私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

日産はヤバイんじゃなかろうか?

2020-07-16 | 問題提起
 ヤバイとは経営的にということだ。今般の病変により各メーカー共に業績の落ち込みがあるが、日産の業績落ち込みは特に大きい。これは病変だけのものではない。こういうことを記すと、カルロスゴーンが悪だったからそうなったみたいな論評があるが、それだけに要因を置くのは間違いだろう。

 情報を見ると、カルロスゴーンが乗り込んで来る、すなわちルノーの救済を受ける前にも危機的状況に追い込まれたが、今回も相当なリストラを行わねば立ち直れないだろうと理解している。なぜ、ここまで業績が落ち込んでしまうのだろうか。やはり、企業体質として深く悪しきものがある様に思えてならない。

 しかし、思うにこのメーカーのクルマの技術が劣るとは思えない。独自の先進性はあるのだが、どうもそれを上手く発揮出来ないところに、企業体質の問題はあるのではないだろうか。もっと噛み砕くと、商品開発の技術者には優秀な人材が居るが、そもそもの商品戦略だとか、全体として何処に主力を置くか、集中させるかという経営的な指揮者にホンクラが多いのではないだろうか。

 また、商品開発の技術的な追求は優良でも、見せる要素、つまりデザインとかでは、劣る様に感じるところはある。リストラして採算を取る必用はあるが、大前提として以下に魅力ある個別車種を生み出して行けるかと云うところに帰結するだろう。そういう点では、同社の近年のクルマは、トヨタのモチーフを模倣するところが目立ちすぎる。意匠としての技術を、もっと改革せねばならないのだろうが、なかなか一朝一夕には行かないだろう。

 最近、同社のシンボルエンブレムが新しくなったとして公開されたが、何ら変わり映えのないものとしか見えない。また、次年度発売の「アリア」とかいうEV車も発表されている。EV車は確かに注目されており、世界的には急激に台数を伸ばしているというが、少なくとも我が国では、未だ極少数のシェアしか持たない。世界的にも、総EV販売が100万のオーダーと云うレベルだろう。内燃機関を入れた全自動車のボリュームは1億台/年のレベルから1%がEVのシェアと云うことになる。こんな中、EVメーカーの米テスラ社の株式総資産がトヨタを超えたとか報じられているが、そんなのただの株式の期待値が生み出した架空のものに違いないとは私見だが・・・。そんなことを思うと、今限られた資源を集中すべきは、EVカーではないと思える。

 それと、2016年のことだから既に4年前だが、日産はカルソニックカンセイの全株式を売却し、子会社から外してしまった。トヨタがデンソーを切り離すことは考えがたいのに、それをやってしまっているということだ。日産車には、およそ電装部品、内装部品、サスペンション部品など、かなりの比率でカルソニック社の製品を現在でも使用しており、表面的は影響はないと見えるが、本質としては自分の手足を切り落としたに等しいと見る。なお、カルソニック社では、その後、日産だけの受注に頼る訳には行かぬと、独自にマレリ社を買収して、マレリ社の名前に変更し、独自に世界的に受注を得る体制に切り替えている。




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