私の思いと技術的覚え書き

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トヨタもアルダイボデーを思考

2023-06-15 | コラム
トヨタもアルダイボデーを思考
 テスラがモデルYで先行しつつ、既に中国地場メーカーでも追随する動きの出ている、車両の前後コンストラクション(構造物)をアルミダイキャストで一体成型する技術だが、遅ればせながらトヨタも追随することを報じている。

 ダイキャストとは2つの金型(鋼製でその内部に製作形状を掘り込んだ空間(キャビティ)を持ち、固定型に対して可動型を強く押し付け(型締力)、そこに溶融アルミ(700℃)を高圧で注入して一気に鋳造するダイキャストいマシンを使用する技術。セットする金型の大きさが大きいほど、強い型締力が要求されるが、テスラの場合で6000トンだというが、今後もっと大きな方占め力のダイキャストマシンを使用する方向という。

 ダイキャストは、製品製造サイクル型締め、要湯注入、型開きが、製品取り出しまでが大型製品でもおそらく30秒以下という超短時間サイクルタイムで、この間は総て無人化できてしまう。従って、ラニングコストは劇的に下げられるのだが、初期投資としてマシンの導入と金型コストに相応の負担を要する。

 ダイキャストはアルミとか亜鉛という鋼(1500℃)に比べるとアルミ(700℃)、亜鉛(400℃)ほどと低融点金属を使用する。似た様な金型を使用し、その空間に樹脂を注入する射出成型という技術があるが、この射出成型金型で、大物としては前後バンパーとかインストルメントパネルなどがあるが、これで数億とか聞くので、ダイキャストの前後コンストラクションを包含する金型だと1つい10億は下るまい。つまり、トヨタのbz4xみたいな少量生産車だけを作っていたのでは、とても設備の減価コストを償却してコスト低減はできないだろう。同型使用で、年産50万台とか作らないと、幾らサイクルタイムが短くても、採算ベースに乗らないのではないだろうか。

 ところで、アルミダイキャストは、車両メーカーとしては、ホンダが早くから実用化しつつ、高品質製品をブロダクトして来た感を持つのだが、当然ホンダでも同様のことを考えているハズだ。しかし、ダイキャストマシンは日本でも世界的に有数の企業があるのだが、何処の機械を使用するのか? 芝浦機械かUBEマシナリー辺りかと想像するが・・・。

 しかし、2年後を目指すとは、遅い、遅すぎる・・・。


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ギガキャストがトヨタの次世代BEVのボディ構造を変える!どんな技術なのか?
Motor-Fan.jp /13(火) 7:10配信
 トヨタは、TOYOTA TECHNICAL WORKSHOP2023でさまざまな新技術・先行開発を披露した。そのなかで次世代電池と並んでひときわ注目を浴びたのが「ギガキャスト」である。「クルマ屋が考える最適形状を高い生産性の一体成形で実現」するアルミダイカスト技術だ。
TEXT:鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)

テスラや中国勢を追撃、追い抜くための「ギガキャスト」
 トヨタは2023年5月にバッテリーEV専任組織「BEVファクトリー」を発足させている。ここでは、クルマ・モノづくり・仕事を変革し、「BEVで未来を変える」ことをテーマに据えている。

モノづくり軸のメイントピックは「ギガキャスト」の採用である。ギガキャストとはなにか?
 これまでの……というか、一般的な工法だと、乗用車は鉄板をプレス成形して、多くの部品を溶接して組み上げたモノコック構造を採っている。大量生産がしやすい、材料費が安い(スチールだから)、剛性が出しやすい、多品種生産に対応しやすいなどのメリットがある。以下略


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