修理工場は損保に対して債権債務関係がなから請求権がないという論理の間違い
ある論者は、修理工場は保険会社とは債権債務関係にない、債権債務関係にあるのは該当修理工場と車両の修理依頼者である所有者もしくは使用者であるからして、保険会社にもの申すのはムダだ。修理工場は保険会社を無視して、請求すれば良いかの言説を聞くことがある。
しかし、これは大きな間違いが内在しており、保険契約者(多くの場合車両の所有者もしくは使用者)が修理工場に対して、保険契約により代金を第3者たる修理工場に直接支払うと約している場合、民法537条より、修理工場は保険会社に対して直接代金請求する権利を持つと解される。
民法第537条(第三者のためにする契約)
1.契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
2.前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存在しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。
3.第1項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
改正経緯
2017年改正により、第2項を新設。旧第2項を第3項とし条項の文言を修正。
ある論者は、修理工場は保険会社とは債権債務関係にない、債権債務関係にあるのは該当修理工場と車両の修理依頼者である所有者もしくは使用者であるからして、保険会社にもの申すのはムダだ。修理工場は保険会社を無視して、請求すれば良いかの言説を聞くことがある。
しかし、これは大きな間違いが内在しており、保険契約者(多くの場合車両の所有者もしくは使用者)が修理工場に対して、保険契約により代金を第3者たる修理工場に直接支払うと約している場合、民法537条より、修理工場は保険会社に対して直接代金請求する権利を持つと解される。
民法第537条(第三者のためにする契約)
1.契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
2.前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存在しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。
3.第1項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
改正経緯
2017年改正により、第2項を新設。旧第2項を第3項とし条項の文言を修正。