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ソフトバンクがARM(英)の株式をNVIDIAへの売却を断念の報

2022-02-08 | コラム
ソフトバンクがARM(英)の株式をNVIDIAへの売却を断念の報
 ちょうど1年前にソフトバンク(SBG)が、完全子会社として要していたARM(英)の全株式をNビディア(NVIDIA)へ400億ドル(4兆6千億相当)で売却する合意がされ、Nビディアは前払い金として12億5千万ドルを支払い済みであったが、「規制上の課題」を理由に中断されたという。

 この前払い金は返却の必用がなくSBGは利益金として計上するが、SBGはARMの再上場を実施し売却する意向という。

 ここで、記事にある「規制上の課題」とは、一部の国の規制当局の意義申し立てにある様だ。これは、筆者はIT業界に精通するにはとてもおよびでないが、ARMはMPUの設計ライセンス企業だが、およそ世界のスマホなどモバイイル機器や機器組み込みのMPUとしては、世界的に圧倒するシェアを持つ。このことから、ノキア(フィンランド)を始めとした欧州諸国で、既に米にインテル、AMDに引き続き、NビディアがARMを入手することで、MPUすべてを米に抑えられることの脅威を感じた故だろう。

 なお、現在スマホの世界シェアは、サムソン(韓)、アップル(米)、以下はファーウェイは潰されたが、依然中華の占有率はあなどれないものがある。従って、Nビディアがダメでも、米国ではインテル、AMD、アップル、IBMなどの大手企業は入手を検討するだろうが、対欧州を考えるとNビディアと同じことになるだろう。また、中国は固化を上げて、入手できるなら幾らでも出すだろうが、これは現在の米中関係から考えて実現はあり得ない。

 何れにしてもSBGはARM株を売却し現金を調達せねば、滅亡への道を突き進む訳だが、日本企業に買収してもらいたいと思うところだ。実際、日本の大手企業の中には検討している企業が幾つかあるのではないだろうか。

 ただし、日立や三菱電機は、このところの経営資源的に難しそうだし、往年だったら東芝とかを先頭に、NEC、富士通、パナソニックなど目白押しだったが、可能性としてあり得るのは、ソニー、デンソー辺りは真剣に検討しているのではないだろうか。それと、日本はサムソン、LG辺りの動きを警戒しなければならない様にも思える。

 ただし、現在の日本のチップ製造企業は凋落が著しく、直ちに数nmレベルのチップを作れる企業がない。しかし、PCやサーバーベースのMPUとしては、インテルには対向できないが、モバイルや組み込み機器ベースで考えると、自動運転など、ますますコスパが良い最適MPUの市場は拡大していくとみえる。この、ARM株上場からは、当面注目すべき動きだと思える。

【過去記事】
ARMをソフトバンクが手放したチャンスを逃したことを悔やむ
2021-02-13 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/e6bcaf70eeb225501430ec67684ce6f0
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ソフトバンクグループが「Arm」のNVIDIAへの売却を中止 Armは2023年度の再上場を目指す
「規制上の大きな課題」が原因
[井上翔,ITmedia] 2022年02月08日 17時15分 公開
 ソフトバンクグループ(SBG)は2月8日、同社の完全子会社である英Arm Limited(Arm)の株式を米NVIDIAへ売却する契約を解消したことを発表した。合わせてSBGは、Armの株式を2023年度中(2023年4月から2024年3月まで)を上場させる準備を開始する方針を明らかにした。

売却中止の概要
 SBGは2016年7月、英ARM(現在のArm)を約3.3兆円で買収する方針を発表し、同年9月に完了した。

 その後、SBGは2018年にArmの再上場を検討している旨を明らかにしたが、最終的に2020年9月にNVIDIAに株式を売却することを発表した。

 ソフトバンクグループが英Armの全株式を米NVIDIAに最大400億ドルで売却へ 取引完了まで18カ月かかる見通し

 Arm株式の売却は、規制当局の承認など必要な手続きを全て満たすことを条件に18カ月後(2022年3月)をめどに実行される予定だった。ところが、「これを阻む規制上の大きな課題」(SBG説明)が生じたため、NVIDIAとSBGは売却を中止することに合意した。SBGの孫正義社長が2021年度第3四半期決算説明会で行った説明を聞く限り、『一部の国において規制当局の承認を得られる見通しが立たないこと』が売却を断念する理由であるようだ。


 Armの売却に先立って、SBGはNVIDIAから約12億5000万ドル(約1443億5000万円)の前払い金を受け取っている。SBGとNVIDIAとの契約の条項に基づいて、この前払い金の返却は行われない。よって、SBGは2021年度第4四半期(2022年1~3月)において前払い金を利益として認識(計上)することになる。

 一方で、NVIDIAは今後20年間、Armから付与された知的財産権に関するライセンスを保持する。

Armの再上場計画を“復活”
 本件を受けて、Armは株式を再上場する準備を開始する。先述の通り、再上場は2023年度中に実施される予定だ。

 SBGは2018年時点で「Armを5年後(2022年度中)に再上場させる」という計画を持っていた。Armの売却が中止されたことに伴って、その計画が“復活”したことになる。

#ARM株のNビディアへの譲渡が「規制上の課題」から中断


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