私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

この年末年始に読んだ本(クルマ・ハート・スカG)

2017-01-02 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 アナログ旧車大好き人なら、桜井眞一郎氏(2011/1/17没:81歳)を知らぬ方は少ないだろう。しかし、同氏の身近で接した方を除けば、私も同様だが、その思考を直接的に知る方も少ないだろう。それは、同氏自信が著した、もしくは同氏の内面までを書き表した書籍が僅かしかないことにもあるのだろう。そんな中、表題の書籍(クルマ・ハート・スカG:山海堂 昭和57年1月出版)を発見し、その思いを少しでも知りたいと中古本を購入した次第だ。

 この本は、桜井氏と某モータージャーナリストが対談するという形で、その言葉を書き留めたものである。この本を読み、ああ、想像していた通りの方だったと思えたのが大きな印象だ。それは、過去に記したDB・W196レーシングマシンと設計開発者のルドルフ・ウーレンハウトの場合と非常に類似している。市販車もR380などのレーシングマシンも、まず自らがドライビングして確かめるという行動パターンはまったく同様だ。

 しかし、スカイライン一筋に初代から7代目までの20数年間を継続して開発責任者(初代は責任者ではない)として携わったというのは、尋常ではないものを感じる。これは、スカイラインと日産の発展に寄与した部分と、その真逆となる部分を合わせ待った諸刃の剣であったとも思えるのだ。勝手な想像だが、プリンスと日産の合併(実態は吸収だろう)による、組織体としての歪から生じたのであろう。そして、日産はシェアを落とし続け、倒産の瀬戸際で、はるかに小規模なルノーの手に渡り、なりふり構わぬ企業規模の縮小により、かろうじて業容を回復させた。

 しかし、ホンダの中村良夫氏やいすゞの兼坂弘氏みたいに、役務を離れてから、種々の体験談とか意見や評価、論評など著述が欲しかった方であり残念と感じる。



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