先日のことで記してみたい。懇意にしている自動車板金屋さんなのだが、こと板金修理については、その経験に裏付けられた腕前(というか手法)にはあっぱれと賞賛する思いを持って接しているのだが・・・。しかし、自動車のサスペンションなど動きのある程度見える部位はともかく、エンジンの仕組みなど、基礎知識のなさには驚いてしまうところもある。まあ、誰しも得意、不得意な分野はある訳で、エンジン関係で解決方法(方向)が判らなくなると、時々愚人に相談が来る訳なのだ。
そんな訳で先日相談を受けたのは車検場に持ち込んだテリオスだが、排ガス検査に3度も落ちで1日振り回されたが、何をやったら解決するか判らないということであった。当方から質問したのは、アイドルの回転は安定しているのか、つまりエンジン振れが大きいということはないのか?、エンジンチェックランプは点灯していないか?ということであった。この返答は、何れも問題はないが、排ガス検査(アイドルCO4.5%以下、HC1200ppm以下)で不合格となるということであった。翌日の夕刻、時間もなく僅か5分程度の暫定診断において、以下の様なあくまで暫定対応を告げたところ、その翌日には再車検で合格したとの報を受けたのだった。
その暫定診断とは、アイドルの安定は聞いていた通り問題なく、特定気筒の失火などは生じていない様だ。OBDチェッカーもCO、HCテスターもないが、排気管出口で排ガスの臭いを伺うと、臭いがキツく、空燃比が濃い状態であることは確かな様だ。ということは、O2センサーのフィードバック制御が正常に行われていれば、そもそも生じる訳もないのだが、その場合エンジンチェックランプが点灯する訳だろうが点灯していない。あまりにも基礎情報が不足している訳だが、スロットルバルブ下流にあるメクラプラグ(径3Φ程)を外してエアを吸い込ませて空燃比を薄めてやると、大雑把に300rpm程もエンジン回転が上がることがそもそもおかしい。正常な空燃比なら、エンジン回転が上がる前に一瞬エンジン回転がばらつくなどして、それ程に回転が上がるなんて現象はあり得ないのだが・・・。何が原因で空燃比が濃くなっているのか、ここから対処する必要があるのだと感じる。ちなみに該当の板金屋さんに、「受験前にこのプラグを外しておけば、排ガス検査は通ると思うヨ」と伝えたところ、それなら、もうそれ以上何もしなくて良いということになり、僅か5分の中途半端な診断で終わったのだった。その翌日には、無事車検に合格したとの報告を受けたのだった。
もしも、このクルマの車検を愚人が受託したのなら、こんな中途半端な過濃空燃比になってる状態を知り、幾ら車検が通ったからと云えどもそのままにすることはあり得ないのだが・・・。
追記
当該エンジンに触れるのは初めてだが、アイドルCO・HCが基準を超すほど濃いというのは、空燃比がストイキ(理論空燃比)より濃いに違いない訳だ。しかも、その濃さは失火に至るまでの濃さでもないし、インジェクターの密着不良で後だれしているなら、特定気筒で濃いのだからしてパワーバランスが狂うからエンジン振れを生じるだろう。一方、このターボ付きガソリンだが、通常はターボ付きの場合だとエアフローメーターを装着したマスフロー制御(Lジェトロ)が一般的だが、エアフローらしきものがなく、給気管負圧とエンジン回転だけで制御するスピードデンシティ制御(Dジェトロ)の様だ。全体の空燃比が濃いと云うことは、バキュームセンサー自体が不良か、そこに居たる配管の機密不良などで働く負圧が低くなっているのかもしれない。通常、基本空燃比と理論空燃比ととの乖離は20%以内なら、O2センサーフィードバック制御で補正しきれるが、それで補正しきれないという症状だと、フューエルトリムエラーなどでエンジンチェックランプを点灯させると共に、フィードバック制御を中断させるのだが・・・。該当車には、その様なアルゴリズムが組み込まれていないということだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/5d/4376a022e55eb61e328b36df0d99c97c.jpg)
※写真はNetから切り取ったテリオスのエンジンで該当車のものではない。
そんな訳で先日相談を受けたのは車検場に持ち込んだテリオスだが、排ガス検査に3度も落ちで1日振り回されたが、何をやったら解決するか判らないということであった。当方から質問したのは、アイドルの回転は安定しているのか、つまりエンジン振れが大きいということはないのか?、エンジンチェックランプは点灯していないか?ということであった。この返答は、何れも問題はないが、排ガス検査(アイドルCO4.5%以下、HC1200ppm以下)で不合格となるということであった。翌日の夕刻、時間もなく僅か5分程度の暫定診断において、以下の様なあくまで暫定対応を告げたところ、その翌日には再車検で合格したとの報を受けたのだった。
その暫定診断とは、アイドルの安定は聞いていた通り問題なく、特定気筒の失火などは生じていない様だ。OBDチェッカーもCO、HCテスターもないが、排気管出口で排ガスの臭いを伺うと、臭いがキツく、空燃比が濃い状態であることは確かな様だ。ということは、O2センサーのフィードバック制御が正常に行われていれば、そもそも生じる訳もないのだが、その場合エンジンチェックランプが点灯する訳だろうが点灯していない。あまりにも基礎情報が不足している訳だが、スロットルバルブ下流にあるメクラプラグ(径3Φ程)を外してエアを吸い込ませて空燃比を薄めてやると、大雑把に300rpm程もエンジン回転が上がることがそもそもおかしい。正常な空燃比なら、エンジン回転が上がる前に一瞬エンジン回転がばらつくなどして、それ程に回転が上がるなんて現象はあり得ないのだが・・・。何が原因で空燃比が濃くなっているのか、ここから対処する必要があるのだと感じる。ちなみに該当の板金屋さんに、「受験前にこのプラグを外しておけば、排ガス検査は通ると思うヨ」と伝えたところ、それなら、もうそれ以上何もしなくて良いということになり、僅か5分の中途半端な診断で終わったのだった。その翌日には、無事車検に合格したとの報告を受けたのだった。
もしも、このクルマの車検を愚人が受託したのなら、こんな中途半端な過濃空燃比になってる状態を知り、幾ら車検が通ったからと云えどもそのままにすることはあり得ないのだが・・・。
追記
当該エンジンに触れるのは初めてだが、アイドルCO・HCが基準を超すほど濃いというのは、空燃比がストイキ(理論空燃比)より濃いに違いない訳だ。しかも、その濃さは失火に至るまでの濃さでもないし、インジェクターの密着不良で後だれしているなら、特定気筒で濃いのだからしてパワーバランスが狂うからエンジン振れを生じるだろう。一方、このターボ付きガソリンだが、通常はターボ付きの場合だとエアフローメーターを装着したマスフロー制御(Lジェトロ)が一般的だが、エアフローらしきものがなく、給気管負圧とエンジン回転だけで制御するスピードデンシティ制御(Dジェトロ)の様だ。全体の空燃比が濃いと云うことは、バキュームセンサー自体が不良か、そこに居たる配管の機密不良などで働く負圧が低くなっているのかもしれない。通常、基本空燃比と理論空燃比ととの乖離は20%以内なら、O2センサーフィードバック制御で補正しきれるが、それで補正しきれないという症状だと、フューエルトリムエラーなどでエンジンチェックランプを点灯させると共に、フィードバック制御を中断させるのだが・・・。該当車には、その様なアルゴリズムが組み込まれていないということだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/5d/4376a022e55eb61e328b36df0d99c97c.jpg)
※写真はNetから切り取ったテリオスのエンジンで該当車のものではない。