私の思いと技術的覚え書き

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マイクロバス(ローザ)エンジン下ろしの大変さ

2019-12-02 | 車両修理関連
 修理工場にてローザのエンジン下ろしの作業を見る機会があったが、その大変さを感じたので書き留めてみたい。

 そもそも、マイクロバスはエンジンの上方開口部も狭く、側方もフレームとボデー間の隙間が狭く、エンジン廻りの整備性は良いとはいえないのだが・・・。なお、RRの中大型バスも、エンジン後面や側方の開口部こそ広く、ベルトや補機類の作業性などは良いが、ヘッド部などは床との隙間が狭く、整備性の悪さに泣かされている工場もあるのではないだろうか。

 今回のローザの場合だが、フロントがダブルウッシュボーンサスだが、ボルト付けのクロスメンバーとエンジンを一緒に下方に下ろすのだが、先にアッパーアームを外さないと、フレームに干渉して下りないという構造だと云うことが判る。なお、アッパーアームの単独外しも、開口部の狭さが影響するから、なかなか大変そうだ。なお、各種ホース類、パイピング、ハーネスなどの縁切りや、クーラーコンプレッサーの切り離しも結構な手間を要しただろうと想像できる。

 アッパーアームをもっと短くして、フレーム上部フランジより外側へ追い出す構造にしたいところだが、元来不等長ダブルウィッシュボーンとする必然(沈むこむとネガティブキャンバーに変化)だが、その不等長が大きくなりすぎるとキャンバー変化が大きくなり過ぎ、操縦安定性で難が出るなどからこの様な配置になってしまうのだろう。

 メーカーでの車両組み立ては、フレーム付きだから、フレームを上下反転させ、前後アクスルや配管などを天吊りで組み付け、ほぼ下回り部品の組み付けが完了する。その後、再度フレームを反転で正立させ、エンジントランスミッションなどを搭載して、フレームラインは完了となり、ボデーラインで塗装済みボデーを乗せて一体化させるという製造工程だと想像される。なお、もしかすると、フロントサスペンションAssyは全組みしておき、フレーム前端からくぐらせ後方へスライドさせて組み付けとしているのかもしれないとも想像した。

 なお、ローザの場合は、記憶のことだが年式が古いとアッパーアーム連結のトーションスプリングだったが、今回の場合も含め後年は、左右ロワアームを支えるコイルスプリングと、左右ロワアームをトランスバースしているヘルプリーフスプリングで構成される。コースターもそうだが、トーションスプリングの場合は、さらに複雑になりそうだし、ボデー艤装が済んでから、アンカー部の調整により車高調整が必用になるだろう。




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