加する。
グラフ2は、一般的な事故データに合わせ、「オートパイロットが100万マイル中、一般道を72%、高速道路を28%走行した場合の事故件数」を示したグラフ。走行する道路の種類を合わせるとオートパイロットと従来型ーで事故率はそれほど変わらないことが現れているとしている。
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テスラの自動運転システムは「主張よりもはるかに危険」なことが事故データを正規化することで明らかに
Gigazine 2022年02月04日 12時31分乗り物
バージニア大学で高度道路交通システムを研究するノア・グッド―ル氏が、2021年10月に「部分自動運転車の安全性統計を正規化する方法について」という論文を公開しました。この論文を基にテスラの自動運転車の事故データを正規化すると、「テスラの自動運転システムであるオートパイロットは同社が主張するよりもはるかに安全性が低いことがよくわかる」とジャーナリストのエドワード・ニデルマイヤー氏は主張しています。
View of A Methodology for Normalizing Safety Statistics of Partially Automated Vehicles
(PDF)https://engrxiv.org/preprint/view/1973/3986
電気自動車メーカーのテスラはオートパイロット機能の開発の中で、数回にわたり車両の衝突事故を起こしており、乗員の死亡事故も発生しています。にもかかわらず、テスラはオートパイロットが安全なものであるとたびたび主張しており、2018年には「オートパイロットが事故発生率を70%以上軽減する」というレポートを発表しています。
テスラのイーロン・マスクCEOはオートパイロット機能が普及すれば、「何千人もの命を救うことになる」と主張してきました。しかし、マスクCEOの主張を不審に思う人は多くおり、ニデルマイヤー氏も正確なデータを用いた評価がなされるべきと考えていたそうです。
そんな時に発表されたのが、グッドール氏の論文。グッドール氏は論文の中で「自動運転システムの開発が進むにつれ、自動車の安全性はますます規制当局にとっての大きな関心事となりつつあります。しかし、自動運転車の事故率は一般的にメーカーが独自の指標で報告しているため、定義が一貫しておらず比較が困難です。そこで、本研究ではとあるメーカーの自動運転システムで報告されている公道上での事故率を調査し、報告された事故率を道路の種類とドライバーの人口統計に基づいて調整しました」と記しています。
例えばテスラが公開しているオートパイロット機能による事故データを一般ドライバーの事故率と単純比較すると以下のグラフの通り。100万マイル(約160万km)ごとの事故件数(縦軸)はオートパイロット機能(青線)と比べて、一般ドライバー(赤点線)の方が圧倒的に多め。このようなデータを用いてテスラは「オートパイロットの普及が自動車事故を減らすことにつながる」と主張しています。
しかし、道路の種類をベースに事故件数を調整すると、異なる結果が見えてきます。テスラが公開している事故データでは「オートパイロットの総走行距離」の93%が一般道ではなく高速道路の走行したものであることが明らかになっています。一方、「一般ドライバーの総走行距離」のうち高速道路の走行距離が占める割合はわずか28%です。また、オートパイロットの事故率を「オートパイロットの一般道での事故率」として割り出すと、事故率は1マイル(約1.6km)あたり2.01倍も増加します。
以下は一般ドライバーの事故データに合わせ、「オートパイロットが100万マイル中、一般道を72%、高速道路を28%走行した場合の事故件数」を示したグラフ。走行する道路の種類を合わせるとオートパイロットと一般ドライバーで事故率はそれほど変わらないことがよくわかります。
この結果に対して、Hacker News上では「これはまさにグラフでうそをつく方法そのものだ」などの意見が上がっています。
#テスラの事故率低減はウソという意見
そもそも論だが、テスラのオートパイロットとか最近はFSD(フルセルフドライビング)と称するものは、国交省などが多国の認識と一致させて策定させた、自動運転レベルで云うところのレベル2相当の機能しか持っていない。これはニッサンもそうだが、オートパイロットと名乗るのは、誤解を与える名称だといういう意見があることをまずは付言しておきたい。つまり、自動運転を名乗るべきは、走行環境(道路)とか、スピードレンジに、レベルに応じたそれぞれの制約はあるものの、レベル3以上の機能を備えた車両であることが大前提なのだ。
これは、レベル3以上の自動運転車では、その対応環境などにマッチしていれば、自動運転モードに入り、基本的に運転車は前方視認などしなくても良いし、法令上の携帯電話の操作をしても違法でないことが、既に法令改正されている。その点で、2020年2月現在、世界で自動運転レベル3を達成し市販しているのはホンダ・レジェンドだけで、この自動運転は主に渋滞走行中の自動運転を図ったTJP(トラフィックジャムパイロット)がシステム主体の自動運転運行装置として認められた部分だという。具体的には速度35km/h以下の渋滞運転領域が磁土運転としての認可を受けたものとのことだ。なお、このシステムは、自動運転領域を外れたりシステムが自動運転継続不可能と判断した場合は、即座に手動運転に移行する必用があり、システムはドライバーが運転できる状態かモニタリングシステムで監視しており、寝てしまったり運転席を離れ後席に移動したりはシステム警告で検知されるし、そもそも法令違反となる。
ちなみに、このレジェンドだが生産は100台限定、車両価格は1100万円とのことだが、買い切りは受け付けず、3年リース扱いのみでリース延長もなしという販売形態だ。これは想像すれば、未だ試作車の域であり、リース扱いで使用期間を3年間に限定し、この間に様々なデータサンプリングしようという人柱行為を前提にしているのではないかと思える。
これは筆者の想像に過ぎないが、このレジェンドは、OTA(無線通信)装置により絶えず、車両の状態をおそらく5秒とか10秒の単位で、そのデータベース項目としては、車両VIN、日時時刻、走行距離、位置、走行速度、各主要デバイスの値を積み上げていることだろう。しかも、エアバック差動の場合はEDRという機能で、起爆前5秒のデータをフリーズ記録する機構が取り入られているが、このレジェンドの場合は、EDR機能は当然持っておりデータ送信されるが、もっと微細な例えばXYZ各軸のG相当値が0.4G以上であると、その30秒程度前から、10秒後位までの各種自動運転に関わるセンサー値をフリーズ圧縮して送信記録しつつ、メインデータベースに紐付ける仕組みを取り入れているのではないだろうか。
ホンダとしては、これだけの先進技術を搭載してたかだか100台のクルマを作って採算は取れないことは重々承知で、新たな自動運転領域の開発のためのデータサンプリング車として販売するのだから、本来タダでも良い訳だが、他メーカーのモニタリングとかを幾らかでも防止したいと云う思いもあり、あえてリース販売としているのだろう。当然、契約約款の中には、指定工場以外に出すことは禁じているだろうし、自分でシステムを分解解析することも禁止する条項も入っているのではないだろうか。
ホンダの自動運転システムのことに話しが触れすぎたが、テスラやニッサンのオートパイロットは、あくまでも自動運転とは云えず、絶えずハンドルやブレーキを自動で差動はしてくれるというものの、あくまでドライバーが閑視し、問題があれば修正することを求められるシステムで、事故が起これば例えオートモード中だからとはいえ法令的にも運転車に責任は掛かってくるものなのだ。
以下のレーポートは、米国バージニア大学の研究者がレポートしたものを記事化したもので、テスラ社がオートパイロットという準自動運転車の事故発生率は既存車より70%以上低減するとしたことに異論を述べているものだ。
ここで、下記の意見を要約すると、従来車とオートパイロットの事故件数を単純に比較したのがグラフ1だ。これを見ると、確かにオートパイロット車の事故件数が低く見えてしまう。
ところが、道路の種類別に事故を集計すると、テスラのオートパイロット使用は93%が高速道路走行で、従来車の高速道路使用は28%と大きな格差がある。また、オートパイロットの事故率を「オートパイロットの一般道での事故率」として割り出すと、事故率は1マイル(約1.6km)あたり2.01倍も増加する。
グラフ2は、一般的な事故データに合わせ、「オートパイロットが100万マイル中、一般道を72%、高速道路を28%走行した場合の事故件数」を示したグラフ。走行する道路の種類を合わせるとオートパイロットと従来型ーで事故率はそれほど変わらないことが現れているとしている。
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テスラの自動運転システムは「主張よりもはるかに危険」なことが事故データを正規化することで明らかに
Gigazine 2022年02月04日 12時31分乗り物
バージニア大学で高度道路交通システムを研究するノア・グッド―ル氏が、2021年10月に「部分自動運転車の安全性統計を正規化する方法について」という論文を公開しました。この論文を基にテスラの自動運転車の事故データを正規化すると、「テスラの自動運転システムであるオートパイロットは同社が主張するよりもはるかに安全性が低いことがよくわかる」とジャーナリストのエドワード・ニデルマイヤー氏は主張しています。
View of A Methodology for Normalizing Safety Statistics of Partially Automated Vehicles
(PDF)https://engrxiv.org/preprint/view/1973/3986
電気自動車メーカーのテスラはオートパイロット機能の開発の中で、数回にわたり車両の衝突事故を起こしており、乗員の死亡事故も発生しています。にもかかわらず、テスラはオートパイロットが安全なものであるとたびたび主張しており、2018年には「オートパイロットが事故発生率を70%以上軽減する」というレポートを発表しています。
テスラのイーロン・マスクCEOはオートパイロット機能が普及すれば、「何千人もの命を救うことになる」と主張してきました。しかし、マスクCEOの主張を不審に思う人は多くおり、ニデルマイヤー氏も正確なデータを用いた評価がなされるべきと考えていたそうです。
そんな時に発表されたのが、グッドール氏の論文。グッドール氏は論文の中で「自動運転システムの開発が進むにつれ、自動車の安全性はますます規制当局にとっての大きな関心事となりつつあります。しかし、自動運転車の事故率は一般的にメーカーが独自の指標で報告しているため、定義が一貫しておらず比較が困難です。そこで、本研究ではとあるメーカーの自動運転システムで報告されている公道上での事故率を調査し、報告された事故率を道路の種類とドライバーの人口統計に基づいて調整しました」と記しています。
例えばテスラが公開しているオートパイロット機能による事故データを一般ドライバーの事故率と単純比較すると以下のグラフの通り。100万マイル(約160万km)ごとの事故件数(縦軸)はオートパイロット機能(青線)と比べて、一般ドライバー(赤点線)の方が圧倒的に多め。このようなデータを用いてテスラは「オートパイロットの普及が自動車事故を減らすことにつながる」と主張しています。
しかし、道路の種類をベースに事故件数を調整すると、異なる結果が見えてきます。テスラが公開している事故データでは「オートパイロットの総走行距離」の93%が一般道ではなく高速道路の走行したものであることが明らかになっています。一方、「一般ドライバーの総走行距離」のうち高速道路の走行距離が占める割合はわずか28%です。また、オートパイロットの事故率を「オートパイロットの一般道での事故率」として割り出すと、事故率は1マイル(約1.6km)あたり2.01倍も増加します。
以下は一般ドライバーの事故データに合わせ、「オートパイロットが100万マイル中、一般道を72%、高速道路を28%走行した場合の事故件数」を示したグラフ。走行する道路の種類を合わせるとオートパイロットと一般ドライバーで事故率はそれほど変わらないことがよくわかります。
この結果に対して、Hacker News上では「これはまさにグラフでうそをつく方法そのものだ」などの意見が上がっています。
#テスラの事故率低減はウソという意見