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走行中のトレーラー後輪付近が炎上・福岡

2022-04-13 | 事故と事件
走行中のトレーラー後輪付近が炎上・福岡
 トラックの車輪脱落が問題となっているが、この車輪からの出火というのも、かなり以前から多いことを知見している。
 実のところ、車輪脱落はトラックの左後輪に多いと分析されている様だが、火災については、単車(トレーラーでない)でもトレーラーでもあり、明らかに後輪の場合が多いと云うことだ。

 今回の事案は3軸トレーラーであるが、報道された動画ではどうやら右最後輪付近から出火している様だ。
 この車輪から出火というのは、ブレーキが引きずり状態にあり、ブレーキドラムが赤熱過熱して、タイヤから出火するものだと考えられる。では、何故引きずりするのかと云うことだが、多くの事案では、当該ブレーキがフルエアブレーキだということがある。このエアブレーキは、単車の場合は、ペダルからエアマスター(空気圧倍力装置)までをエアで行う空油圧複合ブレーキと、ペダルから各車輪までのすべてエアーで行うフルエアブレーキの2種がある。しかし、中期ブレーキ規制以後とか、トレーラー車の場合は、連結や切り離しを容易に行えることが要件となり、フルエアブレーキが必ず使われる。

 車輪のエアブレーキの作動は、チャンバーという空圧をダイヤフラムでストロークさせブレーキ動作を行うが、エア圧が限度以下になった場合の安全性からと駐車ブレーキ用として、ダイヤフラムが2重に使用された2つのチャンバーを持っている。この場合、添付図の様に規定以上のエア圧があると、スプリングチャンバーはスプリングを押し縮めてブレーキを開放する。また、駐車ブレーキの作動は、スプリングチャンバーのエアを抜いて掛ける、だから作動させるとバシューというエア排出音が出る。このスプリングチャンバーのダイヤフラムにエア漏れが生じた場合、スプリングによりブレーキは作動仕掛けるのだが、漏れ量が少ない場合はデジタル的に0→1と変化するものでなく、アナログチックにブレーキが引きずる事態が予見できる。つまり、完全にエアが抜ければ、ホイールロックして走れなくなるので火災になることはないが、軽く制動したままで走向継続すれば、ドラム過熱からタイヤ出火となるのだろう。

 それと、どうやら様々なトラック、バスのタイヤ脱落とか出火の事案を見て来て、タイヤの脱落にバスの事案を知らない。このことと左後輪に多いと云われることを合わせると、どうやら後輪2軸車にタイヤ脱落が多いということが云えそうである。(極一部を除いてバスに後輪2軸はない)
それと、火災の場合は、トラックでもバスでもそれぞれ多数あることを認知している。ただし、前輪にはなくて、後輪にあると云うことだ。これは何を示すのかと想像した時、左右対抗した両車輪は独立していて、同時に引きずることは希だろう。もし、前輪で方車輪が引きずりを生じたらを想定してみれば、かなり強くハンドルが取られることで、異常が即座に察知できるだろう。





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テレビ朝日系(ANN) 4/13(水) 17:40配信
 13日早朝の高速道路で大型トレーラーが炎上しました。
 路肩に止まったトレーラーの後輪付近から激しく上がる炎。
 火災があったのは福岡県大野城市の都市高速下りで、午前7時すぎ、「走行中に火災が発生し、後部が燃えている」と大型トレーラーの運転手の男性から110番通報がありました。
 消防車11台が出て消火にあたりました。
 トレーラーには通報した男性1人が乗っていましたが、けがはないということです。
 この火災の影響で現在も一部区間で通行止めが続いています。テレビ朝日


#トレーラー車輪から火災


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