私の思いと技術的覚え書き

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大量のブラウン管処理問題から様々思う

2011-07-04 | コラム
 いよいよ、私的には待ちに待ちもしないデジタルテレビの本放送が今月末に始まります。これに伴い従来のアナログテレビ放送は中止されます。ところで、従来のアナログテレビ用にされていたテレビの廃棄量が道路沿いのスクラップ業社に積み上げられた量からも、増加していることを感じます。

 この従来のブラウン管ですが、陰極線管(CRT)という一種の大型真空管に高電圧を印加し、ブラウン管表面内側に塗られた蛍光体を発光させています。ここで大量に生じたブラウン管の処理が問題となっていることを聞きます。その理由ですが、ブラウン管はガラスで作られているのですが、多量の鉛を含んでいるためだというのです。

 ご存じの通り鉛は、人体に中毒症状を持つ危険性のある物質です。特定危険物の輸出入を規制する「バーゼル条約」にも該当する物質なのです。その様な訳で、ブラウン管ガラスを溶かし、純ガラスと鉛を分離する処理を行えば良いのでしょうが、それにはコスト的な問題が生じますから、どうやって処理をするのでしょうか。粉砕して埋めてしまえばというのも、安易な場所だと地下水に鉛が溶け出す怖れもある訳です・・・。

 最後に、ブラウン管ガラスに鉛が混入されている理由ですが、数万Vとう高圧で電子が管内を放電するのですが、この時X線を発するのです。そのX線の外部へ照射を少しでも減らしたいというのがその目的と想像されます。考えてみれば、医療用などとして使用されるレントゲン装置のX線発生管も、5万~15万Vという高圧において、X線を発生させているようです。

追記
 X線も放射線m一種です。放射線には、アルファ、ベータ、ガンマと各線がありますが、X線はガンマ線と近い高エネルギー光子として、高い透過性などの特性を持つようです。一方、アルファ、ベータ各線は。高エネルギー粒子として、透過性は低いものの、生物細胞への強い影響を持つそうです。なお、X線、ガンマ線でも、生体組織への影響はあり、照射累計線量が低いに超したことはない様です。



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